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「結婚しなきゃ」からの解放

「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」


このキャッチフレーズを覚えているだろうか?
3年程前に結婚情報誌ゼクシィのCMで使われていたものだ。

当時多くの人の心に刺さり話題となった。
例外なく私の心にもガツンと響いた。

ある日、仕事の先輩と宅飲みをした。
先輩も私もいわゆる結婚適齢期を超えた女性社員。
周囲から独身をネタにされることも多かった。
それをセクハラだと騒ぐほど繊細なタイプではない。
むしろそれで周囲が盛り上がるなら自分も楽しい。
そんなアラサーだった。
仕事の愚痴や、前進か後進かも分からない恋愛事情を話しながら、話題はゼクシィのCMへ。
先輩もあのCMが刺さった1人だった。

あの言葉さ、誰も傷つけないの。
すごくない?


「あ、そっか。」
だからあのCMは心に刺さるのか。
「刺さる」と言っても心をえぐるものではなかった。
すっと心に入りこむ感覚だった。


結婚関係の話題は私達独身者の心を気付かないくらいの弱い力で、それでも確かにえぐっていた。

結婚がマジョリティ。
いい年を過ぎて独身でいることをマイノリティだと。
そんな価値観の世界で生きてくると、気が付かないうちに「結婚=幸せ」と刷り込まれるんだ。


でも現実は違う。

私は結婚しなくても幸せになれる


男女関係なく経済的に自立することができる。
好きな場所で、好きなことをして生きていける。

結婚は幸せになるための数ある手段の内の1つに過ぎない。

結婚してもいいし、しなくてもいい。
それはあなたの自由だ。

あのCMは私にそう言ってくれた。

「結婚しなきゃ。」「彼氏を作らなきゃ」と思っていた私が解放された日となった。



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