Angel Echoes

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永永無窮のそのあと

時間というものがある限り、なにかが作り出されている。自然、木や風。人工物の中の自然、建物。そして人。それぞれに時間が与えられ、わたしは日々それらを目や皮膚、神経で無意識に感じながらも通り過ぎていく。いや、通り過ぎているのは自然の方だ。私はずっと止まっている。それとも、私の中の時間という乗り物の助手席に座っている。 それでも、無意識ながらにも、 ずっと確認しながら生きているのに、 時々初めて見るものが初めてな気がしない。 あれ、なにこれ見た事ある。デジャブ? 逆再生しているよ

    • クモり空

      渚で待合せた。僕たちは砂浜に座って、周りにある海藻を広げながら他愛もない話をした。会話が途切れ、しばらくの沈黙が続いたあと、右側にいた彼女は小さく発した。この海藻って食べれるんかな。 僕たちは海の水で海藻にまとわりつく砂を洗った。寄せては返す波を、何度も引いては追いかけた。波に何往復も遊ばれた。キリがなかった。 彼女は脱ぎやすそうな靴を脱いだ。靴の中に忍び込んだ砂が雨のように少し降った。靴を後ろにほおり投げてから彼女は走って砂浜に向かった。少し冷たかったみたいで飛び跳ねた。

      • 夜は守り守られ論争

        家が、雨から守る傘になる。 その空間がとても好き。 洗ってくれてるよ。 夜になると、 お昼のあらゆるものが落ち着いてしまって、 でもわたしの心だけが、ずっと騒ぐ。 守りたい。明日を生きるための、落ちないための軽い軽いまだまだ吸収できるスポンジをね。 守られたい。昨日のお昼のあらゆるものに。

        • 誰にも見せたくない写真ばかりが増えていく。独り占め。

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        永永無窮のそのあと

          彼はもう名残惜しくない。

          久しぶりにあの人に再会した。 あの頃の私たちを思い返すとなんだか愛しく思う。 彼は無口だ。いつも何を考えているか分からない。女の子からモテていた。色白で身体も細くて、いつもいい匂いがした。よく2人で笑った。今思えば、結構仲が良かったのかもしれないな。と思った。私と彼は習字教室に通っていて、よく向かい合わせに座った。でも、炭の匂いに包まれた教室の空間はいつもとっても静かだから喋る機会も少なかった。家も近かった。 私が彼のことを意識しだした頃、友だちと黒板の前に座って恋バナを

          彼はもう名残惜しくない。

          泣きたくないわけでもない

          涙が出るとき、予感は全くしません。 涙を誘う天使は突然私の傍にやってきて、 私の心に入り込み、ポンプを押すのです。 でも私は拒まない。ただ受け入れる。 受け入れるけど、 たまに、しゃっくりが出るくらいに出る。 もっともっと呼吸させようとしてくる。 アレルギーみたいに、世界と私がたまに合わない。困らせる。 でも、泣きたくないわけでもない。なんならば、泣きたい。もっともっと泣いてしまいたい。泣けることは幸せなこと。生きていることを強く感じさせる。私と世界を繋ぐ糸から水が生まれ、

          泣きたくないわけでもない

          物黒

          目に映るもの。映らなかったもの。そのすべては生ぬるい涙でぼやけていく。時間さえも映像に写せてしまう疑い浅い記憶媒体。見返せば見返すほど思えば思うほど、こびりついていく。いつかは、剥がれないほどに定着していくもの。それはいつか疑い深い記憶になるが奥底にちゃんとそこに、モノクロの層の部分にあるのです。 まだ色のあるフォルダに残った風の音は、スマホのスピーカーが溺れそうなくらいに落ち着きがないのだ。耳は、きっと鬱陶しいと感じている。あるがままでいる。遠く遠くから聴こえる消えそうな笑

          未来が透明であるはずなのにぎっしりしてる感覚があって、湧く湧くしちゃう

          未来が透明であるはずなのにぎっしりしてる感覚があって、湧く湧くしちゃう

          確たるものは私の神経を困らせる。 私の肌を触っては消えてゆく風や音は 落ち着きを探しながらきっとどこかで存在し続け、 隙のない夜になってようやく、しいんと落ち着く。

          確たるものは私の神経を困らせる。 私の肌を触っては消えてゆく風や音は 落ち着きを探しながらきっとどこかで存在し続け、 隙のない夜になってようやく、しいんと落ち着く。

          薄くて黒く細い線引き

          携帯が変わる。携帯の中身も変わる。 変わらないのは、ログインをするときに必要であるパスワードを頭の中で覚えているアプリだけでほかは全て変わってしまった。そして、何もかも新しくなる。メモ帳アプリも文字数をカウントしてくれる便利なアプリ(小説たくさん書いていた)も、すっからかん。文字も何も無い、薄くて黒く細い線しかないほぼ真っ白な画面は私に向かって、もともと私何も持ってないよって顔をしてくる。そうだよねって言わずもがな分かるけれど少し悲しい気持ちが通り過ぎる。そして写真フォルダに

          薄くて黒く細い線引き

          脳みそ脱線

          なんとなく、編み物をした。爪のネイルが可愛くって、毛糸の色が素敵で、目の焦点はその2つなのに、視界の隅、ぼやけてわたしの頭に入ってくる部屋の壁のよく見慣れているはずのポスターの色がまた、毛糸と似ていて、なんだか心地よくなった。Twitterのスペースを聴いていた。エアコンをダイコンと言い間違えていて、そこが1番可笑しかったな。可笑しい、面白いって、見えないところ、例えばその人の脳みその通り道がわたしとは違うと目に見えたときに、また、人間らしさを感じた時に可笑しい、面白いと思う

          脳みそ脱線

          「十三月の怪談」川上未映子さん

          久しぶりに、出会った。感情の角は優しく丸くて、色も混じってて、形も所々うにょうにょしてて、そんな感じ。気持ちいい。何度でも確かめたい。 私いつも思うことあるねんけど、幸せすぎたら死んでまうと思うねんなわたし。もういつも思うねん、幸せすぎるとき、心臓の友達みたいなフワフワしてるのが膨らんで、かと思ったら小さくなって、また膨らんでって花火みたいにキラキラ音たてながら消えていきそうというか、透けていく?そんなん。体の中空っぽになる感じ。やからトイレも行きたくなるねん。もう空っぽに

          「十三月の怪談」川上未映子さん

          心が先に藻掻いてみた2023、そして、

          いつも、言葉を口に出して伝えることが不安だった。 だからいつも頭の中で解決した。 それから身体に移した。 ある日、どうしようもなく不安になった。 大丈夫だと思って、最後のSOSを出した。 というよりも、涙が先に零れた。全然大丈夫じゃなかった。心がSOSを出した。 日々の自分への鬱憤、それから不安。 溜まりに溜まって涙として現れた。 だがそれは、夢から醒めた世界の冷たさに驚いて現れた水滴にすぎなかった。結露が発生したようだった。 大切だった他人は、離れていった。 という

          心が先に藻掻いてみた2023、そして、

          なにがしたい

          みんな、なんでなんやろな。なんでそういう行動とるの? なんで私それでちょっとモヤモヤしちゃうのん。全然分からへんのんよ。相手が悪くないと思ってても私には悪いこと。それ。それは、それぞれが吸収した感性の違い。感性。イコールはらわた。いつも私はマトリョーシカ。私の中にはらわた。一人で楽しく悲しく脆く生きてる。頼りたい。からいつも、他人に期待する。期待して、外れて、モヤモヤ、下に向かってモヤモヤ。足元が煙たい。不安。その繰り返し。わたし。なにがしたいの。

          なにがしたい

          現実から夢。から現実。そして夢

          何者でもないかたちをして、人間の世界をみつめている マネキンのお尻より非道徳的。 涙は 生まれたときから蒸発して空気に還る。 死んで硬くなっているのに、 遠くの空がこっちにぶつかってきている。 人間が本当に哀しいとき、ぼくは最後の幸せを手に入れられる。 もっと哀しくなれ。なれ。 ぼくは端で光をともしてみつめていたい。 人間の記憶ポケットに入れられるなんて もっぱらごめんだ。 触れられない距離で、酔いが回ってしまった なんでもかんでも携帯に記録する人間に ぼくは最後に夢の

          現実から夢。から現実。そして夢

          この世界は果てしなく短い。

          この世界は果てしなく短い。