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グランマ・モーゼス 人生100年を生きるヒント
グランマ・モーゼスをご存知ですか?
名前を知らなくてもグランマ・モーゼスが描いた絵はどなたも一度は目にしたことがあるでしょう。アーリーアメリカンの暮らしを素朴なタッチで描いた絵はクリスマスカードの絵柄や絵本としても多く使われるアメリカで一番愛された画家です。
グランマ・モーゼスは1860年ニューヨーク州の農家に生まれました。12歳で生家を離れ、大きな農家の住み込み使用人として働きました。
後に、同じお屋敷で働いていたトーマス・サーモン・モーゼスと結婚して独立し、小さな農家の主婦として子どもを産み育てました。家事と農業と、とてもよく働く女性だったそうです。
グランマはとにかく手先が器用で身の回りのものはなんでも手作りし、刺繍を売ったりして生計を助けていましたが、70を過ぎたころからリュウマチがひどくなり刺繍を刺すことが難しくなりました。
さて刺繍を愛する農家のおばあちゃんがどうしてアメリカ人に愛され「モーゼスおばあちゃん」と親しみを込めて呼ばれるようになったのでしょうか。
なんと手が痛んで出来なくなった刺繍の代わりに、白く下塗りした板に田舎の風景や人々の暮らしを描き始めたのです。
そして知り合いのドラッグストアで売り始めました。それが、偶然ウィーン出身の画商の目に留まりニューヨークで初めての個展を開きました。
その時モーゼスおばあちゃんは78歳でした。
それから、田舎のおばあちゃんが描いた素朴な絵はニューヨークで大変な話題となりました。モーゼスおばあちゃんはすでに80歳!1961年に亡くなるまで生涯1600点の絵を描きました。生涯創作意欲はおとろえなかったそうです。
70歳を超えて新しいチャレンジを成功させたモーゼスおばあちゃんはこう言っています
「人生は自分で作り上げるもの。これまでも、これからも。」
70歳になって大好きだったことが出来なくなったとして「もう歳だし、あきらめよう。」と思ってもおかしくないです
ね。多くの人は歳をとったことを理由に未来を考えることをやめてしまうでしょう。
ところが、グランマ・モーゼスは農家の主婦として働き続けても、すり減らない豊かな心を持ち、日々の暮らしを好奇心を持って過ごしました。そして、彼女自身の人生を切り取るかのように絵を描き始めたのです。
人生を自分で作り上げ、そして堂々と1世紀を生き抜きました。
大人になってから、何かに興味を持って初めてみたいと思ったことはありますか?もしありましたら、今からでも遅くはありません。全くちがう未来が、その先にあるかもしれません。モーゼスおばあちゃんのように。
※2022年2月の教室だよりに掲載しました。
※グランマモーゼス展は世田谷美術館にて2021年11月20日より2022年2月27日に開催されました。
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