事業者の幸せとお客様の幸せ
テレビ番組の中でも好きで見ている番組が「オモウマい店」。
安い金額で美味しい料理が食べられたりとんでもない量のサービスを受けられたり。店主の面白い取り組みやお客さんとの関係が見て取れて、本当に面白い。
しかしながら、番組を見ているときに違和感を覚えた。
「安くするのが正義。事業者がギリギリの生活をしてまでお客さんの幸せを願うのが美徳」というニュアンスが結構含まれているんじゃないかなと。
オモウマい店に出てくる店主の多くが「お客さんのために」と心からの善意でサービス提供しているのは分かっている。店側が納得しているのであれば、第三者が文句を言う権利なんてないし、言うつもりもない。
僕がポイントとして挙げたいのは、見ている側の視点である。オモウマい店のサービスに慣れてしまうと、他の店からサービスを受けるのが難しくなるかもしれない。また、正規の値段であっても「なんて高いんだ。あの店(オモウマい店)を見習わないと」と理不尽に怒り出すケースも出てくるかもしれない。
少し話は逸れるが、本田圭佑のツイートした内容が話題になっていた。
このツイートを見て「お金稼ぎなんて悪だ。安けりゃ安いほどいいんだ」とお客さん視点で文句を言っていた人もいるだろう。
本田圭佑の場合、事業家でもあることから「このサービスの質(ラーメン)であれば2,000円を払う価値がある」と判断した。ラーメンが2,000円で販売されることは置いておいて、価値を正しく判断するという視点では本田圭佑が正しいと思う。
事業者(お店)には事業者の生活がある。今まで努力や経験を積み重ねてサービスを提供しているのだから、正当な金額を求める権利がある。
「お金を稼ぐなんて最悪。安くしてナンボでしょ」
この発想から脱却しない限り、事業の継続は難しいと思う。
仕事でやっている以上、正当な金額でサービス提供して、お客さんに喜んでもらうのが普通。「お金を取らず人を喜ばせたい」と思うならボランティアや趣味でやればいい。
価格破壊を起こしてしまうと、同業者にも迷惑がかかるし、どうしても値上げをしないといけないタイミングで値上げしづらくなってしまう。それだけ価格設定は難しいってことなんだけど。
まとめると
オモウマい店を否定するわけではない
見る側のリテラシーが試される
サービスには正当な価値で提供する
お金稼ぎは悪ではない、評価である
価格設定は難しい
こんな感じ。
テレビはどうしても“みんなが興味を持ちやすい場面”を取り上げがち。店主のリアルな生活はなかなか取り上げてくれない。
一部の場面を見てどう捉えるのか。「面白い番組だな」と思いつつも自分の意見や考えは筋を通すようにしたい。
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