【要約】『7つの習慣』|大人も子供も必読書!未来を広げるために、らしさを取り戻すために、今からできる自分のコアのつくり方!
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『7つの習慣』/スティーブン・R・コヴィー/2013年,キングベアー
フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社訳
(原題:『The Seven Habits of Highly Effective People』)
今回は、上記の本を紹介します。
以下では、4つの章の構造で説明します。
Chapter 1: Entrance
⇨”入口”、さわりだけ。
Chapter 2: Essence
⇨本の全体構造と”エッセンス”を、鳥の目で俯瞰します。
Chapter 3: Enlightenment
⇨俯瞰して全体像を掴んだ後は、虫の目で細部の”悟り”を深めます。
Chapter 4: Ending
⇨最後に”まとめ”や関連情報などを記載します。
1. Entrance
約500ページもの厚みあるやや難しい本ですが、より良く生きるための秘密がたっぷり詰まった宝箱のような哲学的1冊です。私も何度も読み返してきた『7つの習慣』を一緒に紐解いていきませんか?
2. Essence
まずは、鳥の目で、全体の大まかな構造を掴みます。
-Structure-
◈成長、人間関係に関する3段階のステージ
依存 ⇨ 自立 ⇨ 相互依存
まずは自己を成長させ、依存した状態から自立した状態へと脱却し(私的成功のステージ)、次は自分だけでなく周りの人にも良い影響を与えられる相互依存状態を目指しましょう(公的成功のステージ)というお話です。
そのために身に着けるべき7つの習慣を下記に示します。
◈私的成功(依存⇨自立)
➢Ⅰ:主体的である (Be proactive)
⇨自分の位置を客観的に知り、自分に責任を持てるか(自覚)。
➢Ⅱ:終わりを思い描くことから始める (Begin with the end in mind)
⇨まず人生設計をし、今すべきことを考える(想像と良心)。
➢Ⅲ:最優先事項を優先する (Put first things first)
⇨その人生設計を実現するため、自分を管理する(意志)。
◈公的成功(自立⇨相互依存)
➢Ⅳ:Win-Winを考える (Think Win/Win)
⇨お互いに満足できる結果を探る。
➢Ⅴ:まず理解に徹し、そして理解される
(Seek first to understand, then to be understood)
⇨まず、相手の状況を理解することに集中する。
➢Ⅵ:シナジーを創り出す (Synergize)
⇨自分と他者の違いに価値を置き、相乗効果を発揮する。
◈最新再生
➢Ⅶ:刃を研ぐ (Sharpen the saw)
⇨自身の価値を維持し高め、Ⅰ~Ⅵの習慣を底上げする。
さて、ここまでで、前回の『本を読む本』の記事でも触れたように、本格的に読み進める前に、本の全体を構造的に整理し、鳥の目で全体像を俯瞰しました。ここからは、7つの各項目が何 (What) を指し、どうすれば (How) 習得できるのか、虫の目で細部を「分析」していきます。
3. Enlightenment
まずは、本書での様々な言葉の定義を整理しながら、キーワードを追いかけます。
➢成長、人間関係に関する3段階
依存 ⇨ 自立 ⇨ 相互依存
各ステージの意味を下記に記載します。
1.依存:望む結果を得るために、他者に頼らなくてはならない状態。
2.自立:自分の力で望む結果を得られる状態。
3.相互依存:自分と他者の力を合わせて、最大限の成功を掴める状態。
これらは次のように英語の主語にしてみるとわかりやすいです。
You ⇨ I ⇨ We
誰かに依存していれば、主語は「あなた」や「あなた達」ばかりになる。
自立するものの自己中心的側面が強いと、主語は「私」ばかりになる。
自立し、かつ他者を尊重していれば、主語は「我々」になる。
ちなみに、会話の中でこの主語の違いを意識していると、その人がどのタイプなのかよく見えてきてしまうと私は考えています。
次に、上記の段階を上げていくための7つの習慣を下記に纏めます。
まず、Ⅰ~Ⅲの習慣を理解するために掴むべき概念があるので、先にそれを説明します。
➢主体性と反応性
◈主体的でない反応的な人(他人や周囲環境や過去のせいにする人)
刺激 ⇨ 反応
◈主体的な人
刺激 ⇨ 選択の自由 (自覚/想像/良心/意志) ⇨ 反応
上記の「刺激」とは、何らかのインプットを指し、「反応」とは、そのインプットを基に行う自分のアウトプットです。
例えばシンプルにすると、テストで良い点数が取れなかった時に、テストの点が悪いのは、先生の教え方が悪かったからだ、あるいは頭の良い家系でないからだと考えてしまう人が主体的でない人です。これらの悪い条件はもしかしたら事実ではあるかもしれませんが、主体的な人はそのように捉える前に、いや自分が勉強をしなかったからだ、と立ち止まり考えられる人のことを指します。
➢Ⅰ:主体的である(自覚)
Current location and Responsibility :
主体的であるためには、自分の選択に「責任」を持つことと、自分の「立ち位置」を客観的に見れることが必要です。これを「自覚」と置き換えます。
ちなみに、私の好きな脳科学の本、池谷裕二著『単純な脳、複雑な「私」』では、この自分を客観的に見ることを「幽体離脱」という表現で説明しています。
➢Ⅱ:終わりを思い描くことから始める(想像と良心)
Personal Leadership :
Ⅰで自分の現在の位置を掴んだら、次はどの方向へ進むか、何を基準に進むのかを考えます。そのために、「想像」と「良心」が必要です。
自分のあるべき姿となるゴールを想像して(=人生設計)、自分の価値観となる良心の基準があるからこそ手段を選ばないような進み方はしなくなります。これは、自分を導くように自分自身にリーダーシップを発揮する、と言い換えることもできます。
➢Ⅲ:最優先事項を優先する(意志)
Personal Management :
スタートとゴールが決まったら、ゴールに効率良くたどり着けるように、自己の時間管理が必要となります。Ⅱの習慣で自分自身にリーダーシップを発揮した後は、自分自身にマネジメントを実施します。
縦軸に「重要性」、横軸に「緊急性」のマトリックスを描きタスクを振り分けて、「緊急性は高くないが重要性の高いタスク」にどれだけ多くの時間を割けるように立ち回れるか意志を強く持つことが、Ⅱで設計した自分を実現するために必要となってきます。
次のⅣ~Ⅵの習慣を掴むためには、アリストテレスの「ロゴス・エトス・パトス」の概念を理解しておくと助けになるのではないかと思います。
相手と共感を分かち合うためには以下の三要素が必要という哲学の概念です。
ロゴス(論理):論理的に腹落ちすること
エトス(倫理):倫理的に腹落ちすること
パトス(情熱):感情的に腹落ちすること
➢Ⅳ:Win-Winを考える
Win-Winとは、何かを決める時に、お互いのためになるような第三の案や落としどころを探して立ち回ることです。どちらも損したり、どちらかしか得をしないような関係は作らず、その場合には取引なしのNo Dealという選択肢が挙がります。
お互いに利のある関係を構築するためには、相手の立場を尊重しながら自己の主張も行える、勇気と思いやりのバランスを意識する必要があります。
➢Ⅴ:まず理解に徹し、そして理解される
Ⅳの相手の立場を尊重するためには、どうすれば良いのでしょうか。その答えがこのⅤの習慣です。
一言にすれば、相手の身になって聞き共感し、信頼関係を構築してから自分のことを理解してもらうという内容です。さて、私たちの聞く姿勢には4段階あるそうです。
相手の話を聞く時の4段階:
StepⅠ:相手を無視
StepⅡ:聞くふり(相槌は打つが話の中身は右から左)
StepⅢ:部分的に選択して聞く
StepⅣ:注意して聞く
なるほどと、思ったのも束の間、著者はStepⅤを目指せと説いてきます。
StepⅤ:相手の立ち場になり、共感をして傾聴する
このスキルを習得するためにには、さらに4レベルに分かれていて、
レベルⅠ:相手の言葉をそのまま繰り返す(オウム返し)
レベルⅡ:相手の言葉を自分の言葉に置き換える
レベルⅢ:相手の気持ちを言葉にする
レベルⅣ:レベルⅡとⅢの複合
➢Ⅵ:シナジーを創り出す
Ⅰ~Ⅴの習慣は、全てⅥの習慣を達成するための準備と位置付けられる。
シナジーとは、全体の合計が個々の部分総和よりも大きくなること。
他者との人間関係でシナジーを創り出すためには、まず自分の中でシナジーを創り出すことを意識する。
ポイントは脳の使い方で、「右脳」と「左脳」の働きを組み合わせて自分の中のシナジーを創り出す。
右脳:直感的、視覚的、アート
左脳:論理的、言語的、サイエンス
➢Ⅶ:刃を研ぐ
刃を研ぐとは、ネコでいう所の「爪とぎ」に当たります。人を構成する4つの側面(肉体/精神/知性/社会情緒)をバランス良く磨き、自身の価値を維持し高めるための習慣。
まず、4つの項目を肉体/精神/知性の固まりと社会情緒に分けます。
◈私的成功の爪研ぎ:肉体/精神/知性
➢肉体:心と身体の健康管理(睡眠、運動、食事)
⇨心身の健全性はもちろん、主体性も鍛えられる。
➢精神:価値観の明確化
⇨自分の人生を自分で舵を取るために、自分の価値観となる「コア」と進むべき方向性を見つめなおす。
➢知性:読書、計画立案、執筆
⇨客観的な視点を取り入れて、自分の人生のプログラムを書き換えていくような作業。
◈公的成功の爪とぎ:社会情緒
➢社会情緒:奉仕、感情の安定
健康で幸せに長生きするカギは、誰かの役に立ち、自分の気持ちも高揚するような活動に身を捧げることと書かれています。
これを私は、「他者貢献」と「自己実現」の二要素のマトリックスを意識することと捉えています。
例えば、仕事をすることで上記2つを同時に満たせているならばベストだけれど、実際は、人の役に立っているけれど楽しくない仕事であったり、その逆で人の役に立てるレベルには達していないけれど自分の気持ちが高まるような活動といったケースが多いのではないでしょうか。
でも、このマトリックスの二要素を意識しているだけでも、やるべきことが見えやすくなってくると思います。
4. Ending
「成功・人間関係に関する3つのステージ」、「刺激ー選択ー反応モデル」、「7つの習慣」といったキーワードについて纏めました。
かなり圧縮しましたが、それでもまずまずのボリュームとなってしまったかもしれません。
本文中では、Ⅰ~Ⅲの習慣は「誠実さ」、Ⅳ~Ⅵの習慣は「忠誠心」という表現も使われています。
色々な範囲の読者に刺さり、応用力のある半永久的に使える内容が書かれた本書。本文には、より具体的な実践方法が豊富に書かれていますので、この記事が本書を手にするきっかけとなれば幸いです。ではまた。
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