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膵がんが悪性化するのは、「RECKたんぱく質」が原因だったと明らかに!京都大学発表。

こんにちは、翼祈(たすき)です。

2人に1人ががんになると言われている、現代。

この記事ではがん中でも、膵がんを紹介したいと思います。

膵がんは日本では2019年、国立がん研究センターの調査で、年およそ4万4千人が診断されています。

大腸がんや肺がん、胃がんに比較しても膵がんの発症率は低い水準ですが、5年生存率は8%台で年およそ3万8千人(2020年、国立がん研究センターの調査)が亡くなります。臓器別のがんで亡くなる人数では女性で3位、男性で4位を占めています。

実は膵がんが悪性化する原因は、「RECKたんぱく質」という物質であることが分かりました。

今回は膵がんと「RECKたんぱく質」の因果関係について説明します。

膵がんが悪性化する「RECKたんぱく質」とは?

膵がんが悪性化するメカニズムを、京都大学の消化器内科の妹尾浩教授などの研究チームがマウスを使った実験で解明しました。

「RECKたんぱく質」が膵臓で減少すると、がん細胞同士が繋がらずにばらばらに分散されて拡がり、肝臓などへのがん細胞の転移も発生しやすくなるといいます。人間でもマウスと同じ様なメカニズムが想定され、この「RECKたんぱく質」を増加させる薬剤を投与することで、がん細胞の転移を少なくする可能性を秘めているとします。

膵がんは早期診断が困難な以外にも、がん細胞が大きな「塊」化して膨張するのではなく、周りの組織に入り込む「浸潤」で拡大し、がん細胞が転移しやすくなります。重い膵がんの患者さんでは細胞の膜に存在する「RECKたんぱく質」が減少していることが明らかになっていましたが、メカニズムは解明されていませんでした。

京都大学の消化器内科の妹尾教授などの研究チームは、膵臓の細胞にだけ「RECKたんぱく質」を合成されない様にゲノム編集したマウスを生み出した結果、膵がんの発症率が5倍ほどに増加し、肝臓へのがん細胞の転移も6割以上で発生していました。

この生み出されたマウスではがん細胞同士の連結に必要な分子が大幅に減少し、がん細胞同士が繋がらずにばらばらに分散されて「浸潤」が発生しやすくなっていて、「RECKたんぱく質」が膵がんの発症やがん細胞の転移を抑制していることが明らかになりました。

参考:膵がんが転移しやすい仕組みを解明、京大がマウス実験 人でも応用 朝日新聞デジタル(2023年)


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