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人と比べない、自分を責めない、焦らない。

一週間ぶりに外へ出た。すっかり季節は進み、いつの間にか春が濃くなり始めていた。

ほとんど外に出ず、引きこもっていた。生理という(ある意味)出血大サービスイベントによって、体調は最悪オブ最悪。ロキソニンと布団とお友達。布団にくるまりすぎて、巻き寿司になりそうだ。

私は今、子宮内膜症の治療をしている。生理痛が重くなり始めたのが中学3年生ごろ、子宮内膜症と診断されたのは19歳。なので、「生理痛」とはかれこれ15年以上のお付き合いである。
子宮内膜症という病気は、生理がくるたびに進行していく病気だ。「子宮内膜」という組織が、お腹やら卵巣やらいろんな臓器に飛びまくって、生理がくるたびにそこで出血して炎症を起こす。なので、めちゃくちゃ痛い。
放っておくと腫瘍化したり悪性化する可能性もある。一度なってしまったら、生理がある限り治らない。ものすご〜く怖い病気なのだ。なのに、知らない人が多い病気でもある。でも、早めに対処すれば防ぐこともできる病気だったりする。だから、生理痛があるならすぐに病院に行くことが大事なのだ。

私の場合は、卵巣、腹膜(お腹の内側の膜)、ダグラス窩(直腸と子宮の間のとこら辺)に子宮内膜が飛んで、生理がくるたびに炎症を起こし、臓器が癒着してしまった。この癒着が原因で座ることができなくなった時期があった。仕事ができなくなってあえなく退職。癒着を剥がす手術を2019年にして、今はいつでもどこでもいくらでも座れるようになった(いつでもどこでもといっても、一応場所は選びますよ)。今やヨガのポーズを取れるくらいにはなっているんだから、ありがたい話だ。

生理がくるたびに炎症が起きちゃうもんだから、なるべく生理の頻度を抑えたりコントロールすることが大切なのである。なので、低用量ピルは治療薬として効果的で、私も非常に助けられてきた。
19歳で子宮内膜症と診断されて以来、さまざまな薬を飲んできた。ルナベル、ヤーズ、ヤーズフレックス、ディナゲスト、漢方薬などなど。
同時期にPTSDによるうつ状態にもなったので、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠導入剤なども飲んできたので何種類の薬を飲んできたのかは数え切れない。お薬手帳も5冊くらいある。

薬が合うか合わないかは、飲んでみないとわからない。時には、薬の影響で仕事に支障が出ることも多々あった。そうしたらまた、別の薬を試すしかない。まるで人体実験。薬が合えば、生きる希望が湧くし、合わなかったら絶望の淵に立たされる。大変ですよ、そりゃもうね。

昨年12月まで飲んでいた「ヤーズフレックス」は私の体には合っていなかったので、「ジェミーナ」という薬を今試しているところだ。
この薬は、77日間飲み続けて7日間休薬→また77日間飲む…というサイクルで服用する。この薬は合っているようで、体調はなかなか良かった。PMSによるメンタルの不安定さや自殺念慮が全くなくて、ゆるやか〜に生理期間に入った感じだった。

だが、この7日間の休薬期間が悪夢なのだ。薬を休む=生理が来るのである。そう、生理痛との再会だ。久しぶりだな!

ただ、痛みを緩和してうまく付き合うことはできる。
とにかくお腹を冷やさないことが大事。白湯を飲んで内側から内臓を温めつつ、腹巻き&お腹のカイロ。これでかなり痛みが和らぐ。
ちなみにお腹のカイロは「めぐリズム 蒸気の温熱シート」を愛用している。これを貼るとじわ〜とお腹が温まって痛みが和らぐので、おすすめ。

それから、早めのロキソニン。痛みが出始めてから飲むと、なかなか効きにくいので「痛くなりそうだな」と思ったらぶっ込むのが大事なのだ。これは主治医にも教えてもらった方法。
(私は1日に4回飲まないと生活できないので、何か他に方法はないものか色々探している)

そして、寝る前に下半身の巡りをよくするヨガストレッチをするのも効果的だ。私はしんどいなかでもこれだけは毎晩やっていた(もちろん、できるところまででOK。無理は禁物でっせ)。
これをすると、かなり楽になるし、翌朝に痛みと共に目覚めることもなくなった。

https://www.youtube.com/watch?v=F0nFI0X9NSc

(ことあるごとにヨガをすすめる人になりつつある…笑)

そんなこんなで生理痛による不調をやり過ごしている時に始まった、WBCの準決勝(日本VSメキシコ)。これで勝ったら、決勝進出!というドキドキハラハラの試合だ。
試合は朝7時半ごろから。もちろん起きられるはずもないので、録画して楽しみにしていた。見ている間に選手の名前も野球用語もだいぶ覚えた。すっかり野球ファンである。

昼過ぎにもそもそと起床。ネットニュースやテレビでうっかり結果を見ないように細心の注意を払いながら、録画を再生。
一球一球に一喜一憂して、メキシコに3点奪われた時は「あーーーー!」と叫んだ。日本が逆転した時も叫んだし、さらにメキシコが点を奪った時も叫んだ。逆転サヨナラ勝ちした時はもちろん大叫びした。気づいたら一緒に見ていた母と両手を合わせてジャンプしていた。大興奮だ。終始叫んでいたので、今ちょっと喉が痛い。
気づいたら、ちょっと涙が出ていた。まさか自分が、スポーツ観戦で涙を流す日が来るとは。
WBCってなに?と言っていた自分が、「え〜野球ぅう?全然興味な〜い。チャンネル変えてよ〜」と文句を言っていた自分が、こんなにハマるとは思ってもいなかった。

いざ見てみたら、たくさんのドラマが詰まっていた。選手たちがこれまで血が滲むほどの努力をしてきた軌跡が、結集していた。文字通り、チーム一丸となって支え合って最後まで諦めずに戦う姿に、心が揺さぶられた。安直な言い方しかできないけれど、感動したのだ。
自分と同世代の選手や、はるかに若い選手たちが世界で活躍している姿を見て、勇気をもらった。私も頑張ろう、と奮い立たされたのだ。
まっすぐに、ひたむきに何かに取り組んでいる人の姿は、周りに勇気を与えるのだろう。時には、活躍している人たちの姿は眩し過ぎて、直視するのが辛いこともあるけれど。人は人、自分は自分。

応援してアドレナリンが出たのだろうか、唐突に「外に出よう」と思った。近くの公園まで散歩へ行くと、河津桜はすっかり葉桜になって、白木蓮は満開を過ぎて散り始めていた。
交代するように雪柳やハナニラが満開で、緑が濃くなり始めていた。すっかり季節は進んでいた。だけど、不思議と焦りはなかった。選手たちの勇姿に、春の芽吹きに、私も一歩ずつ進んでいこうと思えたのだ。

子宮内膜症と適応障害という二つの病気を治療してきて思うことは、「しない」ことの大切さ。

人と比べない、自分を責めない、焦らない。

体調が思うようにいかないことなんて山ほどあるし、外に出たくない時もたくさんある。今までのように社会に出てバリバリ働くことはたぶん無理だけど、それでいいのだ。私は、私なりの生き方をしていこう。
ここまでよく頑張ってきたよ。
だからこれからは、自分が大切にしたいことに正直に、直感を信じて生きていこう。

そんな決意をした、春分の日だった。
(投稿時間過ぎて22日になっちゃったけど、気にしなーい、気にしなーい!笑)

星みたいな、ハナニラ。

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