レゲエと宗教の⭐︎ふか〜い関係⭐︎
前回お話した、ジャイナ教、生命を守るために、私たちから見ると、とても厳しい「お食事の要件」があることを、お話しました。
とはいえ、制限された環境の中で創意工夫して、見た目も華やかで、とても美味しそうなお料理の数々に、驚かれた方もいらっしゃったのではないでしょうか?
(スーパー厳しいお食事の要件なのに、とっても美味しそうなお料理がズラリ!はこちら↓)
これでも、かなり簡略化してご紹介してきたのですが、宗教の奥深さと複雑性に、1回では終わらないお話もあり
いつまでこのシリーズを
書き続けるんだろ・・
と、エンドレス感に焦りもしましたが(汗)、いよいよラスタファリアリズムで最終回を迎えます。
そしてこのラスタファリアニズム、これまでご紹介してきた宗教とは違って、宗教と区分する場合と政治運動と区分する場合とがあります。
そのため、宗教の「お食事の要件」として記事にするかどうか、迷ったのですが、ブリタニカ辞書には宗教として紹介されていることから、宗教の「お食事の要件」としてご紹介します。
ラスタファリアニズムは、音楽やファッション、アートのイメージがあまりにも浸透しており、宗教であることが、あまり知られていないかもしれません。
そのため、今回は、本題の「お食事の要件」をご紹介する前に、ラスタファリアニズムについて、少し触れておきます。
あなたがレゲエ・ミュージックのファンなら、ぜひ気軽に読んでみてくださいね (^_-)-☆
そして、あなたがレゲエ・ミュージックに興味がない場合でも、雑談ネタとしてお楽しみください (^_-)-☆
ラスタファリアニズム
ラスタファリアニズム(Rastafarianism)は1930年代にジャマイカで生まれました。
その教義はキリスト教(プロテスタント)、神秘主義、汎アフリカ主義(アフリカ系の人たちの解放と連帯を訴えた思想)などが織り交ざっており、宗教とも政治運動とも理解されています。
ラスタファリアニズムが宗教とも政治運動ともいわれる理由について、少し触れます。
まず、政治運動とされる理由は、ジャマイカの政治運動家である、マーカス・ガーヴェイが起こした黒人民族主義運動の中で、
「アフリカの黒人の王が戴冠するところを見よ、彼が救世主となるだろう」
と、スピーチ(予言)をしたことにあります。
このスピーチ後まもなく、エチオピアでハイレ・セラシエ1世がアフリカ(エチオピア)の皇帝に即位しました。(この人↓)
このため、ハイレ・セラシエ1世は、マーカス・カーヴェイの予言の体現者として、ラスタファリアニズムでは黒人の神と崇められ、それがきっかけで、政治運動から宗教に発展していきました。
そして、ハイレ・セラシエ1世の爵位である「ラス(エチオピアの公爵)」と彼の初名である、「タファリ・マコンネン」を組み合わせて、ラスタファリアニズムと名付けられました。
現在、ジャマイカをはじめとした、カリブ海、アフリカ、アメリカ、イギリスなど世界中に100万人以上のラスタファリアニズムの人たちがいます
ファッションやアートの世界でも大人気!
ラスタファリアニズムのフラッグ(旗)は、ライオンがシンボルとなって真ん中に鎮座しており、グリーン、ゴールド(黄色で代用される場合あり)、レッド、ブラックの色合いが使われています。
色合いは、それぞれこのような意味を示しています。
グリーン:ジャマイカの植物の生育と抑圧の根絶
ゴールド:祖国(エチオピア)の富
レッド:アフリカ社会のために殺された人々が流した血
ブラック:アフリカ人の色
さて、ラスタファリアニズムは、省略してラスタとも呼ばれます。
ラスタという言葉を聞いて、あっ☆と思ったあなた!
ひょっとして、音楽やファッションがお好きですか?
一般的にラスタといえば
マリファナを吸って、ドレッドヘアで
レゲエ・ミュージックを聴く、
ジャマイカンな人たち
このようなイメージがあまりにも強いため、ラスタファリアニズムは、音楽やファッション、アートのカテゴリに入ると思われている方もいらっしゃるかも知れません。
実際、ラスタファリアニズムのフラッグを見ても分かる通り、色合いやライオンのシンボルがデザイナーの心をくすぐるようで、たくさんのファッショングッズが販売されています。
このような背景もあり、レゲエやラスタは、音楽やファッションのジャンルだと思われている人たちも多いかもしれませんね!
実は、レゲエ・ミュージックと、ラスタファリアニズムは、ふか~い関係があるのです。
ラスタとレゲエの☆ふか〜い関係☆
レゲエ・ミュージックは1960年代にラスタファリアニズムの発祥とおなじ、ジャマイカで登場しました。
レゲエ・ミュージシャンが自分たちの音楽活動の中で、ラスタファリアニズムを信仰していることを公言し始めたことから、レゲエの歌詞にもラスタファリアニズムの信仰が反映されるようになりました。
とくに、ある伝説のミュージシャンの登場(このあと登場!)が、レゲエをラスタファリアニズムの中心核ともなるような位置づけにしたといえます。
ラスタファリアニズムの人たちの信仰は、ドレッドヘアに表れています。
ドレッドヘアは、ラスタファリアニズムの人たちだけのヘアスタイルではありませんが、ラスタファリアニズムの人たちがドレッドヘアにするのには、れっきとした理由があります。
ラスタファリアニズムの人たちのドレッドヘアは、彼らのシンボルである、「ライオンのたてがみ」を表しています。
そのため、髪の毛(たてがみ)は自分の強さを象徴しており、たてがみを切ると弱ってしまうと考えられているのです。
そのため、ドレッドヘアは、切ってはいけない、とされています。
髪を切ってはいけないことは、シーク教の人たち(特に洗礼を受けた男性)もそうですよね!
シーク教の人たちは、ターバンをしなければなりませんが、ラスタファリアニズムの人たちは、ドレッドヘアを切ることさえしなければ、ヘアスタイルは自由です。
(シーク教の人たちが、髪を切らない理由はこちら↓)
キング・オブ・レゲエの「あの人☆」
そしてもうひとつ。
レゲエといえば、浮かぶのは、キング・オブ・レゲエ、ボブ・マーリーの姿。
彼は、1981年、36歳の若さでこの世を去りましたが、音楽やファッション、ライフスタイルなどを通じて、世界中の人たちを魅了し、ラスタファリズムに絶大な影響を与えました。
彼のことを、よくは知らなくても、これらの名曲は聴いたことがあるのではないでしょうか?
■ No Women No Cry
■ ONE LOVE
こちらの名曲は、「サーティーワン アイスクリーム」のCMにも使われたようです。
そして、ミュージックビデオには、ボブ本人とポール・マッカートニーがチラっと出演(↓)
いかがでしたか?
宗教としては比較的歴史の新しい、カリブの島、ジャマイカで発祥したラスタファリアニズム。
ラスタファリアニズムを信仰する人たちは、いまや世界中に広がり、宗教そのものを信仰をしてはいなくても、音楽やファッションなど、その表現方法は、多くファンから熱く支持されています。
そんな、ラスタファリアニズムは、自然のことをそれはそれは大切にしています。
当然ながら、その思想は「お食事の要件」にも、自然を保護し、尊重する考えが反映されています。
そして、私個人的には、これまでご紹介してきた宗教の「お食事の要件」で、最も厳しいものではないかと思います。
はい、そうです。
ユダヤ教より、イスラム教より、ジャイナ教より厳しい・・と、私は思います。
次回、一挙にご紹介しますよ~ (^_-)-☆
そして、あなたがゲストをおもてなしすることになったら、役に立つ・・かも知れませんので、来たるべき日にそなえ、一気に参照できるよう、「お食事の要件」をマガジンにまとめておきますね☆
サポートありがとうございます。 いただいたサポートは、誰かをサポートするために使わせていただきます!