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【空き家の現場で16年】肌で感じたいろいろな変化とこれからの事 その2

割引あり

少子高齢化と人口減少が加速する中、空き家関連ビジネスが盛り上がっています。
ところで今、社会問題になっている空き家をつかって新しい事業や収入の柱を作りたいと考えているあなたに聞きます、「土地白書」※って知ってますか?

最近は、空き家管理や空き家活用の分野に葬儀屋さんやタクシー業界、運送業やガス・水道などのインフラ事業者からの参入が進んでいます。

https://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1229690_2558.html

いずれも今あるリソースや、これまでに培ってきた地域の隅々までわかっているノウハウがそのまま使えます。



日本郵便が、試験的に「空き家の見守りサービス」を行うというのもまさにこういった流れですね。

また、ゲストハウスの運営をされている方がいい物件に出会うきっかけづくりとして空き家管理を並行して行うケースもあります。

・初期投資をなるべく少なく、空き家や空き地を使って収入の柱を増やす
・本業に負担がない形で、身近な空き家を活用して副業をめざす
・本業の建設業や不動産業などにレバレッジが効く形の新規事業を起こすこ  とで売り上げの安定を目指す

には、まず日本の土地や住宅がどのような現状で、今後どのようになっていくのか、大きな流れでいいので知っておく必要があります。

※土地白書は、土地基本法(平成元年法律第 84 号)第 11 条第1項及び第2項の規定に基づき、 土地に関する動向及び政府が土地に関して講じた基本的な施策並びに土地に関して講じよう とする基本的な施策について、毎年国会に報告しているものです。

以下は、2017年5月のメルマガで書いた記事ですが、この年の土地に関する動向では、地価が上昇基調で推移していることや、首都圏における中古マンション成約数の増加・オフィス市場が堅調であること等について報告されています。
この数年後、コロナウィルスの影響が日本全体の土地、建物、オフィスに大きな影響を与えるとは想像もしていませんでした。

土地白書は、土地基本法に基づき、土地に関する動向及び政府が土地に関して講じた基本的な施策並びに土地に関して講じようとする基本的な施策について、毎年国会に報告しているものです。 先日平成 29 年版の土地白書が閣議決定されました。概要は以下の国土交通省のプレスリリースのとおりです。  本白書は、「平成28年度土地に関する動向」と「平成29年度土地に関する基本的施策」の2つに分かれております。  「平成28年度土地に関する動向」では、地価が上昇基調で推移していることや、首都圏における中古マンション成約数の増加・オフィス市場が堅調であること等について報告しております。加えて、物流施設や宿泊施設等の成長分野による新たな土地需要を踏まえた土地利用状況を取り上げるとともに、近年増加している空き地等の現状と課題について、自治体や空き地所有者へのアンケート結果、全国で取られている活用方策の事例等を踏まえて報告しております。また、平成28年度に政府が土地に関して講じた施策について記述しております。  「平成29年度土地に関する基本的施策」では、平成29年度に政府が土地に関して講じようとする基本的施策について記述しております。   詳細はhttp://www.mlit.go.jp/report/press/sogo23_hh_000074.html をご覧ください。

空き家管理士協会メルマガより


その土地白書の令和4年度版が公表されています。

国土交通省プレスリリースより


土地白書は、第1部から第3部までの構成となっています。
 ○ 第1部第1章では、令和3年度における地価を始めとする不動産市場等の動向や、土地問題に関する国民の意識調査結果等を報告しています。 第1部第2章では、人口減少社会における所有者不明土地対策等の取組状況や、今般の所有者不明土地法の改正と関連施策の動向について報告しています。
○ 第2部では、令和3年度に政府が土地に関して講じた基本的施策について報告しています。
○ 第3部では、令和4年度に政府が土地に関して講じようとする基本的施策について報告しています

国土交通省プレスリリースより

まさに日本の土地・住宅問題の今と未来が描かれている重要な文章です。
今回僕が1部から3部まで全154ページに及ぶ資料を読んだうえで、空き家ビジネスに関係ある部分を抜粋して皆さんにお伝えしたいと思います。

順番等前後する部分はありますがご了承ください。

1 空き家数と空き家率の推移

総務省「住宅・土地統計調査」によると、平成30年の空き家は、平成25年と比べ、約29 万戸増加し約849万戸となっている。また、総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は 13.6%で、平成25年から0.1ポイント上昇している。 空き家の内訳をみると、「賃貸用又は売却用の住宅」が約462万戸、別荘などの「二次的 住宅」が約38万戸、「その他の住宅」が約349万戸となっており、平成25年と比べると、「賃 貸用又は売却用の住宅」が約2万戸増、「二次的住宅」が約3万戸減、「その他の住宅」が約 31万戸増となっている(図表1-3-22)。

一見緩やかな増加曲線に見えますが、2030年には空き家の数が増加する可能性が高いと指摘されています。
野村総合研究所の調査では、2030年には30%台に上回ると予測されています。まさに3軒に1軒が空き家状態になるのです。

令和4年度土地白書より

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