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複業(パラレルキャリア)の意外な効果〜組織の浄化作用をもたらす

複業、パラレルキャリア。
1人のビジネスパーソンが社内外、複数の組織に所属したり、複数の顔を持つ働き方。

僕自身、パラレルキャリアで活動をしており、当社(あまねキャリア)も全員パラレルキャリアで元気に事業活動をしています。

複業(パラレルキャリア)のメリット/デメリットは、このブログおよび書籍『新時代を生き抜く越境思考』でも詳しく述べていますが、今回はそれらの記事•書籍で触れなかったメリットを綴ります。

『新時代を生き抜く越境思考』〜田原市でワーケーションしながらこのブログ記事を執筆•公開

メリット1.組織を客観的に見ることができる

単一組織だけに所属している人は、その組織が世界の全て、その組織の常識=世の中の常識だと思ってしまいがちです。
複業者は所属するそれぞれの組織を客観的に見ることができ、自らの視点や能力をアップデートしつつ、組織の世間ズレを防ぐ役割を果たすことができます。

メリット2.エンゲージメントを中和できる

新興企業などにも見られがちなのですが、メンバーの所属組織に対するエンゲージメント(帰属意識、熱量など)が高すぎる問題
エンゲージメントは低すぎるのも問題ですが、高ければイイものでもありません。

エンゲージメントが高すぎる集団は……

カルト化が進行。同調圧力が強めの排他的な「オレオレ」集団化しがち
長時間労働が常態化しがち
•内向きな社風が加速する

これらのリスクが大きいです。
エンゲージメントが高すぎる経営幹部や管理職が多い企業が不正をおこし、社会的にヤバいことになってしまっているのは周知の通りでしょう。

ある日突然、メンタルが「パキっ」と逝ってしまう人も。
エンゲージメント高すぎる管理職は、往々にしてメンバーを潰します

所属組織、すなわちエンゲージメントの向け先の負荷分散をすることで、同調圧力や気合•根性型のはたらき方から適度に距離をおくことができます。
組織に対するエンゲージメントが「高すぎず低すぎず」の状態を維持することができ、結果長続きします。

組織にとっては、人材の定着維持のメリットおよび組織カルチャーの浄化機能(熱量調整)を維持するメリットがあります。その組織ではたらくメンバーにとっては、メンタルヘルスを維持しつつ(組織の言いなりになりすぎない、「社畜化」しない)パフォーマンスを発揮できるメリットがあります。

メリット3.仕事のプロセス/コミュニケーションの仕方が「筋肉質」になる

僕および当社のメンバーもそうなのですが、複業(パラレルキャリア)をしている人たちは、管理間接業務やコミュニケーションに使うことができる時間やリソース(集中力なども)が相当限られます

毎日同じ職場に出社して集まって仕事をしている前提で、対面(相手を呼びつける)ベースかつ監視主義の仕事の仕方、紙•ハンコ•郵送ベースの業務プロセス、口頭やメールベースのコミュニケーションをしていたら、そもそも複数の組織で複数の仕事をこなすことができない。
雅な慣習や、管理間接業務に時間使っている場合ではなくなる
(そんなことをしていたら、複業人材 過労死してしまいます

複業者の多い組織は、自ずと業務プロセスやコミュニケーションの仕方が非同期/およびITツールを駆使したやり方にアップデートせざるを得なくなる。

その結果、組織と個人双方のデジタルワークスキルと共創力が向上し、共創体質、DX体質に進化することができます。

この点は先日公開された、日経クロステックの連載記事『IT職場あるある』でも論じました。ご覧ください。

おわりに

僕は、可能な職種においては「全員複業/パラレルキャリア」まではいかなくても、全組織人口の3割程度は複業/パラレルキャリアくらいのほうが組織は浄化しつつ進化し続けるのではないかと思っています。

もちろん専業の価値も大きいです。
しかしながら、悪気なく組織全体が時代遅れになったり、さまざまな立場、さまざまな人たちの視点を欠いてしまう。他者視点の無い「独り善がり」なオレオレ組織になり、ファンを遠ざけ共創できない組織になってしまう。

組織全体のマーケティング能力デザイン思考課題解決力共創力を高めるためにも。多様な人材を味方につける、ブランド力向上(ブランドマネジメント)のためにも、複業(パラレルキャリア)を率先して取り入れていきませんか。

とりえあえず「原則出社に戻す!」と息巻いている役員や部課長の皆さんは、複業/パラレルキャリアしてみればイイと思いますよ。
いままでの仕事のやり方の無理、無駄や脆弱性を、身をもって体感することができますから。

※この記事は愛知県田原市(伊良湖岬)でワーケーションしながら執筆しました。

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