現実から夢。から現実。そして夢

何者でもないかたちをして、人間の世界をみつめている
マネキンのお尻より非道徳的。

涙は 生まれたときから蒸発して空気に還る。
死んで硬くなっているのに、
遠くの空がこっちにぶつかってきている。
人間が本当に哀しいとき、ぼくは最後の幸せを手に入れられる。
もっと哀しくなれ。なれ。
ぼくは端で光をともしてみつめていたい。

人間の記憶ポケットに入れられるなんて
もっぱらごめんだ。

触れられない距離で、酔いが回ってしまった
なんでもかんでも携帯に記録する人間に
ぼくは最後に夢の中で会って忘れられたい。

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