祝 認定!鍋奉行デビューまでの道のり
アイスブレイクで使えそうなネタについて、思いつくままにご紹介しています。
天気や季節の話、食べものの話はアイスブレイクの王道ネタ。
食べものの話は、幅が広く、奥も深いですが、(私の独断ですが)アイスブレイクネタごとに、こんな感じに分けてみました。
◆ 海外の食べもの ◆
A)食べて美味しかった・感動したもの
B)食べてみたいもの
C)食べるのがムリ・食べたけど辛かったもの
◆ 自分の国の食べもの ◆
1)ソウルフード(国民食)
2)B級グルメ
3)おやつ・おつまみ
とりあえず、これらを掛け合わせれば、食べものの話題に困ることはないでしょう。
たとえば、以前紹介した、上海のもみじ(五本指のついた鶏の足)のエピソードでは、
私(日本人)にとって、もみじは、上で言うと
Cの食べられないもので、
中国の人からみたら3のおやつ・おつまみ
でした。
(ロバって牛肉?もみじ以外の中国で食べられなかったものはこちら↓)
そして、WAGYUのエピソードでは、
私(日本人)にとって、すき焼きは、上で言うと
1のソウルフードですが、
海外の人からみたらCの食べられないもの
でした。
WAGYUの話でもお伝えしましたが、主に欧米の人たちは生卵を食すということに、とても抵抗があるようです。
(すき焼き派としゃぶしゃぶ派に分かれて和牛を楽しんだお話はこちら↓)
そして、これからは、お鍋の季節ですね!
お鍋も、日本のソウルフードとして、安定的な地位を確立しています。
鍋を前にオタオタする私
冬のある寒い夜。
年中暑い国、シンガポールから来てくれたビジネスパートナー3人の女子たちに、少しでも、あったかくなってもらおうと、お鍋のカジュアルなお店に入りました。
メンバーは、ジェシカ(スウェーデン人)、アニー(シンガポール人)、ヴィーナス(フィリピン人)、そして私。
そこは、自分でやる方式のお店だったらしく、たくさんの野菜、お肉、きのこ、麺などの材料が運ばれてきて、私の前に置かれました。
そして、カセットコンロの「つまみ」も私に向けてセットされました。
お店の人は、メンバーを見て、私が一番、鍋奉行にふさわしい(?)と思い、任命してくださったのかも知れません。
なにせ、この場にいる日本人は私のみ。
しかも、日本語ができるのも私のみ。
この時点で、必然的に、私が鍋奉行に任命される構図になっているのです。
でも、私は、鍋奉行どころか、お鍋は幼い頃に食べたことがあるだけ。
材料の投入に順番があることは知っていましたが、ズラリと目の前に並んだ材料、なにから鍋に投入するのか、恥ずかしながら、まったく記憶に残っていませんでした。
てっきり、お店の人が、材料を投入してくれ、できあがったお鍋を持ってきてくれる、と思いこんでいました。
材料を目の前にして、オタオタする私・・。
私を見つめる、3人の女子に
「ごめん。
私これどうやってお料理するか分からない。
材料を投入する順番があるはずなんだけど・・。順番無視しちゃっていい?」
すると、アニーが
「ぜんぜん問題ないよ。
適当に入れちゃって!
味、変わんないっしょ☆」
おおらかな答えに安心した私は、とりあえず、目の前にある、麺から投入しました。
祝 認定 鍋奉行!
麺を持ち上げ、鍋に投入しようとすると、隣の席のおじさんたちが、大きな声で
「ちょっと待った~!」
と、叫んでいるではありませんか!
その声が、自分に向けられているとは、つゆとも思わなかった私は、気に留めるでもなく、麺をお箸で持ち上げ、いざ投入!
すると、
「おいおいおい、麺は最後、最後!」
その声は、私に向けられていたものでした。
麺を鍋に半分つけた状態で、箸を止める私。
これを持ち上げて元に戻すのか、いっそのことすべて鍋に入れてしまった方がいいのか・・。
迷ったまま、箸の動作を止めていると、おじさんたちが
「鍋から上げちゃって上げちゃって!」
その声のままに、私は麺を鍋から救出しました
と、おじさんたちのひとりが、お店の人に
「やっちゃ〜ん。
ほら、彼女たちのテーブル。
新しい麺持ってきてあげて。
鍋のやり方、知らないみたいだから。」
このお店は、おじさんたち行きつけのお店なのでしょうか?
やっちゃ〜ん、と呼ばれた店員さんは、はいっ、とうなずいて、半分鍋に浸かり、ノビてしまったヨレヨレの麺と新しい麺とを取り換えてくれました。
どうやら、おじさんたちは、私が
ちょっと待って。え~・・。
これ、どうすればいいんだろ・・
と、ぶつぶつつぶやいていたのを、聞いていたらしいのです。
「ありがとうございます。
でも、すみません。私やり方、わからなくて・・。
どうすればいいか、教えていただけませんか?
と、お願いすると、おじさんたちは、待ってました!とばかりに、膝を打って
「麺を最初に入れた時点で、そうだろうな~、と思ったよ。
大丈夫、任せなさい。」
どうやら、おじさんたちは、鍋奉行として、かなりの実績をお持ちのようです。
鍋奉行とは、「鍋の作り方や食べ進め方を取り仕切る」人のことを指すようですが、お隣の席のおじさんたちは、ザ・鍋奉行!
材料ごとの鍋投入のタイミング、アクとは何ぞや、アクの取り方、スープのいただきかたなど、お鍋の「お作法」について、丁寧に解説してくださいました。
そんなおじさんたちからの、優しさもある厳しいご指導のもと、私はこの日、無事に鍋奉行への一歩を踏み出すことができました。
おじさんたちが、片言の英語も交えて説明してくださったので、ジェシカ、アニー、ヴィーナスの女子3人も、材料の投入やアク取りにチャレンジ。
その結果、おじさんたちから、女子3人にも鍋奉行の称号が与えられ、全員そろって鍋奉行デビューを果たすことができたのでした!
最初は、隣から、私たちのお鍋に、張り切ってあれこれ指示をする、ワイシャツの腕をまくりあげたおじさんたちに、怪訝そうな顔をしていた、ジェシカ、アニー、ヴィーナスの3人でした。
が、鍋奉行という言葉があり、その人がリーダーシップを発揮して、お鍋の場を作っていく。
私たちはまさにいま、鍋奉行その人から直々に、お鍋という食のエンターテイメントをコントロールするための指導を受けており、とてもラッキーなんだよ!と説明したら、がぜんやる気を出し始め、師匠である鍋奉行おじさんたちも巻き込んで、とても楽しいお鍋の場になりました。
鍋を囲むというシチュエーションは、交流を深める、仲間意識を再確認する、ほんわかするなど、人との交流をスムーズにあっためる効果があるのかも知れませんね。
ここで鍋奉行同士の対決なる、面白いぐるなび記事を見つけました。
本場の鍋奉行、なかなか険しい道のりのようです(汗)。
くすっと笑える内容ですので、よろしければ、リンクから・・。
生ハムをつまむ仲
スペインのバルセロナでは、気のおけない仲間を指して、
生ハムをつまむ仲
と、いいます。
生ハムをフォークなどで取って食べるのではなく、お互い素手でつまんで食べる、これが打ち解けた証拠だよ!とバルセロナのビジネスパートナーたちが教えてくれました。
日本では鍋、スペインでは生ハム。
食べものが、人との交流をあったかくする役割を果たしてるんだなぁ、と、鍋が恋しくなるこの時期、特に思えてきます。
いかがでしたか?
さて、私と生ハムをつまむ仲であり、このnoteにも何度か登場している、イケメンアレックス(スペイン人)。
彼が、とうとう日本にやってくることになりました。
次回は、アレックスが、どうしても日本で食べたかった、日本のソウルフードについて、お話します。
この記事が参加している募集
サポートありがとうございます。 いただいたサポートは、誰かをサポートするために使わせていただきます!