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大切なひとへ

こんにちは、函館移住者の花です。

函館に越してきてから2ヶ月と半分。
一緒に住んでいるお姉さんと暮らすのもひと月を切りました。
明るくて、さっぱりはっきりしているけれど、温かくて優しくて、肝が据わっていて格好の良い憧れの女性。

一緒に日々を過ごす中で、日々の出来事を報告したくなったり、お互いのお休みが重なる日が嬉しかったり、一緒にドライブをして、景色を見ながら車でお弁当を食べたり、2人でサウナに挑戦したり、2人似てるね、と言われるのが嬉しかったり。

今では私の元気の源で、私の実のお姉さんのような存在です。

一緒に過ごせる残りの期間を大切に、彼女が幸せいっぱいで過ごすお手伝いができたら、少しは日々のお礼ができるのかもしれません。

一昨日の夜のこと。
お姉さんに、明日お友達のお店行くんだけどはなちゃんも一緒にいかが?とお誘いをいただきました。

次の日の朝。
お母さんが作ってくれるココアが好きだったなぁ、お姉さんもきっと好きだろうなぁ、と思い浮かんで、小鍋にココアと牛乳をちょっとずつ入れて、あったかココアを作りました。

シナモンを少し入れたらお出かけ気分が出そうだな。

起きてきたお姉さんと一緒にココアを飲んで、お出かけの準備をしました。
髪が邪魔だから、とベレー帽をかぶるのを真似っこして、私も帽子をかぶって出発です。

強い風に煽られた粉雪が、ミストのように顔に吹き付けます。

「今ってさ、歩くとキュムキュム音がするけど、マイナス20度くらいのところで雪踏んだら、もっと高い音がするんだって。」

「それくらい寒かったら、わたしバナナで釘打ちたいな。」

「私だったら、ブーメランパンツでブーメラン飛ばしたいです。」


お店に着きました。
古着屋さんのamber vintageです。
ひと月ごとに、函館の中のさまざまな場所に移動して古着を販売しています。
今月はRE:MACHI&COでの出店です。

RE:MACHI&CO(マチコ)はまちの工場です。
設計士の富樫さんが、古材や古民具を再利用する拠点にしようと、古民家をマチコと名付けました。
富樫さんは、お店をもてない人たちに無料で1週間、マチコを貸し出しています。


amber vintageの店主はすみれさん。
すらっと背の高く、凛とした太陽みたいな女性です。
今日は大ぶりなフリルの襟のついたシャツを格好良く着こなして、耳元には金色のお月様を揺らしていました。


私たちが到着したとき、すみれさんは暖炉に火をつけようとしていました。

まずは燃えかすの灰をかき出して、大きい薪を2本ほど加えます。
そして細かい木屑をスコップで3杯ほどと木の破片を入れてから、マッチで火をつけます。
小さな木の破片が燃えても、大きい薪が燃えてくれるとは限らないようで、すみれさんは暖炉のそばにしゃがんで真剣な表情で火を見つめていました。

チリチリ、小さい木の端が音を立てます。
暖炉の奥が蜜柑色に揺れています。

すみれさんはやかんに水を注ぎます。
静かに暖炉の上においてから、ほいっ、と小さく呟きながら有機ルイボスティーのパックを放り入れました。


お姉さんはゆっくり古着をみてまわって、途中で立ち止まって、澄んだ青空みたいなブルージーンズと朝の淡い空色のを見比べて、悩ましい表情を浮かべていました。

「白樺だっけ?よく燃えるらしいよ。」

暖炉からパチッと大きく弾ける音がしました。
やっと大きな薪に火が回ったのでしょう。
暖炉のメーターが少しずつ右にふれていきます。


あたりを見回すとソファに鮮やかな色で編まれたブランケットが置いてありました。
広げるとゆったり大きくて少し重たくて、しっくりわたしに収まりました。

お姉さんいなくなったら1人になっちゃうけれど、この子をおともに連れていこうかな。

試着室からお姉さんが出てきました。
リネンの上品なロングスカートが歩くたびにふわりと揺れます。 

「地元だとこっちよりも暑いからね。」
「これからの季節が楽しみになりますね。」

とても魅力的です。
綺麗だなぁ、見惚れてしまいました。

それぞれスカートとブランケットを頂きました。

「ワカサギ釣り行こうよ。」
「2月なら予定空いてるから、朝早くに行こうよ。」
「花ちゃん、エサの虫担当お願いね。」
「どんとこいですよ。」
 
外に出ると冷たい風が粉雪を散らしていました。

凍える前に家に着こう。

2人で駆け足で帰りました。


⭐︎お店情報⭐︎
amber vintage
営業時間:13:00-18:00
カフェなどでポップアップ営業
Instagram: @amber_vintage
(https://instagram.com/amber_vintage?igshid=15w6vyvsoxtjr)
※出店場所・スケジュール等の詳細はInstagramにてご確認ください。


ライター情報はこちら!
https://note.com/another_hkdt/n/nab69fbc73ee5

SMALL TOWN HOSTEL Hakodate
私たちが情報を発信する函館旧市街(西部地区)の中心地で、ローカルの案内役を務める宿泊施設”スモールタウンホステル”のご予約はこちらから
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