見出し画像

*種採り不要の野菜たち


畑で育てる野菜の種は、自家採取するか、固定種の種を購入するのだが、
毎年種を買うのは、そこそこお金がかかる。
固定種や在来種の種は一袋300円ほどするので、なるべく種を採るようにしている。

なるべくなら全て自家採取したいけれど
鳥に食べられてぜーんぶ無くなっていたり、
明日採ろうと思っていたら、全て弾け飛んでいたりΣ(・ω・ノ)ノ!
雨が降ってカビてたり、
種が採れるまで上手く育たなかったり・・して途絶えてしまう事がある。
自然界はキビシイのだ・・!

赤大根の種

アブラナ科

アブラナ科の野菜とは、どのような種類があるかご存じだろうか?

大根、カブ、小松菜、ブロッコリー、キャベツ、白菜、菜花、水菜、チンゲン菜、からし菜、ケール…と多彩である。
どれも美味しく、毎日の食事に欠かせない野菜達だ。

これらの種も自家採取したいところなのだが、
大根以外の菜っ葉、黄色い菜の花が咲く品種は交雑し易く、
種を取って蒔いても親とは違うモノが出来てくる。

だから、それらは種を採らず、
固定種の種を購入することにしているのだ。

しかし一つ、抜け道があった。
アブラナ科の中のキャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなどは種を取らずに長年育て、収穫する方法があるのだ。


脇芽が出てきたカリフラワー野崎早生


一般的には収穫した後、その株は枯れるか、トラクターで耕され、なくなってしまうのだか、
実は彼らは多年草で、一度収穫した後も生きている。

F1種ではダメかもしれないが、固定種のものならば、
収穫された後の株は、しばらく放置していると写真のように沢山の脇芽を出す。

その脇芽をポキッと折り、土を入れたポリポットに挿しておくのだ。

大きくなってしまっているものは、水分が蒸発しないように下の方の葉を何枚かとっておく。
土が乾いたら水をあげよう。
要は、挿し木が出来るということだ。

発根した野崎早生


これで種を取ることなく、購入することなく、
たくさんの苗が植えられる。

種から苗を育てるのは時間もかかるし、
ホームセンターで苗を買えば、一つの苗が100円位する。

収穫した後の生きている株は処分してしまわず、脇芽が出るのを待ってあげよう。
脇芽でも命を繋ごうとしているのだ。

牛蒡

ゴボウはアザミのようなかわいらしい花を咲かせる。
その後たくさんの種を作り、自然に枯れて、
茎は倒れて地面に種を落とす。

けれど牛蒡はそれなりの大きさに成長するのにそこそこの時間を要する。

だから、もっと早くに収穫したい時には奥の手を使うのだ。

成長した牛蒡を収穫したときに、茎と根の境目から2センチほど下を切り落とし、
上の食べない部分を土に挿しておくのだ。

切り取ったゴボウ


大きい葉は水分が蒸発してしまわないよう、切り落としておく。
土が乾かないように水をやっておくか、草マルチをしておけば、
しばらくすると新しい葉が出てくる。

そして、根っこも伸ばし、また収穫できるようになるのだ。

花を咲かせ、種をつけると牛蒡は死んでしまうが、
こんな風に命をつなげることもできる。

ただ、根っこは1本ではなく、
蛸足になりやすいからあくまでも自家用かな(;^ω^)

それにゴボウはこぼれ種でよく芽を出すので、
種まきしなくても、勝手に育ってくれていることもよくあって、
どこから出てくるかはゴボウ任せではあるけれど、
種採りしなくても、どこかしらにゴボウがある畑になってきた。

ゴボウの種

トマトやピーマンししとう


パプリカのようなさきがけピーマン


トマト、ピーマン、しし唐は同じナス科の植物で、
日本では一年草扱いであるものの、実は多年草である。

なんで日本では一年草になるのかというと、
この子らは暖かい地方の植物で、日本の冬が越せないのだ。
よく、スーパーに行くと、冬でもこれらの野菜が売っているのは、
輸入されて来たか、ビニールハウスで保温して栽培しているものだ。

自然農の畑でビニールハウス保温栽培はさすがにできないが、
ある年うちの畑の軒下で、こぼれ種で発芽していたしし唐とトマトが
そのまま年を越して翌年実をつけた。
なんのことはない、霜に当たらなければ冬を越せるのだ。
さすがに真冬に実をつけたりはしないけれど、
暖かくなってくると新芽を出して、花を咲かせる。
ちゃんと生きているのだ。

鉢上げしたさきがけピーマン

さきがけピーマンという肉厚で大き目の美味しいピーマンがお気に入りで
毎年育てている。
毎年種採りするのであるが、ときどき種を採り損ねる(;・∀・)
そんな時は、葉を落とす秋から冬前に
畑から株を掘り起こして鉢上げし、軒下で管理する。
幹は黄色く変化するけれど、ちゃんと生きていて
春暖かくなってくるとご覧のように新芽が吹いてくる。
これを4~5月、霜が降りなくなって、十分暖かくなってから
畑に戻してあげるのだ。

鉢上げしたら古い枝や枯れ枝、
伸びた枝をばっさり剪定しておく。
翌年脇芽がたくさん出てくる。

トマトの苗がたりないなぁ~なんて時には、脇芽をポキッと折って
土に直接挿しておく。
トマトは簡単に発根するから、よほどの日照りでないと枯れないため
ちゃんと根がついてくれる。
心配な時はポリポットに挿しておくと安心かな。

種から育てるより早く収穫したい時や、
種を採り損ねた時の裏技としていつもこんな手抜きをする。

農業ではこんなことはできないが、
家庭菜園ならではの手抜き農法なのだ( ̄▽ ̄)


だつりょくてぬきのうほうやな

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?