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身の回りの短歌。#今日の短歌

 最近出かけることが多かったり、世の中の急激な変化の展開に意識を奪われる時間が多かったり、気が付けば、身の回りに意識を向けることが少なくなっていた。
 短歌も、5月に作った「バラの輝き」で毎月近くの旅に出かけたり、ずっと前から続いている同人誌の「淵」に投稿したり、毎月の近所の友達との集まりや、隔月の別の会の集まりや、何やかや忙しい。
 でも、身の回りには日常がある。ベランダの植物が水をやらなかったら枯れかけていることや、気が付いたらインターネットで、いつものお店での衝動買いに落ち込んでいる自分がいたり、歳を重ねて気が付く自分の体調のことや、突然舞い込む義兄の病気のことに慌てたり、幼稚園時代からのお友達からの連絡や・・四方八方からの関係性の中で、私たちは生きているというか、埋没しているというか、改めて思い返す日々が続いています。

 ということで、今回は、身の回りの短歌です。

お友達がガレージで育てたブドウを毎年送ってくれます。

① 友人がガレージで作る葡萄なり今年もたくさんありがとう
② 見た目にはさすが不揃いだけれども手塩にかけた愛ある葡萄

芽が出たジャガイモをベランダの隅の鉢に突っ込んで置いたら、そのうち葉がこんもりと茂り、それも放置して置いたら、いつの間にか枯れて数か月、やっと今日掘り起こしてみたら、栄養がなかったのか、本当に本当に小さい、鳥の卵かと思えるほどのジャガイモが出てきた。こんな小さくきり育たなくて可哀そうだったと思う。でも、生命いっぱい生きたのだろう。
果たして、これ食べていいものだろうか?

① 小ささに鳥の卵かと見まがえりジャガイモの実の必死の生命
② 鉢の中ジャガイモコロロ顔を出す食べて良きかと迷う健気さ

長月になり、また歳をとったと実感する。そしていつも人生を振り返る。
いつものことなのだけれど・・。

① 長月の涼風やっと吹きくれば嬉し悲しき歳重ねけり
② 体調と話しかけつつ行くこれからの心は青春衣装は派手に
③ かけ抜けし生きざま思う長月の残れる月日よ貴重なるかな


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