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鉱物備忘録

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今まで集めてきた鉱物についてただ語るだけのエッセイ。
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2020年2月の記事一覧

No.19 ダイオプサイト

No.19 ダイオプサイト



まるで力強い葉っぱのように、深く鮮やかなグリーンが特徴的なルースだ。曇りなく澄んでいるためそのグリーンがより引き立って見える。
ダイオプサイトは和名を「透輝石」という。その名の通り質の良いものは透き通るような爽快感があって大変美しいのだが、劈開が強く割れやすいためジュエリー用というよりコレクター向けの観賞用として人気が高い。
さて、話は変わるがダイオプサイトはグリーンというイメージが強い鉱物で

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No.18 アクアマリン

No.18 アクアマリン



傷やインクルージョンは少々目立つが輝きは十分。色は薄いがひんやりとした印象がある。アクアマリンとはラテン語で「海の水」という意味。このルースは「海!」という感じではないが、まずで水をそのまま石にしたような潤いがある。むしろこのぐらい色が薄い方が、水っぽくてひんやり感が強く味わえるから好きだ。
実はこのルース。同じ大きさのものを16個一緒にまとめて、お値段800円という破格で売られていたアクアマ

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No.17 オパール

No.17 オパール



エチオピアの虹の光沢が出ないオパールだ。
「あれ?オパールって虹の光沢が出ないものがあるの?」
と思う方も多いと思うが、そもそも虹の光沢が出るオパールの方が珍しく、この世の中で産出するオパールのほとんどが虹の光沢が出ない「コモンオパール」である。
しかしコモンオパールもなかなか乙なものだ。オパール独特のテラテラ光沢は他の鉱物ではなかなか味わえない。また、このオパールは透明感が高いので尚更テラテ

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No.16 スフェーン

No.16 スフェーン



渋いグリーンの味わい深いスフェーンだ。少し傷やインクルージョンがあるが、質が良くよく輝き美しい。
私は宝石の中でスフェーンが一番好きだ。
その魅力について解説すると、スフェーンは分散率が高くその力はダイアモンド以上、また屈折率もダイアモンドには劣るものの1.9~2.034とかなり高い。そのためダイアモンドとは異なる華やかな輝きがあり、上品で幻想的な美しさを味わえるのだ。
また、スフェーンはサフ

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No.15 ダイオプテーズ

No.15 ダイオプテーズ



透き通った青緑が爽やかな結晶だ。
一つ一つの結晶はとても小さく、大きいものでもエアガン用のBB弾ぐらいの大きさしかないが、見応えは十分である。ルーペで拡大するとキラキラとした幻想的な美しさを楽しむことができる。
ダイオプテーズは大粒の結晶になることが少ない。この原石は実物大で5センチほどなのだが、ダイオプテーズの標本としてとても良く立派な方である。
しかし、その点を除けば非常に美しい鉱物だ。硬

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No.14 グランディディエライト

No.14 グランディディエライト



世界三大名称ややこしや鉱物(非公式)の一つ、グランディディエライトのルースだ。
深海のような深い青が印象的で、小粒でも強い存在感がある。おまけに硬度も7.5と高いので宝石としても十分な素質を持った鉱物だ。
にもかかわらず、宝石として出回りだしたのはつい最近であるから不思議だ。
グランディディエライトが発見されたのは1902年と比較的最近で、宝石質のものは2014年まで発見されてこなかったのだ。

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