🇫🇷 | 留学日記「落ちこむ雨の日は」
朝目が覚めても、決して明るくなってはいない窓を見つめると、何だか憂鬱になってしまう。
そんな日は、雨の多かった留学先ことを思い出してみる。
「今日は遅刻していったらどうだ」
友人であり、寮の管理人であるイダンさんは、真面目そうな顔をして、その実、本当に適当な人だった。
当たり前のように学生をサボらせようとするし、それに悩んでいる私を見て面白がっていた。
「どうせこんな朝は先生も遅刻してくる。朝食取ってから行けばいいさ」
その日は少しハイソなパン屋に寄ってみて、当然遅刻、けれど一限の先生は私よりも更に二十分遅くやってきた。
これが彼なりの、つまりフランス・アンジェの街なりのライフハック。決してのんびりしていないが、マイペースに賢く生きることを、それが自由なんだと教えてくれた。
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