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好きなことをはじめた日のこと



好きなことを始めた日のことを覚えている?


なぜ好きなことを始めたのかを思い出せば、それは続けて行く理由になる気がしている



私は、自分の作品を愛しています

それに引き換え、自信は?と聞かれたのなら
それは全く別のことで
全く自信はないのですと答えるのだと思う

足りないところを挙げればきりは無く、それを上達の見込みと思えばプラスの取り方
でも、技術不足と言われて仕舞えば
それは納得してしまうほどに

それでも、私は私の作品を愛していて
自分の好きを日々形にしている



作品を作り始めた時のこと
今だからこそ、ぼんやりと思い出す

最近、私はこの活動を本気で辞めようと思っていた

それでも、こうして続けることを選んだのは
運命の悪戯のような出来事が連れて来た諦めと、原点を思い出したから

ーやっぱり書いていると楽しいのよね

いい作品ができた時の達成感は何にも変えられない快感で
それは上手いとか下手とかそう言うものとは別のような気がして
結局は気づけば書いてしまっていて辞められなかったのだ

下手だから辞めて仕舞えばいい
そんな言葉は、これからどうにでもして行けるのかもと思い直して
それよりも、もっと大切な自分にとってどうして書いているのか?と言うことを思い出したかったのだ


作品作りを続ける理由
それは、ただただ自分の手から心から生み出されるものが形になる達成感を味わいたくて続けているのだと思う

子供頃、私の生育環境では褒められることも叱られることもなかった
褒められないことだけならまだしも
叱られないと言うことはつまりは自分はどうにでもなっていいのねと無関心さを感じてしまい
そんな環境では、自分の存在価値が分からなかったのだ

それでも、絵と文章だけ別
書けば褒められる
描けば、賞状をもらえる
これが当たり前だったので

技術と言うのは、目に見える確かなもので夢中になれば認めらるもので
人間の心のように複雑では無い分かりやすいものだと認識した私は
それらを自分のアイデンティティとして生きる軸にしてきた

そして、幸か不幸か人一倍不信感の強い私は
誰かに褒められるひと時のその場しのぎの言葉を信じるよりも
誰も自分の存在を認めてもらえない世界だと知っているからこそ
自分が自分を褒め、存在を認めてあげる術を欲していたのだ




絵を完成させた時の達成感
自分が思うものが目の前に現れる達成感

夢中になって何かを作るこの世から隔離されているような別次元の時間と空間

その快感と目の前に現れた結果こそが
私にとっては、『自分いいね』と言ってあげられる最大の幸福で

そんな達成感を、まだまだ味わいたいと欲張って
絵が描けなくなった時は、文章を書き
そして、それさえも出来ない時は編み物に刺繍、料理に旅でも同じように私は達成感を欲し
何かを生み出しては味わう生活を繰り返して来た


編み物を始めた時のこと
編めば編むほど、メリヤスの模様が姿を表し段々になり仕上がって行く魔法のような喜びに
汗を掻きながら興奮して、手元が震えていたのを思い出す

どの作品を手掛ける時も同じなのかもしれない

メリヤス模様の積み重なりを見て夢中になる時間に、完成した時に両手いっぱいでマフラーを広げて
心の中から歓声が漏れ
そして、今度はそんなお気に入りを首に巻き出かけるのだ

本当は、それだけのはずなのに
なぜか忘れてしまう

本当は、それだけ
ただ、それだけなんだと思う


こんな風にして続けて来た好きなこと

そんな、好きなことをして暮らせたらいいなと思うこと

それは目標であり
この先の未来では現実にはならないかもしれない

それでも、どうしてかきっと辞められないのだと思う

人生がどんな風に転んでいったとしても、辞められないのだと思う


それでいいと思うし

それがいいと今は思う



akaiki×shiroimi

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