見出し画像

世の中の「理不尽」を燃やし尽くせ!!(すめらぎひよこ:『我が焔炎にひれ伏せ世界』)

今回の本は、すめらぎひよこさんのライトノベル作品『我が焔炎ホムラにひれ伏せ世界』(角川スニーカー文庫)です。公式略称は『ホムセカ』とのこと。

今すぐアニメ化もできそうなPVなど、スニーカー文庫の本気を感じる作品紹介を見て「この作品はぜひ応援したい!」と思い、読んでみました。それにしてもスニーカー大賞12年ぶりの「大賞」って本当にすごいんですね…。

今作はキャラ同士のやりとりや、爽快感のあるバトルシーンがとても楽しい作品です。とにかく面白い物語、スカッとする物語が読みたい人には読んで後悔しない内容だと思います!

あらすじ

(あわよくば何か燃やしたい……)という欲求を抱いていたホムラは異世界へと招かれる。そこには同じようにヘンな女子高生達が集められており、何でも特別な才能を持つ彼女達に「この世界を救って欲しい」という話のようで? 100年振りの魔王復活、混乱に乗じて蔓延る悪党共。天下動乱の世を正す為、世界の命運は少女たちに託された――。
「あなた悪人さんですか?それなら私、心置きなく燃やせます!」
 燃やすことこそ大正義! 焼却処分はエクスタシー!! 圧倒的火力で世界を制圧していく残念系美少女ホムラの行く末は!?

レーベル公式サイトより

感想

王道なラノベのストーリーでありながらも、新しさも感じる、気分爽快な作品でした。

今作では5人のクセ強めな少女たちが魔王討伐を目指し、異世界を冒険する様子が描かれます。マッドサイエンティストや暗殺者など異色すぎるメンバーの中、主人公のホムラは発火能力を持っているものの、他の4人に比べるとあまり目立たない子だとはじめは思っていました。

しかし物語の終盤にて、ホムラの真の凄さが明かされます。
今作のボスにあたるキャラとの戦いの最中、発火能力で苦しんできた彼女の過去が描かれました。理不尽な世界を嫌うホムラは、自らの能力を活かして世の中に蔓延る理不尽を「燃やしたい」と願うようになります。

今回ホムラたちが戦ったルートルードは、表向きは好青年でしたが、実際は弱い者を見下しては自分が強くなることしか考えていない非常に胸糞悪くなる性格でした。そんな彼の理不尽さに怒り、本気で燃やし尽くすホムラの活躍には爽快感がありました。読了後もすごく気分が良い作品!
自らの能力で理不尽と戦うホムラの姿は、まさに「ダークヒロイン」だと思います。

***

今作はスカッとするストーリーだけでなく、キャラクターも魅力的でした。案外ホムラと似た者同士かもしれないサイコ(マッドサイエンティスト)、クールなボケが面白いジン(暗殺者)、毒舌キャラのプロト(機械生命体)、今作の癒し枠なツツミ(生体兵器)とホムラと一緒に冒険するヒロインたちも全員推せます。

他にもヒロインたちからは「チャラ男」「モブキャラっぽい」といじられていたけど、実は強いシグラットもいいキャラでした。見た目ではわからない「意外性」を感じるキャラが多かったのも『ホムセカ』の面白いところだと思います。

***

今作のタイトルを見た時から気になっていたサブタイトルの「魔王城、燃やしてみた」。プロローグでも魔王城を燃やし、歓喜するホムラたちの姿が描かれていましたが、このシーンはどうやら彼女たちの旅の終着点となる箇所だそうです。

魔王について少し触れていた箇所はあったものの、まだまだ異世界のことに関しては謎が多いので、ホムラたちがどんな冒険をして魔王城にたどり着くのか続編が出たら引き続き追いかけていきたいと思います。

この記事が参加している募集

#推薦図書

42,508件

#読書感想文

188,902件

いつも記事など読んで頂きありがとうございます。日々励みとなっています。もっと面白いネタを収穫したいので、良かったらサポートもお願いします(^^)