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東大野球部DX計画!

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学生スタッフ兼データアナリストとして東大野球部に所属する齋藤周が、東大野球部にDXを起こし、六大学優勝を目指します!
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2020年12月の記事一覧

「人類最大の発明」とトレーニング

「人類最大の発明」とトレーニング

このnoteは、東大野球部に学生スタッフ兼アナリストとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

データアナリスト部門を取り上げていただきましたさて、球場の大掃除や昨日は引退された4年生との引退試合など、さまざまなイベントがありました。練習納めということで報道陣の方にもお越しいただき、データアナリスト部門についても少しだけご紹介いただきました。

「デー

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ミクロとマクロ

ミクロとマクロ

このnoteは、東大野球部に学生スタッフ兼アナリストとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

成長を複数のタイムスケールで捉える今日で大掃除も終わり、明日からは全体としてはオフ期間に入ります。とはいえ、多くの同期にとっては真剣に野球に向き合える最後の冬ですから、個々人の課題に取り組むことで「勝つためのオフ期間」を過ごしてほしいし、自分もできる限りその

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「変革」

「変革」

このnoteは、東大野球部に学生スタッフ兼アナリストとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

「変革」の起こし方今日で全体練習は終わり、あとは明日球場の大掃除をして今シーズンは終わりとなります。新チームが発足したのがちょうど1ヶ月くらい前のことですが、まるで数秒前のことのように感じます。

前回と前々回の記事でかなり魂をこめて書いたので、今回は少しラ

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打球角度を理論的に検証する

打球角度を理論的に検証する

このnoteは、東大野球部に学生スタッフ兼アナリストとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

さて前回の記事では、フライボール革命やバレルゾーンは誤解されている、という話を書きました。フライボール革命が想定しているモデルがすごすぎて、MLB選手とかでないとなかなか活用できないのですね。

そこで今回は、我々東大野球部を含む多くの野球選手が目指すべき場

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フライボール革命が招いた誤解

フライボール革命が招いた誤解

このnoteは、東大野球部に学生スタッフ兼アナリストとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

「バレル」は誤解されている野球好きの人なら一度は聞いたことがあるであろう「バレル」。MLBのアストロズで導入され、そのアストロズがワールドシリーズを制覇したことで話題となったフライボール革命とともに、この「バレル」も一時はバズワードになっていました。

しか

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なぜ野球とデータは相性が良いのか

なぜ野球とデータは相性が良いのか

このnoteは、東大野球部に学生スタッフ兼アナリストとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

東大野球部は毎週火曜日がオフです。そのため、今日はアナライジング寄りの記事です。

野球とデータは相性がいい
ITの進化に伴い、スポーツ界ではデータの重要性が着実に高まってきました。野球以外にもアメフトやサッカー、バレーボール、バスケットボールなどさまざまな

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練習に市場原理を導入する

練習に市場原理を導入する

このnoteは、東大野球部に学生スタッフとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

練習における市場原理今年のチームでは、練習前のウォーミングアップのうち半分くらいの時間を各自で自由にアップする時間にしました。また、キャッチボールやフリーバッティングの前にも、同様に各自でアップをしたり動作の確認を行ったりする時間を設けるようにしました。

その1番の理

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フィジカル面向上のための取り組み

フィジカル面向上のための取り組み

このnoteは、東大野球部に学生スタッフとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

ZETT測定今日はZETTの方にお越しいただき、体力テストを行いました。クーニンズも受けていたやつです。

例年この時期とシーズン前の3月ごろにZETTの体力テストを受け、課題の認識や成長度の把握につなげています。

この体力テストでは、大きく分けて筋力・スピード・柔軟

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アドラー心理学に学ぶイップスとの付き合い方

アドラー心理学に学ぶイップスとの付き合い方

このnoteは、東大野球部に学生スタッフとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

イップスの捉え方を変える本を読むのが好きで、1ヶ月あたり1メートルくらいは読んでいるのですが、先日読んだ「嫌われる勇気」という本が最高でした。コペルニクス的転回とはまさにこのことだ、と思いました。

この本で取り上げられているアドラー心理学においては、我々は過去の経験で

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トップダウンかボトムアップか

トップダウンかボトムアップか

このnoteは、東大野球部に学生スタッフとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

トップダウンとボトムアップ東大野球部では、2つ前の代から少人数班という制度が始まりました。少人数班とは、1年生から4年生までの各学年で構成された10人程度の縦割り班のことです。

2週間に1回、この少人数班でミーティングが行われ、個々の技術向上の進捗を把握したり、チーム

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その声かけはどっち向き?

このnoteは、東大野球部に学生スタッフとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

高校時代にやっておくべきだったこと野球に限らずスポーツにおいて、プレーの動作は選手がもっとも大切にすることの一つでしょう。現在ではスローモーションや画質の向上などカメラの精度が上がったことで、より自分の動作を客観的に把握できるようになっています。

僕が東大野球部に入っ

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「最大公約数の練習」で満足していないか

「最大公約数の練習」で満足していないか

このnoteは、東大野球部に学生スタッフとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

全体練習の位置付け全体練習の位置付けをどうするか、というところがチーム内でしばしば問題になります。

高校野球くらいまで練習は基本的に全体練習だと思うのですが、大学野球では授業との兼ね合いがあったり、そもそも時間の余裕があったりするので、全体練習とは別に個人練習の時間も

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野球は漸化式である

野球は漸化式である

このnoteは、東大野球部に学生スタッフとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

「アウト交換」という概念野球で得点するためには、3アウトを取られるまでにホームにランナーを返さなければいけません。ベースは4つありますから、3つのアウトを取られる前に4回進塁しなければいけないわけです。

要は、野球は漸化式のようなものなんです。一定確率で、いくつかの限

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データ野球は弱者の戦略ではない

データ野球は弱者の戦略ではない

このnoteは、東大野球部に学生スタッフとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

データ活用の難しさ野球界ではしばしば、データ野球という言葉がトレンドになります。故・野村克也さんのID野球や、2018年の選抜高校野球に出場した膳所高校のデータに基づいた大胆な守備シフトなどは、大きな話題となりました。

こうした例においては、多くの場合「弱かったチーム

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