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トップダウンかボトムアップか

このnoteは、東大野球部に学生スタッフとして所属する私、齋藤周が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

トップダウンとボトムアップ

東大野球部では、2つ前の代から少人数班という制度が始まりました。少人数班とは、1年生から4年生までの各学年で構成された10人程度の縦割り班のことです。

2週間に1回、この少人数班でミーティングが行われ、個々の技術向上の進捗を把握したり、チームへの意見を募集したりしています。ここで出されたチームへの意見は然るべきところに伝えられ、必要なものはどんどん取り入れるようにしています。

少人数班のいいところは、下級生でもチームに対して意見を言いやすい場を作れることです。

上級生であれば、寮で話し合ったりLINEしたりすることで簡単に意見を言っていくことができますが、下級生はどうしてもチームに対して直接意見を出していくのは難しい場合があります。これは心理的なハードルの場合もありますが、そもそも環境的なハードルの場合が多いので、少人数班で言いやすい環境を作ることで誰もがチームに意見を言える環境づくりをしているのです。

また、それぞれの少人数班は基本的にポジションが同じ人で構成されているので、技術的な相談もしやすいようになっています。少人数班のメンバーでごはんにいく、なんて話もよく聞くくらい縦の繋がりが生まれています。

このように少人数班というシステムで縦の繋がりを作り、ボトムアップな形での意見も積極的に取り入れようとしているわけですが、ボトムアップで難しいのがスピードです。

「意見がでる→然るべきところに届ける→責任者の決定あるいは話し合いを経て結論を出す→その結論を元に実行していく」という流れを踏まなければいけないため、意見が出てから実際に実行するまでにどうしても時間がかかってしまうのです。

また、意見を採用するかどうかの判断を誰が下すのか、というのも難しいところです。トップダウンなら責任者がはっきりしていますが、ボトムアップでは責任の所在が曖昧になってしまいがちなのです。

実際に中日ドラゴンズの黄金期を作った落合博満さんも、「決断=実行」という本で

聞こえのいい合議制よりも、監督を頂点にしたトップダウン型のピラミッドがしっかりしている方がチームは強くなる

とおっしゃっていました。1つ1つの意思決定に対する責任者がはっきりしている方がよい、ということだと思います。ここは気をつけなければいけません。

というわけで、今回は東大野球部で取り入れている少人数班という制度をご紹介しました。

今年のチームでは少人数班の頻度を増やし、より短いスパンで各自の進捗状況を把握したり、チームへの意見を募集したりしています。スピード感という点ではまだまだ改善の余地はあるものの、この少人数班という制度自体は先輩方が残してくださった非常にいい仕組みだと思っています。みなさんのチームでも取り入れてみてはいかがでしょうか。


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