見出し画像

夏に咲いて、|詩


「夏に咲いて、」

例えば僕のうしろには
ひとりの姿もみえないとして
それでも其処に小さな跡が
確かにあったはずの小さな影が

祭りの終わりを知らせる花火
見上げた空に君は居なくて
遠くに聴こえる火薬のにおいが
記憶のなかで僕の名を呼ぶ

来年も一緒に来ような

瞳のうら微笑んだ君の浴衣には
今年も百合の花が咲いていた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?