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秋の味覚・きのこのお話 ☆ 万能きのこソテーを作り、 オムレツ、パスタにも活用しましょう!

きのこ(Funghi)
通年、流通しているきのこ類ですが、やはり旬は、秋。
今の季節が、さらに、美味しくなります。
イタリアでも、ポルチーニ(Porcini)、オーヴォリ(たまご茸:ovoli)等、
高価なものも含めて、様々なきのこが食べられています。

今回は、とても簡単!そして、とても便利な「きのこのソテー」を
ご紹介します。
もう一品、欲しい時に、あっという間に作れてしまう副菜です。

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きのこのソテー
(Funghi saltati  / Sauté di funghi)


この一品は「ソテー」だけでは、終わりません。
厨房でも、作り置きをして、様々な料理に活用していました。

そのまま、前菜の盛り合わせに添えたり、パンにのせたり。
特に、オムレツに加えたり、パスタソースにして活用していました。
これが、また、美味しいのですよね。
時々、賄いで出てくると、嬉しくて、嬉しくて。

ソテーの作り方、そして、オムレツ、パスタソースを仕上げる方法、
また、きのこの保存方法についても、書いていきます。

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前菜の盛り合わせ
(Antipasto misto)

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トマトときのこのブルスケッタ
(Bruschetta con pomodoro e funghi)

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きのこのオムレツ
(Frittata con funghi)

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きのこのフェデリーニ
(Federini ai funghi)


それでは、作っていきましょう。

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☆関連・おすすめレシピ & 記事


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きのこのソテー
(Funghi saltati  / Sauté di funghi)

【 難易度 】★☆☆☆☆
【 調理時間 】 約 15 分

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材料

【材料】(出来上がり量:約100g)

☆きのこのソテー (出来上がり量:約100g)
          きのこ類        約150g
            (しめじ、舞茸、エリンギ等、お好みのきのこ)
          にんにく         5g
          オリーブオイル    大さじ1/2
          白ワイン         50ml
          オレガノ(乾)    小さじ1/4
          塩     ひとつまみ(約1g)

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オレガノ(乾)、    きのこ

「きのこと言えば、オレガノ」というほど、
このふたつの組み合わせは、相性抜群、お薦めです。

オレガノの代わりに、パセリ(乾)で代用してもOK。
フレッシュハーブを使う場合は、
オレガノ(生)、イタリアンパセリ(生)が良いでしょう。

【作り方】

① きのこ類(約150g)は、石づきをとり、小分けにする。
  にんにく(5g)は、芽を取る。

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きのこ準備OK


② フライパンに、オリーブオイル(大さじ1/2)、にんにくを入れて
  火にかける。
  きのこ類を入れて、しっかり焼き色がつくまで炒める。

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きのこは、水分が多い野菜です。
ここで、しっかり炒めて、水分を飛ばし、旨みを凝縮させましょう。


③ 白ワイン(50ml)を加えて煮立たせ、アルコール分を飛ばしたら、
  オレガノ(乾:小さじ1/4)を入れて、香りづけをする。
  水分を飛ばしてから、火を止めて、塩(ひとつまみ:約1g)を加え、
  味を調える。

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味を調えて出来上がり


☆保存する場合

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保存する場合

冷蔵庫で4~5日保存できます
空気に触れない方が良いので、ジップロックなどの保存袋に入れるか、
保存容器に入れたら、ラップで落し蓋をしてから、蓋をしましょう。


☆きのこのお話

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きのこ類


鮮度が落ちやすく、できれば購入した日に使い切りたい「きのこ」。

でも、旬の秋には、価格が安くなったり、大袋や、セットで売られていることも多いので、思わず手が出てしまいます。
こんなに使い切れないのに…と、思っても、大丈夫。

その時は、冷凍保存ができます。

実は、飲食店でも、炒め用きのこは、冷凍保存していることが多いのです。
水分が多いきのこ類は、冷凍することで、組織が壊れます。
そして、加熱時に、その水分が流れ出やすくなり、その分、旨みが凝縮して残りやすくなります。

安価の時に、大量に仕入れて、冷凍庫保存。
その後、使用する3~4日分の「きのこ炒め」を作り、料理に使用する、と、いう感じです。

☆ 冷凍方法&調理のポイント ☆
➀ きのこは、風味が悪くなるので、洗わない。
② すぐ、使用できるように、石づきを取り、小分けにしておく。
③ 保存袋などに入れて、冷凍庫へ。 (冷凍庫保存は、1ヶ月程可
④ 使う時は、カチコチの凍ったまま、加熱調理する。
   ※ 解凍してしまうと、ベタベタになるので冷凍のまま調理のこと。

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石づきを取って、ほぐしたきのこ類
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保存袋に入れて、冷凍庫へ


是非、この時期に、きのこを美味しく保存、調理していきましょう。

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【きのこソテーを使った料理】

1)前菜&付け合わせ、ブルスケッタに

きのこのソテーをそのままでも、美味しく頂けます。

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前菜の盛り合わせ
(Antipasto misto)

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トマトときのこのブルスケッタ
(Bruschetta con pomodoro e funghi)

焼いたパンに、にんにくを軽く擦り、香りづけ。
後は、刻んだトマト、きのこのソテーをトッピングして、塩、オリーブオイル等で味を調えたら、出来上がりです。


2)きのこのオムレツ

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きのこのオムレツ
(Frittata con funghi)

作り方は、簡単。
基本の、オムレツの卵生地に、きのこのソテーを加えて、焼くだけ。
工程を、簡単に説明します。
また、より詳しく書いてある下記の記事も、参照ください。


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材料

【材料】(直径20cmフライパン・1台分)

 きのこのソテー  100g
 パンチェッタ     20g (ベーコンでも、代用可)

★ 卵液  卵   4個(約200~250g)
      パルミジャーノ    大さじ1
      パセリ(乾)       小さじ1/2
      塩              ひとつまみ(約1g)
          ★ 牛乳溶き片栗粉
       牛乳      大さじ2(30ml)
       片栗粉      小さじ1
 
オリーブオイル    大さじ1

☆用意する器具

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直径18~20cmのフライパン、蓋
フライパンよりも、ひと回り大きい、平皿(写真は、直径26cm)


【作り方】


  1)材料の準備

➀  パンチェッタ(20g)は、みじん切りにする。

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パンチェッタについては、下記、記事をご覧ください。
ベーコンでも、代用可能です。


②  卵液を作る。

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卵液の材料


卵(4個:約200~250g)
を、ボールに、割り入れる。
パルミジャーノチーズ(大さじ1)、パセリ(乾)(小さじ1/2)
塩(ひとつまみ:約1g)を加えて、フォークで混ぜ合わす。

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牛乳(大さじ2:30ml)に、片栗粉(小さじ1)を加えて、
よく混ぜ合わせて、水溶き片栗粉ならぬ、「牛乳溶き片栗粉」を作り、
卵液に加え、きのこのソテー(約100g)も合わせておく。

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準備OK


  2) オムレツを焼く

➀ フライパンに、オリーブオイル(大さじ1)を入れて、火にかける。
  オイルが温まったら、パンチェッタを加えて、炒める。
  火加減は、フライパンから、はみ出さない程度の中火。

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② 卵液を加えたら、木べらで、全体的に混ぜながら、
  さらさらしている卵液が、トロっと、半熟になるまで、火を入れる。
  半熟になったら、混ぜるのを止めて、底の卵を、焼き固める。
  この時に、縁(周り)の、はみ出した卵部分を、木べらで、
  整えておくと良い。

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③ 焼き色が付いたのを確認したら、一旦、火を消す
  用意したフライパンよりも、ひと回り大きい平皿を、フライパンに
  被せて、ずれないようにして、一気に、上下を、ひっくり返す。

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ひっくり返した様子


④ 平皿に取ったオムレツを、そのまま、フライパンに、スライドさせて
  移し入れる

  再度、火をつけて、裏側を焼く。
  裏側も、焼き色がついたのを確認したら、蓋をして、火を止める。
  そのまま、5分程、フライパン内の余熱で、卵に火を通し、仕上げる

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火を止めて、蓋をして、5分程。
余熱で火を入れる様子


⑤ まな板に移して、切り分けて、器に盛る。

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切り分けた状態


☆お好みで、野菜類を添えて、お召し上がりください。


3)きのこのフェデリーニ

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きのこのフェデリーニ
(Federini ai funghi)

きのこのソテーをフライパンに入れて、パスタの茹で汁を加えて、
茹でたパスタと煮絡ませるだけ。
賄いパスタでもあります。

【材料】(2人分)

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材料

きのこのソテー   約100g

フェデリーニ     100g
     (粗塩:パスタを茹でる用 湯に対して1.25%)

      お好みで、パルミジャーノチーズ、オリーブオイル(EV)


今回は、「ディ・チェコ(De Cecco)」のフェデリーニ(Fedelini)を使います。

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フェデリーニ(Fedelini)
太さは1.3~1.5㎜前後で、スパゲティ(1.7~1.8㎜前後)よりも、
やや細めのロングパスタです。

日本では、定番のスパゲッティに圧倒されて、
あまり登場機会がないですが、
イタリアでは、本当に良く使用されるパスタのひとつです。

特に、オイル系、トマト系ソースと合わすことが多く、
また茹で時間も短いのも、特徴で、
あっという間に、パスタ一品仕上げることが出来ます。
(ディ・チェコは、アルデンテ仕上げで、茹で時間4分)

私も、イタリアで食べて大好きになり、
今では、このフェデリーニと、リングイネが、常備パスタとなっています。

【作り方】

➀ 熱湯を用意し、粗塩(熱湯に対して、約1.25%)を加え、塩味を確認。
  「うん、塩水、美味しい!」まで、調整しながら、塩味を調える。

塩の量は、使用する塩の種類によっても変わってきますし、
季節や、その時の体調によっても、塩味の感じ方が変わってきます。
その都度、塩味を確認して、調整しましょう。

  フェデリーニ(乾:100g)を入れて茹でる。
  トングでほぐし、フェデリーニが全て、湯に浸かったら、強火にし、
  ここから、茹で時間スタート。
  ふきこぼれないように、気をつける。

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② フライパンに、
  きのこのソテー(100g)、パスタの茹で汁(お玉:2杯分・約100ml)
  
を入れて、弱火にかける。

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③ 茹で上がったフェデリーニを、ザルに上げ、水気を切ってから、
  ソースに加え、強火にし、トングで全体をよく混ぜながら、
  よく煮絡ませたら、出来上がり。

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ソースを煮絡ませて、出来上がり


器に盛って、お好みで、チーズ、オリーブオイル(EV)をかけて頂く。


☆ オイル系のパスタの詳しい作り方、ポイントは、こちらをご覧ください。


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いかがでしたか?
是非、この秋に、きのこのソテーをマスターして
色々なお料理に活用してみて下さいね。


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