練習に市場原理を導入する
このnoteは、東大野球部に学生スタッフとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。
練習における市場原理
今年のチームでは、練習前のウォーミングアップのうち半分くらいの時間を各自で自由にアップする時間にしました。また、キャッチボールやフリーバッティングの前にも、同様に各自でアップをしたり動作の確認を行ったりする時間を設けるようにしました。
その1番の理由としては、市場原理を練習の中に導入したかったからです。
ここで市場原理の意味をおさらいしておきましょう。
市場がさまざまな過不足やアンバランスを自ら調整し最適化する仕組みや機能。商品の価格、需要と供給、労働市場などさまざまな場面で、多くの市場参加者が自己利益を追求することで働くとされる
キャッチボール前のアップを例に考えてみましょう。選手の体には一人一人特徴があり、それにもっともフィットするアップをしようとすると、自然と一人一人メニューが変わってきます。実際に東大野球部では、キャッチボール前にアメフトボールを投げる人、ゴムチューブをやる人、バランスディスクに乗る人、フォームの確認を行う人などさまざまな人がいます。
しかし、同じメニューをみんなで一斉にやろうとするとどうなるでしょうか。
道具の数やスペースが限られているため、どうしても一度に全員が行うことはできません。また、全員が揃うのを待って、全員で動いて、とやっていると待ち時間も長くなってしまいます。
ところが、みんな自由にやっていいよとすることで、「チューブ使ってる人がいるから先にバランスディスクをやろう」とか、「今日は時間が少し短いからこのメニューをカットしよう」などと、各々が最適化を図ることで結果として全体としても効率的なリソース配分ができるのです。
自分で情報を集め、自分で考える
各自に任せる時間を作るのは、自分の頭で考える習慣をつけるためでもあります。
選手の体は一人一人違いますから、それぞれが自分の体にとってベストな準備の仕方を身につけるのが理想です。そのためには、日々自分にとって必要なメニューを考え、実践し、その結果を評価するという一連のサイクルを繰り返していくことが求められます。ですから、各自でアップする時間がどうしても必要だったのです。
自分にとって必要なメニューを考えるためには、継続的な情報収集により引き出しを増やしていく必要があります。東大野球部でも多くの部員が、野球用のTwitterアカウントやInstaアカウントを作って、情報収集を行っています。
このように盲目的に練習メニューをこなすのではなく、自然とみんなが自分の頭で考えるような練習設計は非常に重要だと思いますし、どんなチームでも意味のある施策だと思います。取り入れてみても面白いのではないでしょうか。
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