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身勝手だけど、今だけは [後編]

起業家という道を経て、今は二作目の出版を目指して執筆活動に明け暮れる橋本なずなです。

これまでは “たまたま” 刺されなかっただけで、今回は・・・。

< ごめん、とりあえず電話しない? >

私は身の危険を感じて、一先ず電話で話をすることにした。

前編はこちらから

タタタ、タタタ、タタタタン・・・
LINEの着信音に心臓がドキリとする。

「 …もしもし?」

『 もしもし・・・先日はすみませんでした!』

電話に出るやいなや、トモくんは謝罪をした。
どうも、先日書いたnote【 人生ログインマーク 】を読んでくれたようで、自分の行動が引き金になったのではないかと思い連絡をくれたようだ。

相変わらずの過剰な自意識。
まぁ、引き金とは言わずとも、ストレスの一つになったのは確かだろう。

けれど、きっと同じだけ、私もトモくんを傷付けてしまったはずだ。

私も開いた三日間で色々と考えた。
親友が居ないことの心細さ、母の身辺整理やこれからのことを、一人で考えなければならない大変さ。
トモくんの存在に救われていたことを、再び感じていた。

「 私も、ごめんね 」
「 晩御飯は?食べた?まだなら一緒に食べようよ 」

私は “刺されない” と知ると一安心して、その日の夜、食事に誘った。
会って謝ろう。腹を割って話そう。そしてトモくんの話をきちんと訊こうと思って。

———  『 いや、大人げなかったと反省しております… 』

本町のイタリアンで、マルゲリータを片手に話をする。

「 そうやで、大人げないよ、ほんまにもう 」
「 あー!しかも、ヤナちゃん(母のパートナー)とカナちゃん(母と共通の友人)との4人のLINEグループも抜けたやろ! 」
「 それはちょっと稚拙やてぇ 」

ハイ、スミマセン… と、背を丸めて私のお説教を頷きながら訊いている。相変わらずの謙虚さだ。
自意識過剰かと思えば、謙虚な一面もあって。チグハグなんだよなぁ。

「 でも、傷付けたことはほんまにごめんね。都合が良いって思われても仕方が無いと思う 」
「 せやけど… 」

少し前と変わらずに淡々と日々を過ごせていたら、私はガストで会った日を最後に、トモくんを突き放していたかもしれない。
けれど、数日前に起きた “発作” が私にはある。
今、私を覆う闇の陰は、自分で認識できているよりも遥かに大きいように感じる。

先日のnoteを読んだ別の友人が、こんなメッセージをくれた。

最近の自殺のニュースとかを見ていて、精神疾患を患うと、本当にいつ病に殺られるか分からないなと思う。
形としては自殺かもしれないけれど、それって立派な病死よね。
だから、今のなずなちゃんの状態を考えると、本当にいつ病が襲い掛かってもおかしくないと思う。

この言葉を読んだ時、心にグサッと刺さって、また涙が出た。
決して嫌な感じでは無かったんだよ。この前後には寄り添う言葉があって、終始あたたかいメッセージだったから。

ただ、「 そうだよな 」って思って。
誰も、死にたくて死のうとしているんじゃない。

私だって前みたいに笑いたい。日常を過ごしたい。
お母さんと話がしたい、今日はこんなことがあったんだよって。

でも、もうそれは戻らなくて、それどころか、鬱という闇が今にも私を喰らおうとすぐそこに迫っている。
今の私は、毎日が闇との闘いなんだ。

殺されそうなんだ、この闇に。

だから、確かに私は都合が良いのかもしれない。
その気の無い相手の言葉を鵜呑みにして、甘え過ぎていたのかもしれない。

ワガママだと、身勝手だと言われても仕方が無いよ。
だけど、今だけは…

「 今の私は、ぜっっったい弱いから。大丈夫なんか言ったとしても、この子(自分)はきっと大丈夫じゃない 」
「 トモくんが納得のできる範囲で良い。何も返すことはできひんから、そこに折り合いが付けられる限りで良い 」

私は恥を忍んで、トモくんの瞳を真っ直ぐに見つめて言った。

情けない話だけれど、私は私を守り切れる自信がない。
けれど、トモくんやパートナー、ヤナちゃん、カナちゃん、友人のみんなが居てくれたら。
まだ少し、明日も心を強く持てる気がする。


「 今の私には、親友も、彼氏も、一人でも多くの人が必要です 」


『 分かりました!支えます!適材適所で! 』
「 はい、お願いします!洗濯や掃除はもう自分でできそうです! 」
『 なんやねん、やればできるんやん(笑) 』
「 そりゃあだって彼のこと思ったら、自分でできなきゃなって思ったし… 」

私たちは仲直りの乾杯を、ノンアルコールでグラスを鳴らした。

● 併せて読みたい ●
涙色のレモンサワー [前編]

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