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元サッカー部員のS&Cコーチが現役のときにやっていたトレーニングを再考

こんばんは!

関東を中心にS&Cコーチ兼パーソナルトレーナーとして活動する姉﨑 伸と申します。

前回の記事で元サッカー部員のS&Cコーチとして、今のサッカーのトレーニング事情について思うことを書きました。

すべてのサッカー選手がトレーニングに取り組んでいないなんてことは思いません。

現にサッカーのために懸命にトレーニングに励んでいる選手を知っていますし、チームでトレーニングに取り組んでいるところがあるのも知っています(あくまで自分が知っている範囲での話です)。

ぼくも現役当時はトレーニングに取り組んでいるサッカー部員でした。

スポーツ強豪校というのもあり、それなりにトレーニング施設が充実していましたし、チームの監督がトレーニングにも取り組ませる人だったのが大きかったと思います。

今思えばですが、当時トレーニングをやっていてよかったと思えるのは、「トレーニングする習慣がついたこと」くらいです。
取り組んでいた内容を振り返ると、控えめに言ってクソみたいなものだったなと思います。

言葉が悪くなってしまいますが、ストレングス&コンディショニングという分野を必死に勉強し、適切なトレーニングプログラムを考える職種の人間としては、お世辞にも「良いトレーニング内容だった!」なんて口が裂けても言えません。



1.なぜ当時のトレーニングが良くなかったか?

当時は監督に「これはやっとけ!」と言われたものをチーム全員が行なっていました。

なぜかはわかりませんが、

・バックスクワット

・ベンチプレス

・ハングクリーン(もどき)

この3つはマストでやっていました。
時間があれば何種目かプラスして行なっていたのを覚えていますが、基本はこの3種目でしたね。

トレーニングの専門家がついていたわけではないので、先輩のフォームを見よう見まねで行ない、負荷設定やセット数もあいまいだったように思います。

これらを考えると、根拠のない
・エクササイズ選択

・エクササイズ順序

・負荷設定

・トレーニング頻度

・フォーム

・セット数

・レップ数

でやっていたわけです。

自分で調べろよ!と言われたらそれまでですが、当時はそんなこともせずに言われたことやるだけだったので、ちょっと胸板が厚くなった以外は、当然トレーニングの恩恵を得たという実感はありませんでした。


2.考えるクセがついてないと効果は出にくい

言われたことをただやっていただけだったので、完全に受動的なトレーニングとなっていたのは間違いありません。
今だからこそですが、もっと考えるクセがついていたら少しはマシな効果が出ていたのではないかなぁと思います。

しかし学生年代だと、自分で考えて・調べて・効果的なものを選択して・実施して…を繰り返す能力を持っている人はあまりいないでしょう。
だからこそちゃんとした専門家が教えてあげられるのが1番良いのですが、いろいろな条件が合わず、実現しないのが現実です。

こういった現実があるので、ぼくが実際に学生にトレーニングを指導する機会がある時は、「まず自分の頭で考える」というのをクセづけるように指導します。

成長はまず自分の現在地を知るところから始まると思っているので、
・今の自分の課題は何なのか?

・それを改善するにはどんなことをするべきなのか

などを考えてもらいながら、カラダだけでなく頭も鍛えてもらうようにしています。

ただ単純にカラダを鍛えて競技のパフォーマンス向上を目指すだけなら何にも考えずに取り組むのもアリかもしれませんが、トレーニング効果が出るかどうかは指導者とアスリートの共同作業でもあります。
エラーが出たときに「ここをこうする努力をしよう!」と言っても、アスリートがその努力をしてくれなかったら目的とする効果は得られません。

また指導者は教育者ではないとは思っていますが、せっかく学生に何かを教えられる立場にいるのなら、トレーニングを通して、社会に出たときに役立つ能力を身に付けてほしいと思っています。

それが論理的思考力だと思います。


まとめ

ほとんどのS&Cコーチが、
「今自分が提供するトレーニングを、現役の自分が出来ていたらもっと優秀なアスリートになれていたかも…」
とありもしない妄想をしたことがあるはずです。

ぼくが現役の時と比べたら、アスリートが簡単に情報を手に入れられる時代になりました。

ですが、本当に正しい・価値ある情報がトンデモ理論の海に紛れ込んでしまっているのも目にします。

そんな時に物事を客観的に見て、論理的に考えられる能力があればトンデモ理論に惑わされることはありません。
それにこの能力は社会に出ても確実に役立ちます。

これからトレーニングを始めようとしているアスリート(特に学生アスリート)は、カラダだけじゃなくて頭も一緒に鍛えていきましょう!!

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