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ワーケーションを社員と過ごしてみたら想像以上の経験と成果が得られた。

転地効果を得られると言われるワーケーション。言葉は普及してきたとは言えまだまだ個人単位で活用している感が否めません。それもそのはず。会社単位で動くにはコストと生産性をどう確保するかという観点でもまだまだハードルが高そうなイメージですし、何よりそこで働くスタッフが「集まる意味がある」と思わなければ形だけに終始してしまい、帰属意識も低下しかねません。とは言いつつも。個人的には「やってみてから考えてもいいのでは」と思ったので、約数カ月社内で議論してようやく実施ができました。このnoteでは備忘録も兼ねて、会社単位のワーケーションがどうなっていたかを記録しておこうと思います。


そもそもなぜワーケーションなのか

ここ重要ですよね。「まずはやってみてから考えてもいいのでは」と言っても無計画では行えませんし、ましてや流行ってるからと言って飛びつくわけにもいけません。弊社は東証スタンダードに上場している企業のグループ会社でもありますので、行動に対する理由や意味も必要となります。

なので様々なことを勘案して、社内外には以下の目的でワーケーションを実施すると告知をしました。

■多様化する働き方の体現
■プロジェクトの決起を始めとする社内コミュニケーションの活性
■転地効果

上記に対して実施後に行うアンケートで結果がどうなったのかも検証したいと思っていました。

■多様化する働き方の体現
DEECH社はマーケティングの支援が主な業務ですが、コロナを契機に完全にオンラインで仕事が実施できる体制を構築できました。対面を意図的に組み込んでいますが、基本はフルリモートでも完結できるようにしています。現在は出社とリモートのハイブリッドの運用をしながら、世の中のトレンドを踏まえて採用やブランディングを考えると多様な働き方の選択は早めに用意しておきたいと考えています。いずれにしても、リモートを併用していく働き方なので、どのような状況になってもコミュニケーションに重きを置いた社風にしたい、という想いです。

■プロジェクトの決起を始めとする社内コミュニケーションの活性
このタイミングでワーケーションを行ったひとつの理由が、毎年7月に開催される東京ビッグサイトの「JAPANマーケティングweek」出展に対しての決起。

この展示会に出展するにあたって運営チームがあるのですが、会社としては大切なイベントなので決起を含めたコミュニケーションの醸成をここで行ってもらいたい、という意図がありました。さらに、タイミングよく新サービス2つがリリース直前だったので、この機会を利用して各チームがそれぞれ発表する機会も設けました。


■転地効果

最後は転地効果です。転地効果を調べると、「日常生活を離れいつもと違う環境に身を置くことで五感が刺激され、呼吸や消化などを司る自律神経の中枢に作用し、心身が元気になったり、リラックス効果が得られ、100キロ以上離れた土地で4〜5日滞在すると良い」と言われているので、これを実際に感じて見よう!と思いました。

ちなみに、これを告知した時の社員の気持ちはどんな感じだったのでしょうか。アンケートでは複雑な胸中も見て取れます。

ワーケーションを実施すると告知した時の印象


選んだ場所は東京から100.1km

転地効果は100km程度離れてるほうが良いとされているようです。今回偶然にも選んだ場所は東京駅から現地まで距離を測ると100.1km。転地効果を感じるには条件は良さそうです。また、ここは流行りのグランピングができる山の上。シーズンになると予約が取れないほどの人気の避暑地となるので、距離的にも場所的にもロケーションは最高です。ワーケーション当日は生憎の雨だったのですが、昼前には晴れ間も見えてきました。

このコテージの2階を貸し切りました
施設からの眺望。晴れてるとかなりの絶景に
撮影が上手すぎる(弊社のカメラ女子が撮影)
テンションが上がっています!

当日のスケジュールは適度な制約が吉

実際に行く前に心配していたのが生産性の確保。遠足の前のわくわくや野外での開放感からリラックスし過ぎてしまうのでは、と思っていたのですが、予めそれを見越して適度に予定を詰め込むスケジュールを組んでみました。

10:00 現地に到着
10:30 業務開始
11:00 新商材社内共有(30分を2本)
12:00 昼食(敢えて全員で一緒に)及び周辺散策
13:00 通常業務(個人での仕事や各プロジェクトの打合せ)
15:30 バリューカード(価値観の共有と相互理解の醸成)
18:00 BBQ(懇親会)

限りある時間だからこそタイトに動けることも事実です。チームの全員がリアルにいる利点を活かしました。

普段のオフィスの昼光色から電球色に変わりリラックスした雰囲気
野外にあるBARでオンラインで打合せ
新サービスの発表ではいつもと違った雰囲気でもみんな集中
お昼も敢えて同じ時間に全員で食べました。会話もかなり多かったです
ランチ後はそのまま周辺を散策
鳥が囀り、雨後に見掛ける虫も元気でした

夕方からは今回のワーケーションの目的のひとつでもある「メンバー同士の相互理解」を図る取組みを行いました。使用したのはバリューズカードというもの。

テーマは「人生で大切な五つの価値観」。チームメンバーと自分が大切にしている価値観をそれぞれ共有し相互理解を深めていこうというもの。相互理解が深まるほど組織に心理的な安全をもたらしてくれるんだそうです。最初は何が始まるんだろうと構えていた社員もいたのですが、蓋を開けてみればゲーム中はかなり会話も増え、発表の際にもたくさん質問があってかなりオススメな研修だと思いました。

印象に残っている出来事でもバリューズカードが上位に


この発表を終えた後はすぐに野外のBBQ場所に移動。開放的になる野外での食事にみんなの楽しそうな顔が印象的でした。調理の準備にも性格が出ていて、会話を楽しみながら懇親会に突入していきました。

食事の準備中にも多くのコミュニケーションが
お肉はこれでもか!というくらい用意されていました
テーブルやお皿も洒落ていて終始気分が良かったです
さとうは車だったのでノンアルコール。会話で酔えたかな?!
夜になると施設がライトアップされて幻想的な世界に
野外BARもオープン!(飲みたかった…)
このロケーションで美味しい食事とお酒が最高でした!

事実と印象を分離して考える

トータルすると「楽しかった!」という意見が多く、僕自身の印象としても楽しいものでした。感覚だけで言うなら最高と呼べる社内のイベントだったかと思います。一方で気になるのは当初から懸念していた生産性。実施後のアンケートでは一部の社員が「生産性が下がった」と感じていたようです。その内容は、普段と異なる環境で個人の生産性が下がった、という回答がありました。他にも、具体的な事象はここでは省きますが、「非日常が故のテンション」がそれを引き起こす原因になっていたのは否めません。

ワーケーションの生産性についての回答


けれど、「生産性が下がった=悪い」という事ではないと思っていまして、あくまでもそれは当日の個人の生産性において。なので、「個人の生産性以上に、チームとしての相互理解が向上した」という成果に置き換えるならば中長期で見ればプラスに作用すると判断できます。もっと言えば、会社単位でのワーケーションのメリット・醍醐味は「チームとしての戦闘力アップ」に繋がると素直に思いましたし、個人の生産性は予め落ちると想定しながら「組織の強さを醸成していく場」と捉えて当日の仕掛けを考えるのが肝なのかなと。これは社員旅行やオフィスでの研修では得られない効果ですし、仕事・相互理解イベント・懇親会・非日常がパッケージになっているからこそと考えても良いのかなと思いました。

ぶっちゃけこの先ワーケーションをやるの?

他の会社はもちろん分からないのですが、少なくともDEECH社とワーケーションの相性はものすごく良かったです。マネジメントの観点でも「やってよかった」と言えます。課題が無かったかと問われたら浮き彫りになった部分もありますが、それは修正できる範囲かなと。

社員のTwitterの投稿も概ね良いみたいです。

どのような企画を行っても100%のコンセンサスが得られないのが組織です。けれどひとつ言えるのは、今の組織だからこそ外部イベントも成功したのかなと。普段の社内が重い雰囲気だから場所を変えて、ということにも使えると思いますが、個人的には、普段の組織がそこそこ上手く行ってるからさらに良かったのではないかと結論付けています。DEECH社としては今後もそのような思考でワーケーションの活用を考えたいなと。

最後に。ワーケーションの今後についても聞いてみました。

匿名で実施したこのアンケート結果が一番事実を物語ってるのかなと

みんな次回も行きたいと思ってくれていて嬉しい。これからご縁があるかもしれない中途社員や新卒社員にもぜひ!経験してもらいたいですね!

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