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「いのち」について語ること

こども未来プロジェクト  ~いのちと向きあう春~

2008年にテレビ取材を受けた事がある。
以前記事にした 勢いで作ったホームページが、たまたまプロデューサーさんの目にとまりお声を掛けて頂けた。

真翔に色々なことをしてあげたい。
早くお薬ができて痒みがなくなればとか、少しでも多くの人に「アラジール症候群」のことを知ってもらって治療法が確立できればとか、ずっとずっと一緒に真翔のそばにいてあげたいとか。
 そういったことを少しでも叶えるためにこの取材が大きな一歩となればと思い取材をお受けした。

内容は、当時から社会問題である「いじめ」や「虐待」「自殺」、多くの「いのち」の問題について、高校生たちとディスカッションする番組。VTR出演で、真翔の日常を伝えながら、「親の想い」を伝えさせてもらった。
(今考えるとゲストコメンテーターが凄い人ばかりだった。)

 番組出演を通し、改めて真翔と向き合い、「いのち」と向き合い、色々と考えることができた。
難し過ぎる問題で当然答えが出ることも無く・・・
でも、自分の気持ちを少しまとめる事ができたような気がする。

「いのち」

「いのち」を大切にするために医療が進歩・確立し、その反面「いのち」に対する意識・重みが軽くなってきているように感じる。
「いのち」を生む「出産」。今ではリスクが少なくなり、死を伴うなど考えられなくなってきているが、母親は命をかけ子供を産んでいる。
十月十日大切に大切にお腹の中で育て、命をかけ想像を絶するような痛みに耐え出産をする。
その間に親は色々な苦労をし、子供に出会える事を待ち望む。だからこそ子供が生まれたときに大きな喜び・幸せがあるのだと思う。

子が親にする初めての親孝行かもしれない。
「産んでくれなんて頼んだおぼえがない!」なんて言葉を親に言っている子がいる。
 我が子達も大きくなり思春期ぐらいになると言うのだろうが、赤ちゃんの時にはみんな生命力に溢れていて、生きたい、生まれたいと願っていると感じる。
それはお母さんのお腹のなかにいるときから・・・

お母さんやお父さんもその気持ちに応え、生かしてあげたい、産んであげたいと思い、出産があるのだと思う。

「いのち」それは自分にとって生まれてきた時から当たり前に持っているもので、その重みや大切さを忘れてしまいそうになる。悩んでしまったり、行き詰ってしまうとなおのこと。
しかし、あなたが当たり前のように持って生まれてきたその命には、あなたが思っている何十倍、何百倍もの想いが込められていて、決して軽いものではなく自ら失ってはいけない大切なもの。
あなたのその命に励まされ、勇気付けられ、頑張れる人がいる。
親・きょうだい・友達 周りをもう一度見て欲しい。感じて欲しい。命は勝手に生まれてこない。一人だけでは大きく成長することができない。命は一人だけのものではない。みんなの愛のこもった、大切な大切な宝物。

真翔が生まれてきたときの喜び・幸せを忘れることなく、真翔のいる今の時間を大切に大切に過ごしていきたい。

真翔との生活の中で、
普段の生活の中で大切な事を見逃していたことを知り、何気ない生活の中に大きな喜び・幸せを感じれるようになった。
普通に歩いていれば気づかなかったこと、立ち止まるとそこには小さな花が咲いていたり、見上げると大きな青い空があったり。それだけで少しいい気分になる。
 それは真翔の病気がわかって、命の大切さに改めて気付かされたからだと思う。
まわりの子たちと比べるとできないことが多かったり、時間がかかったりするかもしれない。
大きくなって他の子に比べて悩みが多くなるかもしれない。
 でも時間がかかった分、できた時の喜びは大きく、日々の生活の中で真翔の変化・成長に大きな喜びを感じ、幸せを感じる。

 綺麗事に聞こえるかもしれないけれど、僕の本音!
そして、知って欲しい事はもう少しあって・・・
こう言ったTV出演や、現代のSNSの発信をすると良く思う人ばかりではない事。
 違うカタチで苦労されている方もいるので、僕の発信が受け入れられない方がいるのも理解し、発信を躊躇う事もある。でも、自分の想いを伝える事の大切さも理解しているつもり。
 でも本当に辛い事は、冷やかしなのか?理解出来ないからなのか?否定的なメッセージを頂く事。
TV出演して多くの応援メッセージを頂き、多くの感謝と、頑張らなければいけない!自分の「想い」を信じたい!と、思えた反面・・・。否定的なメッセージも多く届き、そんなメッセージが届くと周知したいけれど、周知出来なくなるやん!本当にやめて欲しい!と思った。
「そんなこどもの姿を映す、親の気持ちがわからない」「治療法が確立されていない。余命宣告。もう諦めるしかない!諦めたら?!無駄な事や!」や、「もう死ぬしかないな」などなど、気持ちをえぐられるメッセージが届く。
 病気の告知を受けた時の僕の精神状態であれば、本当に病み、どういった行動をとっていたかはわからない。
 でも、多くの出会いがあり、看護師の一言があり、真翔の日々の頑張りを知った僕はそのメッセージに返信していた。「親になったらわかるかも知れないが、諦められない事もある!だから諦めたくない!」や「無駄な事なのかも知れないが、諦められない「親の想い」がある!」や、「顔を出すリスクは理解していても、伝えたい事がある!」
 そして、「どんなメッセージであっても、反応してもらった事=1人でも多くの方に【アラジール症候群】の事が届いた喜びを返信した。」
 そんな事が出来るくらい、10万に1人の難病と向き合う事、我が子を愛し続けること、信じ続ける事が、大変だったのだと今改めて思う。

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