三様の稽古 お互いの良いハードル(障害)になる話。(全文無料)

 今日も今日とて柔術は楽しい。得意なガードをやるのも楽しいですが、新しく取り組んでいるガードが上手くいくのがやっぱりうれしいです。成長してる感じがします。強くなっているかは分からないですがうまくなっている気がします。

 今日の話は三様の稽古の話。有名な話ですが自分の言葉で書いてみます。


三様の稽古の概要

 三様の稽古とは練習相手は3パターンあると良い、というものです。

①自分より格上
②自分と同格
③自分より格下

これらの相手と稽古をすると上達しやすいといわれています。

相手のハードル(障害)となることは義務 

 以前書いた記事で相手のハードル(障害)になることはスポーツにおける義務だと書きました。

③相手のハードル(障害)となることは義務 
 スポーツは、「ハードル(障害)を越えることを楽しむもの」です。相手のハードルになること、それはスポーツにおける義務とも言えるでしょう。これをしなければスポーツは成り立ちません。
 相手は倒すべき敵ではなく、スポーツを楽しむ材料となるハードルを提供してくれるパートナーです。

優しい人の格闘技の向き合い方 ハードル(障害)の話|柔術哲学(アンディ) (note.com)

 「相手の適切なハードルになる」という視点から三様の稽古を考察します。

①格上との稽古

格上でも2種類あります。テクニックが格上と体格が格上の場合です。

テクニックが格上の相手の場合

 正しいリアクションを意識するといい稽古になります。相手にとっても自分にとっても。正しいリアクションを繰り出すことが相手にとっての良いハードルになります。こちらがいいリアクションをすれば相手はそれの対処を見せてくれます。力任せにいってもただ潰されて相手の練習にも自分の練習にもなりません。相手のリアクションを冷静に見れるテンションでアタックするのがいいと思います。
 上の帯の人が「こいつとやるといい稽古になるんだよな」と思ってもらえるようなスパーを目指しましょう。

体格が格上の相手の場合

 ディフェンスを意識しましょう。こちらがアタックしても簡単につぶされますが、しっかりとディフェンスをすればそうそう簡単にはやられません。ディフェンスをしっかりすることが相手にとってのいいハードルになります。
 相手が壊れないからとガンガンアタックするのもいい練習になりますが、ケガのリスクが上がります。相手が優しく受けてくれればいいですが、相手もテンションを上げてきたら危ないです。ディフェンス重視でやるのが推奨です。

②同格との稽古

 ここではあまり考えずガチスパしましょう。同格相手なら特に考えなくてもお互いのいいハードルに慣れます。ケガには気を付けて

③格下との稽古

 格下といういい方はやや引っ掛かりますが。。。
 格下も2種類あります。テクニックが格下と体格が格下の場合です。個人的に、初心者を脱した中級者が伸びるポイントは「格下相手とのスパーをどれだけ考えてやれるか」だと思います。ここで格下を何も考えずボコボコにして気持ちよくなっていると成長できません。

テクニックが格下の場合

 言い方は悪いですが、完成度の低い技を試させてもらいましょうお互いのいいハードルになると思います。新しく取り組んでいる技、普段と左右逆の技、苦手な技など。これは失礼ではなくお互いの稽古のためです。

体格が格下の場合

 女子やキッズ、2階級以上下の人相手の場合。体重、パワーをなるべく使わず、想像力を働かせることが大事です。「同じカテゴリーの相手にこれは決まるのか?」という意識を持つと良いです。体が柔らかい女子やキッズをパワーでなくタイトさ、正確さで極められるようになると上達すると思います。

まとめ

 実力差のある相手とのスパーリングの時、「今、自分は相手のいいハードルになっているか?」という意識をもってやると格上でも格下でも身になる稽古ができると思います

 格闘技は一人ではできません。どんな相手でもお互い強くなれるような稽古をしていきましょう。

2023/11/17 アンディ

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