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私の散財の証

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「祈りのかたち」 土偶 そして、布偶

「祈りのかたち」 土偶 そして、布偶



柿渋染め作家の冨沢さんの作品ですが、何とも可愛い布偶の少女。冨沢さんも縄文フェチで、倉敷で行われた作品展には彼女のミニコレクションである縄文時代の石器や道具のカケラも展示販売されました。そのとき譲り受けた石器は歴史の授業で生徒たちに一人一人握らせてやると、キャーキャー喜んでくれます。なんで持ってるの、先生?という質問に、好きだから、、日本の縄文時代がね、って答えます。

話が逸れてしまいました

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「祈りのかたち」 エチオピアの懐中聖書

「祈りのかたち」 エチオピアの懐中聖書

野町和嘉氏の写真集の中に「神よ、エチオピアよ」という素晴らしいものがある。1998年発行の古いものだが、彼の写真集は私の敬愛する土門拳氏の写真のように力強い。写真なのに紙上から迫ってくるようだ。見ていて息苦しくなる。そこが私は好きだ。

この本の前半には聖地、岩窟教会ラリベラとそこで暮らす修道僧や巡礼者を見ることができる。エチオピアの人々は容姿が美しい。白い布を纏った女性やターバンを巻いた男達、美

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ペルーの古布

ペルーの古布

最近、自分の物欲が少し薄れ大枚をはたいて何かを手に入れたいという欲望が消えてしまったように思う。それは良いことかどうか、老後のことを考えれば貯蓄も必要で、賢く生きねばと自分を戒めつつも、どうしても欲いというものに出会わない、探していないから?と寂しくもある。まあ、そんなことはどうでもよいが、一つここ数年でなんとかやってみようと思っているのが、今まで買い集めたモノや人から譲り受けたモノたちの目録づく

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贅沢な寺子屋の机

贅沢な寺子屋の机

子供に教えることを生業として長い年月が経つ。何百人という生徒たちが私を先生と呼んできたことに時に、震えがくるほどシンドくなる。私って先生と呼ばれるような人間ではないし、人との付き合い苦手だし、勉強だって好きではないし、と。でも、やはり好きなんだなあ、子供が、そして、教えることが。嗚呼、なんて矛盾。

この小さな机、私の大好きなギャラリーONOさんのところからもう10年以上も前にお越しいただきました

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womb なモノたち

womb なモノたち

使い古されたモノたちの美しさ。その個性はどれも違い、主張するモノ、ひっそりと佇むモノ、存在さえ忘れられたモノ。我が家に、それはそれは一際輝く奴らがいます。どちらもwombという岡山県倉敷市児島にあるお店からやってきました。

親友に初めて連れていってもらったときはずっと興奮状態。シャビーなモノは和洋どちらも大好きな私の心を鷲掴みにし離してくれないのです、饒舌なモノたちが。饒舌って表現おかしいですよ

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水滴というお道具

水滴というお道具

文房四宝、筆、硯、紙、墨。子供の頃からずっと通い続けた道場。子供には静かすぎる世界だった。何が良くて続けられたのかわからない。先生とそのお話が大好きだったこと、墨の匂いのする道場も好きだった。特に中学から草書を始め、その線の美しさと平安の文化に魅了された。中学、高校時代は展覧会に沢山の作品を出品した。決して上手ではなかったが、書くことが好きだった。母の援助のお陰で、高価な料紙をいろいろ使わせてもら

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35R

35R

岡山市の桃太郎通りに城下という子供の頃から親しんできた街がある。その名の通り城下町として栄えたのだろう。近くには弓之町という町があり、弓道場もまだ残っている。数年前まで35Rという雑貨屋が城下にあった。毎日その前を通るのだが、このお店の兄さんが変わっていて好きだった。私のことを姉さんって馴れ馴れしく呼ぶので、私も彼を35Rと呼んでいた。店に入ると話が弾みなかなか出られない、そんな客が好きだっていう

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