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日間賀島で「分離ワーケーション」してみた


1.近場の離島で本気で休んでみた

10月はじめの良く晴れた金曜日。繁忙期続きで疲れたため、僕は思いきって代休をとりワーケーション、もとい、完全オフのバケーションをしに行ってきました。

いつもならば、旅先(ワーケーション先)でブログ記事を書くところですが、それをやってしまうと休めないため、執筆仕事は滞在中は行わない。後日回し。

師崎(もろざき)港。日間賀島へのフェリーが発着しています

ところで僕のような経営者かつワーカホリック……もとい(苦笑)……ワークとライフがごちゃまぜ気味の人間でも、週末しっかり休むと月曜日がマジで憂鬱になります(苦笑)。休み明けSlackやメッセンジャーを開くその瞬間、指が震えます。

多くのビジネスパーソンが抱える気持ち(マンデーブルー)を思い出すためにも、サラリーマン目線を忘れないためにも、経営者とてしっかり休むのは大事! 世間ズレしてはいかんです。

全国のワーカホリックな経営者や事業主の皆さん、たまにはしっかり休んでください!

師崎港から島々を結ぶフェリー(名鉄観光船)

という訳で今回はオフに全集中。パソコンも持たず目的地へとクルマを走らせます。

今回の旅の目的地は日間賀島(ひまかじま)。愛知県は三河湾に浮かぶ島の一つで、以前から気になっていたスポットでした。

日間賀島へ行くには2つのルートがあります。渥美半島の伊良湖岬からフェリー or 知多半島の師崎港からフェリー。

僕の事業所がある浜松からは伊良湖の方が近いのですが、伊良湖からのフェリーは本数が少なく(1日3往復)かつ風に弱い(とのこと)。今回は師崎から行くことにしました。
日間賀島は名古屋から鉄道とバスを乗り継いでも行くことが出来る、東海エリアの都市近郊の手軽な離島です。

港の手前の駐車場にクルマをとめ、いざ出港!

2.日間賀島で味わう非日常の景色

フェリーの車窓から。なかなかアクロバティックな走りでアトラクション感あります

このフェリー。なかなか爽快に飛ばします!小柄な船体もあいまって、ジェットコースターが降下する時のような「胸ヒュン」感覚も何度か味わいました。

島への移動のプロセスそのものが非日常感の宝庫。
(もっとも島で生活している人にとっては日常そのものでしょうけれども)

フェリーは途中、篠島(しのじま)に立ち寄り、日間賀島・西港へ(日間賀島直行便もあります)。20分程度の小旅行です。

日間賀島西港の町並み

フェリーを降り、西港付近を散策。近くには旅館や飲食店が軒を連ねています。レンタサイクルもあり、自転車で島を一周するのも良いですね。

日間賀島の名物は蛸(たこ)

僕は既に頭も心もリゾートモード。
やっぱり、しっかり休むの大事ですね。経営者だって休みたい!

推されるパスタと、推される部署

なんていうか、「経営者は休みなく働いて当然」のような不健康な同調圧力が世の中にはありますがそれっておかしいと思うし(経営者だって休みたいさにんげんだもの)、それを押し付けてくる投資家とか、企業経営者に無駄な間接業務や事務作業をさもやって当然のように増やしやがり(減らそうとせず)押し付けてくる国や政府に正しく「ノー」「ふざけんな」をつきつけるためにも、僕は主張し続けようと思いました。

「経営者だって休みたい!」

これ、いつか歌にでもしたいです(実は歌詞を考え始めています)。

島にはかわいらしいカフェも点在

日間賀島は小さな島で、徒歩でも1~1.5時間程度で一周できます。
運動不足解消も兼ねて、ぶらぶら歩いてみました。

蛸(タコ)壺と漁船がならぶ港の景色。なかなか趣深いです。

タコツボ化した仕事のやり方、タコツボ化した組織をなんとかするためのグループディスカッションや業務合宿をするのに最適な場所では?(苦笑)

タコツボと漁船がならぶ漁港。タコツボ化した仕事のやり方を見直すきっかけに
普段はオンラインでどこ(と)でも仕事している僕ですが、今日はどこでもドアの前でひと休み
ひと休み。推されるたこ焼きと、推される部署
海岸沿いの道をひたすらウォーキング。真夏に歩くのはキツいかも

島を一周し、今宵のお宿に到着。
木のぬくもりがあたたかい露天風呂付のお部屋で、本を読んだり、湯に浸かったり、ボーっとして過ごします。

推される宿と、推される部署
暮れなずむ海岸線を眺めながらひたすらボーっとする

僕のような人種は景色が変わると頭が働いてしまう油断するとすぐ仕事のことを考え、手を動かしてアウトプットしたくなってしまう。なんていうか、休むのが下手(苦笑)。

でも、それをやると気が付くとヘトヘトに。その悪循環を(たまには)断ちたい。

その意味でも、今回は強い意志をもって休みました。その代わり、アウトプットは後回し。バケーションに集中し、アウトプットは後日に。ワークとバケーションの分離。いわば、分離ワーケーション

バケーションの一形態、ワーケーションの一形態、いや、ワークスタイルの一形態としてアリだと思います。カラフルな選択肢を!

三河湾の海の幸に囲まれる幸せ

3.東海エリアにドロップイン可能なワークスポットを

さて、バケーションモードはここまで。ここからワークモード(仕事に関係する発信)に切り替えます。

今回の旅を通じて(も)、東海エリア(愛知県・静岡県・岐阜県など)って良いところがたくさんあるなと改めて思いました。

「名古屋に転勤が決まった……休みにすることがない!」
「豊橋に転居することになった……オワッタ」

のような絶望の声を聞くことが(ほんとうに)良くありますが、丁寧に地域近郊を探して見ると、普段とは景色を変えられるところが実はたくさんある
僕自身も、東海エリアで仕事や生活をするようになって、日々実感しています。

日間賀島西港の小さな繁華街。大都市の混雑が苦手な人には心地よい規模感かも

一方で、地域への「もったいなさ」と「もどかしさ」を今回の小旅行でも僕は感じました。

この日間賀島や師崎の町もそうでしたが、ちょっと仕事したくなった時に作業できるワークスポットのような場所がない(見当たらない)。

普段の僕のように(今回は完全バケーション決め込んで来たものの)、景色を変えて仕事や仕事のための読書などに集中したい人、超絶繁忙でせめてリフレッシュを取り入れながら仕事したい人、休むつもりで来たが頭が働いてしまってアウトプット(ブログを書くなど)したい人、旅先でオンラインミーティングに1本だけ出席したい人、などいまや相当数いると思われます。

(僕はワーケーションには、忙しい人が旅を楽しむ選択肢であり、忙しい人への優しさの意義もある(むしろその意義が大きい)と思っています。忙しい人だって旅したい!)

そして世界に目を向けてみると、旅しながら働くノマドワーカーの人口は増加傾向にあり、そういう人たちがドロップインしてちょっと仕事できる場の潜在ニーズは高まっていると感じています。

師崎港のフェリーターミナル。この2階の一部、ワークスポットとして解放して欲しい

今までは観光一辺倒でやってきたでしょうから、現状でワークスペースがないのは理解できます。ただそれはほんとうにもったいないし、旅先にワーク可能な空間が増えれば、忙しい人、仕事重視の人が旅をする選択肢も増え、旅行人口や地域の関係人口も間違いなく増えるでしょう。

地域に転居してきた人の過ごし方の選択肢も増え(カラフルになり)、地域に対するエンゲージメントや満足度も上がります。

僕はワーケーションのための新たなハコモノを創れというつもりはありません(僕たちがダムのある中山間地で行政や地域企業と連携して進めている、 #ダム際ワーキング 既存施設の流用をコンセプトにしています)。

たとえば、既存のフェリーターミナルやバスターミナルの施設の一角をドロップイン可能なワークスペースとして解放する(有料でもOK)、飲食店やお土産屋さんの一角をワーケーション客用に提供する(閑散時間のみでもOK)。そのような、既存施設の部分改装・部分解放で十分だと僕は思います。

むしろ、仕事と関係ない地域イベントやスポーツなどのアクティビティを盛り込んだ押し付けがましい(そして忙しい人が仕事の顔で参加しにくい)ワーケーションイベントより、よっぽど気が利いていて利用者が助かると思います。
ワーケーターやノマドワーカー、仕事できる場所さえあれば後は勝手に散歩なりリフレッシュなりしますから。

今回の行程で考えると、諸崎港のフェリーターミナルがある諸崎港観光センター。2階の一部は、名鉄観光船の事務所が入居しているようですが、その他の大部分は使っていない様子でした。

マリンビューで景色も良く、飲食店も近くにあり、駐車場も完備で駅までのバスも走っているのに、もったいない!

ここのみならず、全国各地に環境が良いのにもったいない施設はたくさんあります。ワーケーション振興もかねて、解放してみませんか?

既存施設の部分解放ならば、たとえ利用者が少なくても失うものなどありませんから。
(これが立派なワーケーション施設を建てて、それ単独で収支を成り立たせようとするといろいろおかしくなる……)

4.最初は他都市の人たちが利用するための場所、でよい

とはいえ「そもそも地域にワーケーションやドロップイン・ワークの需要があるのか?」なる議論もあるでしょう。

東京などの大都市と比べても、東海エリアはワーケーションのようなカラフルなワークスタイルや文化が(まだ)浸透していません。

産業構造に起因する地域カルチャーによるところも大きいですが、そもそも場所がないからカルチャーが興らない/浸透しない部分も大いにあると僕は考えます。

また最近では東京などの他都市からの移住者やノマドワーカー、ノートPCを携えた出張者なども徐々に増えてきており、出先でのワークスポットのニーズは高まっているのは間違いありません。

この際、地域の人たちはいったんスルー(無視)~他都市からの来訪者だけをターゲットにしても良いのではないでしょうか。

実際、愛知県内のとある郊外都市では、地域を良く訪問する東京の大企業の役員の強いリクエストでワーケーションスポット(ドロップイン可能なワークスポット)が創られようとしているそうです。

三河湾の澄んだ海景色。こういう景色を眺めながら仕事する選択肢があっていい

まずは他都市の先進的な働き方をしている人たちの期待に応える→他地域の人がワーケーションする→そこに地域の人たちも加わる。
こうして、地域に新しい景色と文化を生んでいくのもありでしょう。
小さな地域の接点から、その地域を好きになり、多拠点居住やその地域の企業との副業をしたい人も増えてくるかもしれません。

僕もその東京の大企業の役員を見倣い、早速僕たちのホーム地域の行政の産業部 部長を訪問。中心駅の近くにドロップイン可能なワークスポットを創っていただくようお願いしてきました。即行動!

(現状、せっかく他都市の企業の人たち(エグゼクティブ含む)を地域に呼んでも、ワークスポット難民にさせてしまいいつも申し訳ないのです……地域の人が他都市の訪問者を自信をもってアテンドできる都市デザイン大事!本気で関係人口を増やしたいのならば)

さまざまなはたらく景色や、はたらく選択肢、成果の出し方がある。
そのカラフルさは地域の文化度を高めます。地域の文化度については、以下の記事でも発信しました。

帰り道。美浜町にて通りすがりのカフェにも寄り道しました。
BLUE OCEAN COFFEE
名前もイイですね。ブルーオーシャンを開拓するみたいな意味を感じます。

企業の新規事業創出担当者やイノベーターの皆さん、ワーケーションがてら寄ってみてはいかがでしょう(笑)

帰り道。美浜町のカフェに寄り道
推されるスイーツと推される部署

景色が変われば、組織(地域も)は変わる
はたらき方の景色、地域の景色、カラフルに変えていきましょう!