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風にとける|詩

「風にとける」

透明の言の葉をふた指つまんで
青い風に透かしをとじる
聴こえてくるのは何時かの鈴の音すずのね
真暗まくらな峠に灯ったあかり

沈んだ夕陽の代わりの文字に
旅雨たびさめたゆたう君の心音ここね
いつかのボクだと細めた声を
背中で拾うて眉間で哭いた

もうすぐ夏がやってくる
庭先わすれた風鈴が
今年も君の名を呼び続けている

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