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あまね
2023年6月7日 11:20
一度だけ、深夜に泣き叫んだ時があった。どうしようもなく涙が出てきて、自分では止めることは出来なかった。瞼を閉じても、涙が頬を伝っていくのを感じた。顎まで滴って、やがてそれはカーペットが吸い込んだ。私の声は吸い込んではくれないのに。声を出して、鼻水を垂らして、汚い嗚咽を出して子供のように泣いた。高校1年生の秋だった気がする。 声をあげて泣いていたにも関わらず、私の頭ははっきりとしていた。どうし
2023年6月7日 21:29
ある雨の日。 疲れたと思った時に、じゃあどうすればいいのかと途方に暮れる。そんな時に、寄り掛かっても受け入れてくれる人が居るというのは、とても奇跡的で幸福な事だと私は思う。 雨の日は、無性に寂しくなる時がある。 雨は魔法だ。一気に気持ちを沈ませることができる。雨というだけで嫌になる日も多い。 だが、だからこそ、そんな時に気分を上げてくれるモノが存在しているというのは、と
2023年6月7日 23:34
私の右手の中指の第一関節にはペンだこがある。しかも大きめの。小学生の頃から、このペンだこがコンプレックスで、嫌で嫌で仕方がなかった。 姉からふと言われた言葉。 「ペンだこが無ければ綺麗な手なのに」。 それに嫌味は無いのだと思う。ただ見た感想だ。 雪を見て「雪だなぁ」と、風を感じて「風吹いてるなぁ」と思うのと同等だ。 だからこそ、その言葉は当時中学生だった私の心を深く抉り、傷付けた。