見出し画像

今日も世界の片隅で。 星の距離、双子の日。


『いつになったら、また会えるかな』


そんなことをぼんやりと考えてしまった自分は何だか

七夕に浮かれる織姫の気持ちが分かるような気がした。


君と会わなくなってから、どれほどの時が経っただろうか。

時の流れは永くて早い。


あんなにも居心地の良かった日々はあっという間に過ぎ去っていって

ほんの修行期間を終えた私への幻想のプレゼントだったのかもしれない、


人の気持ちは移ろうようで、そこに信念を持って立ち尽くしている。

君の存在に目が離せなくなってから、君を忘れたことはない、

日々の困難を乗り越えて、成長して、輝くように笑って。

どんどんと逞しくなっていく様を、いちばん近くでずーっと見ていられたら
どんなに良かっただろうか

と心苦しく思う反面、互いがあのまま離れずに側にいたら

永遠に時が止まるような錯覚に陥っていて何も変わらないまま

一寸先は闇の、ただの他愛もない、恋愛ごっこに興じていたと思う

あの時の君との時間は、甘ったるいパンケーキを当たり前のように好きだと
信じて疑わず、永遠に食べれそうだと勘違いするソレに似ていた。

でも、今こうして君のそばを離れてみてハッキリと分かった事がある

私たちは出会って、互いに気づくまでに時間がかかって、

とても、もどかしくも楽しいほんのひとときを過ごした。

だけれども、一度出会ったら、こうして離れざるを得ない運命。

互いの足りない部分を互いに補うのではなく、

個々が独立して、支える対の柱になるために。

これは神様が私たちに与えた猶予で試練。互いの成長のための時間なのだと思う。

昔どこかで読んだ文章。

会えない日が愛を育てるなんて、嘘だと思っていた。


そんな、私のあいまいで不安定な常識を覆したのは、他でもない君だった。


常識がないだとか、普通じゃないだとか、そんなんじゃ幸せになれないだとか

脈なしのサインとか、恋愛のルールとか、好きなタイプとか

そんな法則は、私と君の間では意味を持たない、ただのまやかしだ。


私たちが生きるこの世界は、毎日、ほんの少しの勇気と愛でまわっている。


星を見つけた時、ねえ見える、と声を掛けたくなるのは君で。

心で『今日も月が綺麗ですね』と呟いたら、
君もおんなじ空を眺めている気がしたんだよ。


今日も世界の片隅でぼんやりと君の事を考えていた。


明日も互いにとってよき日でありますように。心から願って。


#6月のエッセイ
#6月
#双子座の日

#詩

#星 #star
#poetry

#創作

#今日の短歌
#小説
#恋煩い

#戯言


《あとがき》

雨の音を聞いていると、落ち着きますね。
ソレはそうとして、星座占いみたいなの、よくあるじゃないですか。
私、あれすごく当たると思っていて。
今日は双子座の最後の日だったので
それっぽく夏っぽく仕上げてみました。

七夕とか、星にまつわる話がすごく好きで
人生で初めて天体望遠鏡を買ってもらったのは、小学三年生の夏でした。

あの頃から私は物語を書くことに興味を持っていて、
周りの子たちよりも、そういう小話や雑学や逸話にまつわる本を
読むことが好きだったように思います。


女の子がセーラームーンに惹かれるのは、そういう幻想的な話を
身近に感じられるからで、

ファンタジーの世界やゲームに没頭していたのも
時空を超える話が好きなのも、そこに一縷のときめきを感じていたからだと、

今振り返っても、その独特の世界観、煌めきと私の中のときめきの根源は
変わらないものだと思うばかりです。

大人になってから、そういう本や物語とは遠ざかるばかりで。
こうしてたまに書いてみたりすると、あの頃の私が顔を覗かせて
大事な気持ちに気付かされたりします。

大人になるにつれ、常心にファンタジーを飼うことが難しくなってしまいました、
その代わりにカメラを手に、その美しさを映したいと願うようになりました。
願わくば、文と共に遺したいと。

昔から、星も月もすごく好きなのに、近頃は外をゆったりと歩くことさえ忘れ
望遠鏡を覗いてないことに、空を眺めていないことにも気がつきました。
そろそろ久しぶりに、天体観測をしてみたいなと思う今日この頃です。

夏はすぐそこまでやってきている、そう思う2022年、双子座最後の日。

この記事が参加している募集

#今日の短歌

38,972件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?