病室に持ってきてまで積んでる本

積読が200冊ある
只今入院中。時間を持て余し時間に溢れているこの日々では、いくら読書が嫌いな私でも本を読むのではないかと考え、何冊か持ってきた。実際のところ1ヶ月と1週間入院した現在、リザルトとしては2冊と半分と半分読んだ形になる。半分読んだのを2冊で1冊とするにはそれぞれの本の難易度が異なるので、こういう表記になった。
さて、せっかくの機会なので何を持ってきて何を読んでいないのか、ご紹介いたしましょう。前々から、積読ビブリオバトルをしてみたいと思っていたのだ。腐るほどあり、本当に腐ってそうなくらいあり、可哀想にも私に所有されたせいで1ページも読まれない本たちに光を。それに、話のネタにすることでその本が面白そうだと再確認し、読み始めるかもしれない。どこで出会って、何が面白そうで手に入れて、ついでに何故読んでいないのか理由があるものは明記しておこう。
別に断る必要もないと思うが、フィジカル本は物理的に病室に持ってきたもの、デジタル本は入院のために買ったものだけをカウントしている。タブレットごと持ってきているので電子書籍はたくさん持ってきていることになり、積読が200冊ある(天丼)ためデジタルの、主に漫画を全部含んでいたら紹介しきれない。
入院中に読みそうと判断したということは、積読の中でも選りすぐりということになる。そんな選ばれし積読を、どうぞご覧あれ。


三輪和雄『騎手福永洋一の生還 脳障害との闘い』


痛ましい事故がつい先日もあった。康太騎手が愛されていたことを裏付けるエピソードが次々出てきては、泣かせられる。競馬好きとして、命懸けの職業である騎手というものをもっとわかっておきたいと思っているし、競馬という興行を楽しませてもらっている身で、騎手をなじったりするなど言語道断だという当たり前すぎる初心も忘れないでいたい。騎乗を批判するなと言いたいんじゃない。言い方を考えるべきで、人格否定など以ての外だという話だ。
さて、この本は偶然古着屋の100円本棚に置いてあった。その古着屋は無人で、買う人に価値を決めさせるというコピーを掲げていて、割と品揃えが雑多なのである。だとしても、浮いていた。
しかし、天才騎手福永洋一の名前は身に覚えがありすぎる。息子祐一氏が大成し華々しく引退し調教師にまで転身し、というタイミングから見始めた世代であるため、その輝かしい活躍は記録でしか見たことがなかった。そして辛い事故も、その事実しか知らない。
いわゆる叙情的なゴシップ系ルポのような気もしたが、競馬が好きなら読んでおくべきだと思って、服と一緒に購入した。読んでいないのは……痛みを思い描いてしまいそうからだ。正直、間も悪い。読もう読もうとして後回しにしていた結果、今春の落馬ラッシュに突入してしまい、またその前に読んでいたとして、ニュースを見るたび状況がありありと想像できるようになってしまっていただろう。気持ちが落ち着いたらまた手に取りたい。
長くなった。

清水義範『永遠のジャック&ベティ』


著者の代表作と思しき『国語入試問題必勝法』を古本屋で手に取ったのは、若かりし名倉が教員免許を取ろうと躍起になっていた頃の話だ。少し見てコメディ小説か……と落胆したのもつかの間、そのユーモアに引き込まれてその場で購入、実に楽しく読んだ。
これも確か上記の古着屋で見つけたはずだ。違うかも。適当な古書店だっただろうか……? ブックオフではなかったと思う。小奇麗な店内と記憶が結びつかない。どちらにせよ作者買いである。
途中まで読んだのだが、今作は一生「スケベな老人を笑う」ネタをやっている。バカ殿的なやつだろうか。好きな人はたまらなく好きだろうし、面白みはよくわかるのだが、多種多様なスケベ老人に引いたし、多種多様とはいえスケベ老人に飽きて閉じた。
逆に言うとそういうのが好きな人、おすすめです。

森茉莉『贅沢貧乏』


これはどこかの古書店だった。割と近年買った気がする。
森茉莉には苦い思い出がある。大学時代、課題と課題と課題が被ってしまい、どれも大きくて大事なやつで、でもアルバイトまで入っていて、徹夜してこなそうとするも終わらず、泣きそうになりながら学校に行った。
その課題の中でひときわ大きかったのが、演習での森茉莉の文芸評論。直前まで粘ったが、悲しいことに参考文献を4割も読めなかった状態で作り上げる発表資料はあまりに中身がなく、突っ込んだ質問にも、
「参考文献が言っているならそうなんだと思いました」
とだけ返していた。怒られなかったのは、相当疲れた顔をしていたのだろう。
そんな因縁のある森茉莉と、やっとがっぷり四つに組む時間がやってきた。エッセイ集だし、こんなに時間が有り余っているのだ、流石に読めるだろう!
全然読めない。
話は面白い。表題作なんかは少女趣味のある名倉でもちょっと共感できるし、作家としての裏話も愉快だ。
ただ、いかんせんめっちゃ文体が読みづらい! 語彙は美しいのだが、段落にぎっちりと文字が詰め込まれていて、目が滑る。おそらく読書家の皆々様なら余裕だと思うのだが、私のような読書嫌いにはかなりハードルが高い。
半分ほど読んで疲れて閉じた。近々再戦したい。

西尾維新『キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘』


これを書き始める直前に買った。
なに積読増やしとんねん。
お恥ずかしいことにそんなに定価で本を買わないのだが、珍しく本屋に行ったら平積みされていて、うわ! 話に聞いてた戯言の最新作! と思って、一応落ち着こうと思って本屋を隅々まで見潰して、結局買った。
戯言シリーズは中学時代友達数人と一緒に愛読して、仲良く西尾維新的厨二ワールドに耽溺していた。ガチ黒歴史なのだが、希望制で戯言風の二つ名をつけてあげる遊びをよくするほどだった。前にもどこかで書いたかもしれない。当時『めだかボックス』がジャンプで連載されていて、『化物語』がアニメ化して流行っていて、と英才教育を受けていた世代である。物語シリーズは偽物までしか読まなかったけど、めだかボックス大好きだったな……。でもこれも途中までしか読んでません。
というわけで、郷愁である。買った理由は。もうキャラの名前覚えてないよ……。いーちゃん、玖渚友、哀川潤、零崎人識、匂宮出夢、くらいか。女子中学生の例に漏れずぜろりんといずむんが好きで、零崎人識の人間関係シリーズも確か全部読んだはずだ。
とりあえず、他の積読を差し置いて真っ先に読もうと思います。

チョ・ヒチョル『1時間でハングルが読めるようになる本 ヒチョル式超速ハングル覚え方講座』


韓国語ができるようになりたいので、まずハングルからと思い、Amazonの中古で、評価が高かったこれを買ってみた。
新品同然だと書いてあったのに届いた時点で書き込みがあって萎えた。まあ返金してもらったんだけど。
10ページくらい読んで、ハングルの形とモチーフを紐付けるタイプだとわかって閉じた。脳みその中で言語中枢しか動いていないので、イラストで覚える! されると余計わからない。せめて形の由来、漢字で言うならしめすへん(礻)は神に捧げる供え物の形、とか、必然性があればよかったのだが、ハングルは表音文字なのでそうも行かず、ただㅅはさくらんぼで、とかって言われるので、ちょっとよくわからなかった。買う前に調べておけばよかった。
逆に言うとそういうのが得意な人、おすすめです。
誰かにあげようかな。

監修:石田美智代『『あいうえお』から覚えるいちばんやさしいハングル練習ノート』


韓国語ができるようになりたいので、まずハングルからと思い、Amazonの新品で、評価が高かったこれを買ってみた。
新品にしたのはドリルだから。そりゃそうだ。
結構やったけど、ひたすらハングルを書くだけだから飽きちゃった。でもおかげでちょっと読めるようになった。
下記の参考書と組み合わせてみて、気が向いたら続きもやる。下記で出てきて読めなかったハングルのページをやるとかで、もっとこの文字を羅列するだけの行為に意味があったほうがいいかもしれない。

李志暎『新装版 できる韓国語 初級Ⅰ』


韓国語ができるようになりたいので、日英中韓4ヶ国語を使いこなしバリバリ仕事をしているドエリートの友人に勉強法を聞いたら、この本が一丁目一番地だと教えてくれたので買った。
お前ほぼニートなのになんでそんなエリートの友達が居るのかって? インターネット。
これもキドナプキディングと一緒に書く直前に買ったので、開いてもいない。ピンク色の表紙がぴかぴか輝いている。
とにかく分厚くてでかい。受験勉強以来の硬派な参考書に背筋が伸びる思いである。
本当にやるのかな。

さもえど太郎『Artiste』8巻-9巻


ずっと読んでいる漫画、Artisteの新しめの巻をまだ読んでいなかったので、入院生活を機に買っておいた。
積んでいる漫画が多すぎて、読んだ漫画の続きを新しく買う前に読んでいない本に手をつけろよ! と友人に指摘されたので、律儀にそれを守っていたのだが。
料理だってアート! 主人公のシェフの青年を中心に、芸術に携わる人たち=Artisteアルティストの日々をあたたかに描く群像劇である。こういうヒューマンドラマ系の漫画が大好きだ。ベタすぎるけど、『メタモルフォーゼの縁側』とか。おすすめあったら教えてください。
これと合わせて『夏目アラタの結婚』の買わずの積読分を全部買って読破した。作風が違いすぎるが、これまた濃ゆいヒューマンドラマだった。詳しい感想は別記事にて。
漫画を読むのが速い方なので、積読として紹介したものの、手さえつければたぶん明日とかには読み終わっていると思う。

杉浦次郎『ニセモノの錬金術師』『スカイファイア』ラフ版全巻


無料なのでダウンロードだけしておいた。
連載漫画版の試し読みをして衝撃を受けたので原作を集めてみた。異世界でチート能力で錬金して奴隷を買って……はいはいよくある……え? 思ってたのと違うぞ?
絶対面白いだろと思いつつ、長い。重厚な世界観であることも確実だ。読み始めてハマっちまったらもう、病室から出てこられなさそう。生活が破綻する。でも、読みたい……。
十分に助走をつけてから飛び込むつもりだ。

ポケットモンスター スカーレット


本でもなんでもねぇ。
入院のために買って、3週間くらい開けもしなくて、やっと始めたと思ったら広い世界を駆け回るのに忙しく未だに登校さえできていない。ゲームの中でまで不登校やめろしw……(´;ω;`)ウッ
もしかして、オープンワールド向いてない?
早くチリちゃんに会いたいのに……。
キャラクリエイトは頑張ったと思う。可愛い。今度スクショ見せてあげるね。

こうして見ると、積んでいるというか、途中でやめているものばかりだ……。
食わず嫌いと食って嫌いは違うので積読として紹介するのは適切ではなかったかも?
こうして並べていて思い出したけど、大好きな漫画であるはんざき朝未『無能の鷹』の続きを長らく買っていない。買って読むか……。本当に積まない? 大丈夫そう?(投稿直後、買いました)
あと、普通にもうすぐ退院の可能性が高くて、そんなにあってどうするんだよという感じがする。まあしばらく休職という名のニートに逆戻りするので、穴ぐらで読みましょうか。
書いてて面白かったのでまた積読ビブリオバトルさせてくださいね。皆さんの本選びの参考になったら嬉しいです! ではまた。

メンバーシップおまけは別記事です。読んだ本の感想。読んでない本でこんだけ書ける人間なのに。
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