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【読書感想】美しい幻獣生態骨格図鑑

「人間の上半身と馬の下半身を持つと言われているケンタウロスの肺は、二つあるのだろうか?」
「それともどちらかは他の器官が発達している?」
「もし二つ肺があるのだとしたら、きっとかなりの肺活量で、速く長く走れたのだろう」。

そんなあり得ない、それでもわくわくする疑問や考えが次々に浮かんできて、大人まで楽しめる本を見つけました。

今回読んだのは、笠倉出版社の『美しい幻獣生態骨格図鑑』
タイトル通り“幻獣”の骨格図鑑です。

ユニコーンの角の成分はなんだろう、とか。
ペガサスの羽はどこから生えているのか、とか。

そういった疑問は骨格から生まれます。

左ページにイラスト、右ページに骨格図が書かれていて、それぞれに考察と解説があるという構成です。

先に出した例の他にも、有名キャラの(想像の)骨格がたくさん載っているので怪物好きにはたまりません。

登場する幻獣の一部を紹介。いらすとやさんすごい。

似ている実在の動物を参考にしているので、どこがどういう骨格なのかを見るのも楽しいです。
何種類かの動物が合わさってできた怪獣とかいますよね。あれの接合部分とかです。よく考えたら翼のある怪獣ってどう繋がっているのか不思議なことに気がつきました。

サラマンダーなんかはほぼオオサンショウウオでとてももっちり。

コラムの内容も充実していて、幻獣についての本としても楽しめると思います。

読んでいてふと思い出したのは、川上和人先生の『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』という本です。

こちらは鳥類学者が恐竜を考えるという内容。
以前読んだので読書感想記事を投稿していますね。

恐竜と幻獣ではまるで違うものですが、「もう見れないもの」と「見ることができないもの」を実際の知識に基づいて考えるという点では重なるところもあります。

「人間を鷲掴みにして飛んでいく飛翔力」について、あり得ないと一蹴するのは簡単だけどあまりにも面白みにかけるでしょう。

程よい夢想と程よい考察。
想像する楽しさが詰まった一冊だと思います。


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