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逆噴射プラクティス

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2018年11月の記事一覧

午後のティー劇場特別編 女ターザン

ゴリラが自転車を捩じる!ゴリラが自動車を潰す!雄叫びをあげ、大自然の怒りをぶつけるかのように文明社会の象徴を破壊する!

「大変!ジェシーが暴れているわ!」
「大丈夫さ、マリア。ゴリラは紅茶を飲むと大人しくなるんだ」

マイクは得意げにティーカップを取り出し、ジェシーに差し出す。ジェシーは受け取り、香りを確かめる。

「スゴイわ!マイク!さっきまで暴れてたジェシーが大人しく紅茶を受け取ってる!」

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空間を制する者

空間を制する者

「ワシこそが最強の男じゃッ!!!」

全裸中年男性が世界最強大会に殴り込み!会場中に悲鳴が響く!

「警備は何をやってるんだ!今すぐ排除させます!」

別室でモニターを見ていた黒服の男は顔面を青ざめながら、指令を飛ばそうとする。だが猫を膝に乗せ、顔が真っ暗で、白いスーツを着た男が止める。

「あいつの下半身に注目しろ」
「はい?……!……見えない?」

ドローンカメラは前後左右から全裸中年男性の映

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来週の午後のティー劇場はデビル紅茶まつり!

来週の午後のティー劇場はデビル紅茶まつり!

デビル紅茶VSエクソシストはいかがでしたか?なんと来週の午後のティー劇場はデビル紅茶まつり!

あの恐怖再び!デビル紅茶VSエクソシスト2!

デビル紅茶は一体だけではなかった!岐阜城の地下には、織田信長が世界征服に使うデビル紅茶が大量に隠されていたのだった!

デビル紅茶たちが現代に蘇れば、日本は闇に閉ざされる!果たしてマルコ鈴木はデビル紅茶を倒せるのか!

そして次は、まだまだ悪夢は終わらない

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午後のティー劇場 デビル紅茶VSエクソシスト

午後のティー劇場 デビル紅茶VSエクソシスト

人気のない高台、筋肉質な男と豊満な胸の女が抱き合い、唇を奪い合う。

「そろそろいいだろ」
「そうね……ねぇ、紅茶まみれでやってみない?」
「すきにすればいいさ」

ペットボトルのふたを開け、頭から紅茶を被る。全身に紅茶がしたたり、濡れた服が透け、官能的なボディラインが露になる。そしてペットボトルを口につけた。

AAAAARGH!

彼女の唇にペットボトルがくっつき離れない。それどころから、残り

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おやすみ!たけしくん!

おやすみ!たけしくん!

「お母さん、紅茶飲みたい」

「ダメよ、寝る前に飲むとカフェインのせいで、眠れなくなるのよ」

たけしくんはダダをこねましたが、お母さんは取り合ってくれませんでした。
仕方なくベッドに入ったのですが、紅茶がほしくて眠れません。

「紅茶がほしいな。飲みたいな」

たけしくんがつぶやいたその時です。

CRASSSSSSSH

紅茶のような紅い瞳をした男が、窓をぶち破りエントリー!
そして話しかけて

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新鮮なお肉のすてーき屋さん 後編

新鮮なお肉のすてーき屋さん 後編

前編

部下は店の奥へ連れ去られ、今は評論家一人。いますぐ逃げ出せるが、部下を殺された恐怖よりも、完璧な肉への興味が勝った。ただ料理を来るのを待つ。

「思ったより手間どった」

料理が置かれた。香ばしいにおいと、よくきいたスパイスの香り。ジューシーな表面が食欲をさそう。ただ肉の塊から生えた五本の枝が、ただの肉ではないことを語っていた。

「食べないのか?」

目の前の肉を見つめるだけの評論家に、

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新鮮なお肉のすてーき屋さん 前編

新鮮なお肉のすてーき屋さん 前編

「評判の店と聞いたが、まずいな」

「ですね!先生!」

評論家が一口ごとに文句を言えば、部下と思わしき男がただ相槌を打つ。

「そんなにここの肉がまずいか」

コックが歩み出る。

「肉の臭みが残っておる。完璧とはいいがたい肉だ」

「ですね!せんせ……」

BLAM!

コックはマグナム銃を引き抜き、部下をヘッドショット!

「なら完璧な肉を食わしてやる。とれたての肉を使ってな」

評論家の額

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将太のティー

将太のティー

「勝者ササコーヒー!」

会場がざわめく。「一勝一敗だ」「次で勝負が決まるぞ」会場の熱気は高まり続けている。「次のお題はスコーンにあう紅茶、一時間の休憩後に行う!」

──

「ちくしょー!ササの奴、審査員を事前に調べ上げて、故郷の水を使うなんて」信夫は怒りのあまり大きな足音を立てながら歩く。「次があるから大丈夫。とっておきの茶葉を用意したから負けないよ」それにくらべて将太(マサタ)は冷静だ。次は

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熱血紅茶闘士 午後野丁太郎

熱血紅茶闘士 午後野丁太郎

「アニキ!こいつ午後の紅茶なんて持ってますよ!」

地面に叩きつけ、踏み潰す。血しぶきのように中身が飛び散る!

「かわいそうなやつだな。オレが本物の紅茶を飲ませてやる」

モヒカン番長はティーポットを取り出し、熱々の紅茶を注ぎ、猫山に突き出した。

「やめてください!僕猫舌なんです!」

「俺の紅茶は猫もおいしそうに飲むぜ」

モヒカンは話を聞いていない。猫山が拒絶しようとも、紅茶は近づいていき

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夢と希望の25年

夢と希望の25年

俺しかいない平日朝の映画館。子供の喧騒に煩わされることなく、『プリティヒール』25周年映画が見れる。
最初に名シーン集。25年間の思い出がよみがえる。シリーズの基礎と他にない異質さを持つ『初代』。退屈な前半と熱い後半の『MM』。シリーズ分かれ目ともいえる『6』。味方が倍に増え、子供ながらにテコ入れを感じた。そして妹が見るのをやめた。俺たち兄妹にとっても分かれ目だった。

俺は一人見続けた。夢と希望

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地獄への道 part2

地獄への道 part2

part1

「キレイに育ってね」

コップに入ったミョウバン結晶に声を掛ける邦夫。声をかけると結晶がキレイに育つ、そんな話を実践してるらしい。

「大きく育ってね」

「ありがとう邦夫くん」

結晶が答える。

「しゃべった……」

「優しい声をかけてくれたおかげだよ」

邦夫は笑みを浮かべる。

「ところで『地獄への道は善意で舗装されている』って知ってるかな」

突然の質問に困惑しながら、邦夫

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センパイ!だいすき!

センパイ!だいすき!

「センパイ!受け取ってください!」

ユミコは思いを伝えるべく、両手で封筒を差し出す。センパイが受取ろうと手をの……

KABOOOM!!!

突然封筒が爆発!ユミコの両手が吹き飛び、気絶!
センパイは腰を抜かし、尻もち!

「センパイ!大丈夫ですか!」

ヤヨイは先輩に近づき、不安そうに見る。

「ユミコが先輩を暗殺しようと、封筒に爆弾を仕掛けたことを知って、慌ててきたんですけど、誤爆したみたい

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