- 運営しているクリエイター
記事一覧
ノモリクヲノミカ4
https://note.com/aoiaoichan/n/ndb69b073a50f
https://note.com/ravenblackblue57/n/nfbfd4e4a21de
暖炉を抜けると雪国だった。
「何ここ寒っ」
「さっきは高所で次は雪国って。ついてないわあ」黒猫のサキが全身の毛を逆立てている。
「カメレオンって熱帯生物なんだけど」コウタも不満げだ。
「ゆき!ゆきいっぱい!ふ
ノモリクオノミカ⑤【連載小説】
【ノモリクオノミカ④はこちらです】
ぼくは息を切らしながら、ライトセイバーを腰のさやに納めた。すると足元に粉々になって散らばる氷の鏡のかけらが、オレンジ色に光り始めた。かけらの周りの雪がしゅうしゅう音を立てて白い湯気を噴き出す。生暖かい水蒸気が空気中にたちこめた。
「なにこれ、雪が溶けてるの!?」
溶ける音にまぎれて、ナオの声が聞こえる。白い湯気の中でみんなを見失いそうになって、ぼくは大声を
ノモリクヲノミカ ⑥の最初
コウタの姿が壁を登り、徐々に見えなくなってゆき、あたりに静寂が訪れた。ぼくとリョウとナオとサキは、ただ黙って、頭上の剣の交わる門を見上げている。
「コウタのやつ、無事かな?音も声もしないけど…」
しばらくしてリョウがそう呟く。
その声が、静かな門にこだまして、さらに静けさを増幅させた。
風が吹き、砂が舞い、僕らの髪や毛並みが少しだけ揺れる。
「あれ?リョウ、来たの?」
ぼくはリョウに訊いた
ノモリクヲノミカ ⑥の真ん中
「僕は、ハルカと言います。このセオドアで、王をしています」
白いパーカーを着たハルカは、そう言った。
「はるばるここまでよくたどり着いたね。ほんとうにおめでとう。君たちはよくがんばったよ。お疲れさま、おめでとう、がんばったね、ほんとうにありがとう」
そしてひとりで拍手をする。
ぼくたちは、転がったままだったので、それぞれ手をとりあって、ゆっくりと立ち上がった。
「さて。ここまでたどり着いた
ノモリクヲノミカ ⑥の最後
「モモ、どういうことだよ…」
コウタがモモに問いかける。
けれどもモモは答えない。
その代わり、ハルカがにこやかにモモに声をかけた。
「独り占めにする必要はないよ。それは皆で見つけたものだ。皆にその権利がある」
けれども、やはりモモは答えなかった。
モモの意図がまったく掴めない。モモは、いったいどうしたいんだろう。
ぼくも、モモに声をかける。
「モモ、どういうことだよ」
すると、モモはテ