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【リーダーのお悩み】メンバーに時間を取ってもらうのが申し訳ないんです。

会社の施策として1on1ミーティングがスタートした際に、トレーニングの一環としてチームマネジメント塾を採用いただくケースが増えてきました。当社のプログラムでは、複数回集まっていただくトレーニングの間の期間で、チームのメンバーと一対一の対話の場を持つことを課題として取り組んでもらいます。実践しないと何も変わらないからです。

その際に、受講者の方々からよく出てくるのが、「メンバーに時間を取ってもらうのが申し訳ないんです」というコメントです。

そもそもマネジメントの一環

いままでの日常に新しい行動を加えるので、メンバーによっては「なんだよ、この忙しいときに」と思うかもしれませんし、「リーダーの研修につきあわされるのは迷惑なんだよな」とつぶやくこともあるでしょう。

でも、会話の内容が仕事と関係ないことならばともかく、そのメンバーの仕事そのものについて話してもらう時間です。仕事についてふりかえり(Check)、そこからの学びを引き出したり改善点を見つけたりして(Action)、次の行動をバージョンアップする(Plan)するのですから、 チームメンバー自身の仕事のマネジメントサイクル(PDCA)を回す軸そのものです。

だから、チームのメンバーと一対一の時間を持つことは、そもそもマネジメントの一環ですし、むしろマネジメントの核と言ってもいいでしょう。厳し言い方をすれば、対話を通じてチームメンバーの仕事の質をあげる行動をしていないのなら、「そもそもマネジメントしていない」ということを意味しています。

「申し訳ない」なんて言っている場合ではないのです。

週1回30分の投資を何倍ものリターンに変える

あなた自身もそうだと思いますが、仕事に携わっている人たちは、もれなく自分の仕事を少しでも前に進めたいと思っています。今日一日の仕事が前に進んでいればモチベーションがあがりますし、停滞したり後戻りすることになるとモチベーションが下がります。(マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力 https://amzn.asia/d/0crc8LK)

チームのメンバーにとって、リーダーとの対話に投資した30分で、もやもやしていたことが整理されて前に進められたり、新しいアイデアが生まれて問題が解決したりするのであれば、メンバーにとって何倍ものリターンを手にすることができます。

対話の時間が自分の仕事を前に進めることにつながるのなら、進んでその時間を持ちたくなるはずです。逆に、その30分に何も意味を感じないのであれば、その時間に自分の仕事を進めたかったのになあ、と思います。長時間労働が許されない昨今の職場環境であればなおさらです。

つまり、この時間はメンバーのための時間であって、リーダー側の都合でメンバーの仕事の時間を奪うものではまったくない、ということです。ただし、「リーダーと話してよかった」と思える時間になるように、リーダーとして精進しなければいけません。

やってみればわかる

1on1の対話を始めるときは、お互いに負担感があるのはやむをえないでしょう。しかし、質の高い対話になるように意識しながら進めていけば、数週間のうちに、お互いに「やっていてよかったな」と思える瞬間が来ます。

リーダーとして、マネジメントの質、言い換えると、メンバーの成長とチームとしてのアウトプットの質を高めるために、覚悟を決めて、「あなたの仕事がうまくいくようにサポートしたい。今後定期的に対話の時間を取りたいんだけど、いいかな?」とチームメンバーに伝えてください。

この先に必ずリターンがある、と信じて進みましょう。