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【図解】要約ブームが、忙しい人を量産する

文章にせよ動画にせよ、世は空前の本要約ブーム。「忙しい人のための本の要約」が、サービスとして人気を集めています。さらに、ChatGPTを始めとした生成AIが文章の要約を得意としているので、今まで以上に要約ブームが加速する兆しもあります。

私は、要約ブームが過熱するほど、忙しい人が増えると考えています。要約サービスが役に立たないと切り捨てるつもりはまったくないんですが、そんなにコスパ・タイパがよいわけではないと考えます。理由は3つです。


① 読解力が伸びないから

本を読んで得られることは、本に書かれている内容だけではありません。その最たるものが、読解力です。私たちは仕事や人間関係において、「認識合わせ」と称される行為に多くの時間を費やしています。他者の発言や文章の意図を読み取り、自分の解釈を伝えて合意を得ることですね。たとえ要約をたくさん読んで細かなテクニックを学んでも、根本の読解力が向上していなければ、認識合わせに多くの時間を取られる現状は改善しないでしょう。

また、読書は読解力だけでなく、語彙力、構成力、根気などの能力を伸ばす絶好の機会にもなります。これらの能力は、相手の読解力をフォローする能力とも言えますね。


② ムダを減らしていないから

忙しい=本を読む時間がない、ということは、ムダな時間を減らせていない・時間管理ができていないことの裏返しではないでしょうか。忙しさは、ムダな何かを減らすことでしか解消しません。要約サービスに頼ることは、削減しなければならない大きなムダから目を背け、小さなスキマ時間を必死に活用しようとしている行為だと考えます。


③ 「忙しい自己」像への依存を助長するから

「忙しい人のための要約」を読んでいる「忙しい自己」像に依存することで、痛みを伴う自己改善から目を背けることができます。要約を読んでいるのは、本から学びを得て自己改善したい欲求があるということ。でも忙しさを理由にして大事なことに向き合うことを回避している状態、つまり『限りある時間の使い方』で提唱されている「忙しさ依存」ですね。「忙しい自己」像を捨てて、変化に踏み出しましょう。



忙しい人から脱却するには、要約を読む側から一歩進んで、要約をする側になることが必要だと考えています。やっと図解。

濃いインプットをして、自分の頭で考えてアウトプットする。そうして自己の成長を促すことが、長期的に見れば効果を発揮すると考えます。

自分でアウトプットする作業は、まとまった時間とエネルギーを投資する取り組みです。スキマ時間での細切れのインプットとは違った、ロングスパンの時間感覚を持つ必要があります。メインディッシュに据えるのは自分からのアウトプット。要約サービスの利用は、箸休め・小鉢のおかずとして捉えるのがよさそうですね。


私にとっての要約は、誰かのためにするものではなく、自分の変化を促すためにするもの。noteの場で読書まとめなどをアウトプットしているのは、忙しさに依存して怠けようとする自分に対して、プレッシャーをかけるためなのかもしれません。

もちろん、アウトプットした内容が誰かのお役に立てば幸いですし、「自分でも読んでみよう、アウトプットしてみよう」と思ってもらえたらベストですね。


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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。