あかね書芸 halu akane

小さな書道教室の先生。毎月発行する教室だよりに短いエッセイを掲載中。この度、100号を…

あかね書芸 halu akane

小さな書道教室の先生。毎月発行する教室だよりに短いエッセイを掲載中。この度、100号を迎えた記念に、これまでのエッセイを公開していきます。

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日日是好日

 自粛生活中に観た映画で、心に残ったのが、日日是好日です。  何をやっても不器用な大学生典子は母のすすめで茶道教室に通い始めました。そこで先生や生徒達との交流を通じ成長していく物語です。 樹木希林さんが演じる武田先生は、不器用な典子に「頭で考えないで、自分を信じてやってみなさい。」と語りかけます。いつも、どことなく自信が持てない典子を見抜いているかのように。 武田先生はお茶の教授を通じて人生を語るのですが、少しも押し付けがましくありません。あくまでも茶湯を語り、典子はそ

    • 芸術の秋は乾燥から

      ※2023年10月  102号教室だより 長かった夏がやっと終わり、秋らしい爽やかな気候となりました。 「天高く馬超える秋」などと言いますが、空が高く見えるのはなぜでしょう。 それは、空気が乾燥しており空気中の水蒸気などの粒子が小さく太陽光の中でも波長が短い光を拡散させるので青く見えるのだそうです。 また、「芸術の秋」とも言われますが、こちらも空気の乾燥と密接な関係があるのではと、私は考えています。 少なくとも、音楽において空気の乾燥は重要なポイントです。 特

      • ピアノと母

        ⚫︎2022年9月「教室だより」より 8月は2週間お稽古をお休みし、夏休みとさせて頂きました。 夏休み中は、淡路島の実家に帰って、古い家の大掃除をしました。 大変でしたが、家の隅々に何かしら思い出がありますので、楽しい時間でもありましたし、美しくなって清々しい気持ちになりました。 掃除の合間に、母と一緒に淡路島からは鳴門海峡を挟んでお隣りの徳島県阿南市に出かけして、推し活中のピアニスト石井琢磨さんのリサイタルを聴きに行きました。 徳島県は石井琢磨さんの生まれ故郷です

        • 真央ちゃんの夢

          6月、立川ステージガーデンで開催された浅田真央さんのアイスショー 「Everlasting33」に行ってきました。 真央ちゃんのアイスショーは昨年の「beyond」以来。33歳になった真央ちゃんは真央ちゃんと呼ぶのは気が引けるくらい素敵な大人になりました。 今回のショーも全てを真央ちゃんがプロデュースし、全く新しいエンターテイメントを創造したと言っても過言ではなく、真央ちゃん、いえ真央さんの芸術に対する理解の深さを思い知らされることになったのです。 エバラス33の何が既

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          浅田真央さん、サンクスツアーのこと

          ⚫︎2021年5月教室便り ⚫︎バンクーバーオリンピックからフィギュアスケートを観戦し始め、真央ちゃんを見続けてきました。6月より新たなショーを立ち上げる真央ちゃん、楽しみにしています。 江戸川区スポーツランドで行われた「浅田真央サンクスツアー」に行ってきました。 サンクスツアーは2019年日光公演以来3回目です。 フィギュアスケートを観るのは2020年1月のプリンスアイスワールド熊本公演以来ですから、なんと1年3ヶ月ぶり! 久しぶりの真央ちゃんの演技に感動、感涙。

          浅田真央さん、サンクスツアーのこと

          4月は緊張とともに

          進学、進級おめでとうございます。 新しい環境の中で、この1ヶ月は、ドキドキわくわくの毎日だったことでしょう。 お教室でも、新学期の話題が飛び交っていました。 新しい学校や、担任の先生のこと。クラス替えで新しいお友だちが出来るかどうか不安に思うこと。クラブ活動のこと。 お子さま同士で情報を交換して同じ感情を共有したり、お稽古よりもお話に夢中になる場面もしばしばありますが4月だけは大目にみるようにしています。 なぜなら、この時期はちょっとした不安やストレスを感じていると

          長い春休み

          ※2020年3月 教室だより  コロナにより学校が一斉休校になり、教室も休講にしました。まだコロナについわからないことが多く、不安と憤りの中で書いた文章です。 私は書道教室の他に、カルチャーセンターでギターと地域でマンドリンクラブの指導をしています。 突然の一斉休校で、長い長い春休みになりました。 新型コロナウイルス観戦拡大予防のためとは言え、あまりにも突然で乱暴な対策に思えます。 もっと早く他にしなければいけないこともあったのに! 昼間子どもたちにお留守番をさせなけ

          グランマ・モーゼス 人生100年を生きるヒント

          グランマ・モーゼスをご存知ですか? 名前を知らなくてもグランマ・モーゼスが描いた絵はどなたも一度は目にしたことがあるでしょう。アーリーアメリカンの暮らしを素朴なタッチで描いた絵はクリスマスカードの絵柄や絵本としても多く使われるアメリカで一番愛された画家です。 グランマ・モーゼスは1860年ニューヨーク州の農家に生まれました。12歳で生家を離れ、大きな農家の住み込み使用人として働きました。 後に、同じお屋敷で働いていたトーマス・サーモン・モーゼスと結婚して独立し、小さな農

          グランマ・モーゼス 人生100年を生きるヒント

          演奏ボランティアのこと

          ボランティアに関心を持つ方は多いようです 災害が起こった時、現地に駆けつける災害ボランティアはよく知られる活動ですが、 ボランティア活動に時間やお金を使えなくても、身の回りで困っている人の手助けをするのも立派なボランティア活動です。 私は、ライフワークの一つとして「演奏ボランティアの活動」を長年続けています。 高齢者施設や地域の催しなどに出掛けて演奏するのです。 きっかけは、ピアノがない施設でのフルート伴奏を依頼されたことでした。 フルートとギターは大変相性が良く

          演奏ボランティアのこと

          才能を育てた3つの話

          将棋の藤井聡太九段は14歳2ヶ月で4段昇格を果たし最年少でプロ棋士になりました。デビューから29連勝し大きな話題を呼び、将棋ブームが巻き起こったのは記憶に新しいところです。 藤井聡太九段が小学4年生の時、担任の先生に「5分でわかることを45分話す先生は無駄だと思う。」と言ったそうです。 それに対して先生は「5分でわかる子もいれば2時間かかる子もいる。その時によって合わせる基準を変えている。」と説明し、小学四年の藤井九段は納得したそうです。 藤井九段にとっては45分の授業

          才能を育てた3つの話

          特定外来種の話

          4年前、赤色の可愛いメダカを10匹購入し睡蓮鉢に放して毎日眺めて楽しんでいました。毎年どんどん増え続け今年は200匹近くになりました。水替えや暑さ対策やら、一所懸命世話をしては癒される日々。お稽古の行き帰りに見て下さる生徒さんもいらっしゃり、みなさんに親しんで頂いていました。  ところが7月のある朝、餌をあげようと日除けを上げたところ、あまりの光景に呆然。200匹近くいたはずが目算でも簡単に数えられる30匹程に激減していたのです。烏よけにかけた網も引き剥がされていました。何が

          マエストロ プロムシュテットさん、お元気で!

          2018年から月に一度、NHK交響楽団の定期演奏を聴き続けています。 コロナで定期演奏会が中止になった時期もありましたが、現在はすっかりコロナ前に戻りました。 コロナで軒並み演奏会が中止になり、活動の場を無くした演奏家のみなさんも苦しい時期を乗り越え、より一層聴衆の前で演奏する喜びを感じておられるのではないかと思います。 音楽ファンにとっても、好きな音楽をコンサート会場に出向き聴けることは、とてもうれしいことです。 テレビ、ラジオ、YouTube、配信など、アーティス

          マエストロ プロムシュテットさん、お元気で!

          ほめられると心が動く!

          「先生、なんか上手くなったね!」 月初めのお稽古で、五年生の生徒さんが、新しいお手本を見るなり、ほめてくれました。 実は、お手本を書きながら 「あれ?上達してるかも!」 と自分でも何となく手ごたえがあったので 「あー、やっぱり、子どもたちも、わかるんだ!」 と、上達を確信しました。だからと言って、今までのお手本がダメだったということではありませんので、ご安心下さい。 上達と言っても字の形や、筆遣いは、何も変わりありませんが、自分の字も悪くないと思えるようになり、

          ほめられると心が動く!

          推し活のすすめ

          「推し」や「推し活」という言葉を最近よく見聞きします。 「推し」とは、推し上げる、後押しする人や物事のことなのだそうです。そして、自分の推しを応援する活動が「推し活」です。 最初はアイドルファンのことだろうと思っていましたが、アイドルや歌手などのように限定的ではなく、アーティストや声優さんはもちろんのこと、さらにはアニメキャラクターやゲームなど実在しない推し、また動物やその動物が居る動物園や水族館なども対象になるなど、特に決まったカテゴリーもなく、制限はありません。 簡

          むっちゃんの夏休み

          むっちゃんは5歳年下のいとこです。むっちゃんはお父さんが亡くなったすぐ後に生まれました。 いろいろ事情があって、生まれて半年後、私の家に預けられました。 いきなり、手のかかる赤ちゃんを預かることになったのですから私の母も大変だったと思いますし、家族が急に一人増えて私たち姉弟にとっても大事件のはずですが、特に抵抗もなく自然に受け入れたと思います。 親子、姉弟として、楽しく過ごし共に成長して行きました。 まるで、はじめから家族だったように育ちましたので、自然と私の父母をパ

          むっちゃんの夏休み

          12歳のラック

          ある獣医さんが次のように述べています。 犬の愛情表現は分かりやすいと思います。例えば見つめて首をかしげたり、眉をぴくぴくさせる。外出の時にお見送り、そして出迎えをしてくれる。飼主さんに寄り添ったり、ベッドに寝たり、寄りかかったりといった行動をとる。こういった行動が出たら犬から愛情をもらっていると理解してください。 犬を飼っている方には、それがどういう仕草か手にとるように分かることでしょう。 さて、わが家の愛犬ラックはもう12歳になりました。人間の年齢ですと62歳くらいで