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2019年1月の記事一覧
ようこそ、ユーシャルホテルへ!③
「おはようございます、イルジ様。杖はこちらにお預かりください」
声が若い女給仕が出迎えてくれた。
「どうも」
声がする方向に杖を差し出し、目を覆う布を取った。やはり距離感がおかしい。結局私は初心に戻り、鍛えた聴覚と嗅覚、そして杖を頼りに、食堂に辿り着けた。取り戻したばかりの視力は暴れ馬のようで、私の体力を奪て行く。私は心を強くし目眩に耐えた。これ以上に無様を晒すと、東部を轟かす恐るべき魔
ふたりはPre-cure【エピローグ】
帰りの電車で、深友はスマホをいじる気力すらなく、ただ席にもたれ込み、Pre-cureの二人からもらった名刺を眺めて、今日起きたことを反芻していた。
『これでおれたちの任務は終了だ。お大事にな』
『ま、待ってください!鈴さ……あの女がまた来るって言ったよね?俺はこれからどうすればいいの?』
『現実的に言うなら、引っ越して、携帯番号もSNSアカウントも全部新しく作った方が良いだろう』
『そん