読書まとめ『AIに負けない子どもを育てる』→一文に向き合う根気と読解力が自学自習の要

『AIに負けない子どもを育てる』新井 紀子

一言でいうと

一文に向き合う根気と読解力が自学自習の要

どんな人にオススメしたいか

・暗記科目が得意だった人
・文章は読めているつもりだが、書くのは苦手な人
・公教育の関係者
※今作ではヒト・教育現場にフォーカスが当たっており、AIはメインではなく競争相手として描かれているように感じた。表紙・背表紙ではデカデカとAIと書かれているが、AIのことをメインに知りたい場合は前作の方がオススメ。

著者は「教育のための科学研究所」の所長。『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の続編。前作で説明された「ロボットは東大に入れるか」の実験を通じて、読解力を測るRST(リーディングスキルテスト)が開発された。読解力を求められる問題はAIの不得意な分野ではあるが、それ以上にヒトの読解力低下が危機的状況だったとのこと。じゃあヒト(大人も含めて)はどうしたらいいのか、という問いに対する学びを3点でまとめる。

① 単語偏重をやめて文章に向き合う

・単語の意味がわかる=読める、ではない。文章を理解するには、と・に・ならば、などの機能語が重要。
・語彙の数は環境に左右されやすい。ドリルで増やすものではない。多様な人の会話を聞く・読む経験を。
・文章をきちんと読む。時間効率を重視したスマホの「スワイプ読み(未定義)」・「キーワードピッキング」は読解力が伸びない。
・読解力が低いと板書が遅くなり、授業の進みが遅くなる。対策として穴埋め式プリント教育が普及したが、真因である読解力の底上げにはなっておらず、悪循環。

② AIの得意不得意を正しく知る

・AIに仕事を奪われることが心配なら、AIが苦手な分野を把握するべき。同じ土俵に立たない。
・記憶・計算・論旨要約は得意。イラスト・図・地図は、AIには理解が難しい。 読解力も不完全。
・単語偏重型のキーワード読みは、AIの得意な手法。AI読みをしてもAI人材にはなれない。

③ 自学自習の基礎づくりをする

・読解力がないと、問題文が読めない。そして、記述式問題に対する自分の解答が、模範解答と同義かがわからない。だから、自学自習できない。
・まずは定義を確認し、理解する。それが読解の基礎になる。ex.偶数とは、2で割り切れる整数。
・国語は、すべての教科の知識に命を与える科目になりうる。他教科の学習内容に合わせた文学・評論を国語の授業で取り上げることで相乗効果が期待できる。
・正しく読めることが、正しく書けることにつながる。伝わる文章を書くためにも、読解力が必要。

※思いついたことを図解してみた。

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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。