院進希望者が、大学学部のうちにしておいたほうがいい5つのこと #2
ゴールから明確にしていくと、学生生活の後悔を減らせる
よく言われることだが、ゴールを目指してそこになにが足りないかを埋めていくといいといったことがある。
今回の記事は、そのメソッドに基づき、学部生がその隙間を埋められるものを考えてみよう。
大学院進学に必要なもの5つ
では、大学院合格に必要なものはなんだろう。
筆記試験・面接試験に合格すること
研究したいことが決まっていること
研究計画書を書き、提出すること
語学力の基準を満たすこと(英語ならTOEICやTOEFLなど、スペイン語ならDELEなど、外国人学生の場合はJLPTなど)
大学院進学をきっかけに、ひとり暮らしあるいは海外留学をするなら、料理や洗濯や掃除などを自分でできるようになっておくこと
以上のものがあることにより、大学院進学が可能になるだろう。
1.B4の4月までに、研究計画書に書けそうなことを考えておく
研究計画書は、院試の段階で出すことになる。
簡単に言えば、「こんなことを私はM1でやって、M2ではこんなことをやって修論を書きたいです」という、夢を語る紙だ。しかし、それは単なる夢物語ではなく、M2の段階で実現可能なものにしなければいけない。
それは簡単すぎることでも、難しすぎてもいけない。
しかし、それはあくまで研究「計画」書なので、いくらでも変わって構わない。
B4の段階ですべきこととしては、「私は書ける内容なんてなんも考えていません」と研究計画書を目の前にして考え込んでしまうことでもなく、あるいは「私はあれもこれもやりたいです」といったことでもいけないということだ。
2.可能なら、ゼミに参加する(B3)
どの大学にもゼミがあるわけではないが、ゼミがある大学にいるならば、ゼミに参加してみよう。
そうすることで、指導教員から直接いろいろなことを教われるだけではなく、大学院ってこんなものなのかということがちょっとくらいはわかるからだ。
ゼミに参加することで得られるのは、貴重な友人たちだと、とある先生は言っていた。いまでも信仰のある同年代の友人は、たいがいゼミで作ったという。
3.学会に参加する(B1-B3)
ここでの「学会」とは、宗教ではなく、アカデミア関係者が集まる集まりのことだ。
私が最初に学会に行ったのは、高校生のときだが、それは異例なケースだと思う。B1の段階で行ければ、遅くはない。
はじめて行く学会は、知り合いがいるものがいい。一番理想的なのは、普段通っている大学が会場となっている学会だ。そうすれば、大会の会長はたいがいあなたの大学の教員となり、なにかと融通が効きやすい。あるいは、ゼミの仲間や研究室訪問などで仲良くなった教員がいれば、心強い味方になる。
学部生が発表するのは難しいだろう。なぜなら、B3以下の学部生は論文を書いたことがないし、B4は卒論と院進の準備で忙しいだろうからだ。しかし、参加して、どんな雰囲気なのかを見ることは、とても有意義なことになる。
4.可能な限り多くの研究室を訪問する(B1-B2)
私はB1の4月から、シラバスを見て、興味のありそうなことを研究している先生には片っ端からアポを取り、研究室を訪問した。
学外の研究室に行くのは厳しいので、オンラインで話を聞いてもらったこともあった。
その際は必ず学内メールから連絡すること。名前と所属を名乗ること。大抵の場合、先生たちは親身に答えてくれる。
可能な限り多くの研究室を訪れよう。可能な限りたくさんの先生から話を聞こう。
5.可能な限り多くの本に触れる(いますぐに)
私は、研究室訪問で先生からお勧めされた本は私は全部自費で買った。バイト代をやりくりして、自由に使えるお金のほとんどを本代に回した。本代をケチらないところが良いと、とある先生からほめられたことがある。無駄遣いはよくないが、先生から勧められた本には、ほとんどの確率で無駄はない。
しかし、主に金銭的事情で本が自由に買えないというひともいるだろう。その場合には、大学図書館が強い味方となる。
先生に頼めば、研究室にある本を貸してもらえることも多い。
研究したいテーマに限らず、とにかくたくさんの本に触れよう。漫画やイラスト集だっていい。ライトノベルやライト文芸だっていい。下ネタばかりのくだらない本でもいい。本にNGはないのだ。
とにかく、自分が見なかった、知らなかった、あるとも思っていなかった世界に触れることが大切だ。
直前の記事(#1)で書いたが、ひとは自分の見ている半径5メートルを世界だと思い込む習性がある。その半径5メートルになるべく多くのものを詰め込むために、たくさんの世界の扉となる本を、たくさん読もう。