朱谷

ゲンロンSF創作講座第7期の備忘録的なメモです。 講座が終了する、炎上する、面倒くさく…

朱谷

ゲンロンSF創作講座第7期の備忘録的なメモです。 講座が終了する、炎上する、面倒くさくなる等、 適当な理由で消滅する可能性があります。

最近の記事

最終講評会

講座の最終回で、今年の新人賞が決まる。とりあえず結果から。 大賞は 大庭繭さん「うたたねのように光って思い出は指先だけが覚えている熱」 中野伶理さん「那由多の面」 に決定。 最後の最後まで藤琉さん「聖武天皇素数秘史」(優秀賞)が競っていて、面白い展開だった。というよりも東さんのエンターテイナーぶりを楽しむ内容だったというほうが正しいかな。 割と初めの段階で大庭さんの受賞はほぼ確定だったように思うのだけれど、それを東さんが(ちょっとシリアス気味に)混ぜ返して、伊藤さんがボケて転

    • #2

      これから心機一転、書きはじめるとして、次はどういったアプローチというか書き方を心がけていこうかと、頭の中でぼんやりと考えている。 今期の講座を通して意識していた文体としては、 ・シンプルでわかりやすい(読みやすい)こと ・描写や比喩などを切り詰めて情報をできるだけ圧縮する ・スムーズに読みやすいリズムを作る というような、どちらかというとソリッドさやテンポ感を意識して文章を書いていた。 以前は冗長というか、どちらかというとねっとりとしたまとわりつくような文章だったように思うの

      • 特別授業のふりかえり

        梗概や実作の提出はなく、一年間のSFの状況回顧や、受講生からの質問に答えるという特別授業。自分からはとくに質問はしていなかったので、のんびりと聞く感じ。 自分も新人賞などに応募しようと考えるとき、自分の作風にマッチした賞などを見つけるのが苦手なので、とりわけそういった類の質問については興味深く拝聴。 講義後に、大森さんに自分の最終実作の落選について、欠点などが聞ければと思い質問に行ったが、特に指摘するべき悪いところはなく、ただ最終候補として考えると、もう少しパンチ力が足り

        • 最終候補発表

          4月末に感想をアップした途端に最終候補が発表された。ギリギリで滑り込みだったようだ。危ない。 今期は6作品。 藤琉さん「聖武天皇素数秘史」 木江巽さん「真夜中あわてたレモネード」 大庭繭さん「うたたねのように光って思い出は指先だけが覚えてる熱」 中野伶理さん「那由多の面」 鹿苑牡丹さん「SOMEONE RUNS」 池田隆さん「アンドロイドの居る少年時代」 自分の予想したうち2作品入っている。 個人的にはトータルのバランスや選考委員などを鑑みると本命予想は中野さん、でも好き

        最終講評会

          最終実作提出作について

          出そろった最終候補作は29作。自分のを除いて28。文字数もこれまでより多くて(少なめの作品もあるけれど)、読み進めるのにけっこう時間がかかってしまった。 おそらく最終候補は6作品前後、選ばれると思うのだけれど、とりあえず自分が読んでみて選ばれそうだと思ったもの、推したいものを、いつものレギュレーションに合わせて3作品選ぶことにしてみる。 基本的に一読した際に思ったこと、感想、気になったこと、等を中心に短めにまとめて書いたので、再読などはしておらず読み落としたり誤読している点が

          最終実作提出作について

          最終実作提出

          一年弱、SF講座もいよいよ最終。 後半の何回かはエンジンがかかるのが遅くて、締切一週間前に本腰を入れて書きはじめる、みたいなことが続いたので、けっきょく執筆を習慣化するまでには至らず。 最終実作はというと、取り掛かる前に梗概通りに書くかちょっと迷ったのだけれど、他にいい案もすぐには浮かばなさそうだったので、ひとまず書き出すことに。 その前に、梗概で取り上げたくせに生成AIというものをあまりよくしらなかったので、無料で使えるChatGPTをとりあえず少し触ってみようと思い立った

          最終実作提出

          第九回講義のふりかえり

          ■講座前の交流会 今期では初の試みとして、祝日だったこともあって講座の前に有志のメンバーで集まってアナログゲーム大会が催されたため、参加。大量にゲームを持って行ったけれど、時間の制限もあり、数作しか遊べず。しかしかなりの満足感が。創作講座だけに雨露さんの持ってきた「じゃれ本」がとても盛り上がった。こういうゲームを楽しめる集まりは貴重だと思う。 ゲーム大会の後は五反田のファミレスで少し早い夕食をとって講座へ。講座前から楽しいことがいろいろで充実していた。 ■講義 第九回講義の

          第九回講義のふりかえり

          第八回実作提出作について

          斜線堂有紀さんからの課題「最初と最後でタイトルの意味が反転する物語」についての皆の提出作を読んだので、感想を。なぜか今回、辛口な感じになってしまった……。 中野伶理さん「白砂は清らに流れ」 凝った文章で綴られていて、こういった雰囲気が好きな人は楽しめそう。個人的にはやや衒いすぎというか、わかりにくく感じてしまったところも何カ所かあった。中野さんのテーマの一つには、失われつつある文化や技術の継承問題というのがありそうで、そこにクローズアップした物語になっている。そのため、梗概

          第八回実作提出作について

          第八回実作提出

          斜線堂有紀さんからの課題「最初と最後でタイトルの意味が反転する物語を書け」に対する実作。 講評の際にはそれなりに話が盛り上がって、講師陣からいろいろなアイデアを聞かせてもらえたけれど、結果的には大枠はあまり弄らずにまとめることにした。 はじめ少し書き出してみたところで、主役二人の関係性がいまいちしっくりこなくて、しばらく放置していろいろと考えていた。 そしたら連休が終わってしまったので、慌てて着手して三日かけて何とか書き上げた。4000→7000→13000字という感じでフィ

          第八回実作提出

          最終課題梗概提出

          最後は特に課題はなし。自由に書いて、講評でもとくに点数をつけられるわけでもないので、あまり深く詰めることはせずに思いついたものをざっくりとまとめて提出。 ある程度、隙が大きいほうがツッコミをもらって改善点に気がついたり、講師陣から思わぬネタをもらえたりするかもしれないので、その辺りにも期待して、大枠だけを提示することとした。 また、ガチガチに詰めたのに講評での評価が散々で別の内容に切り替えようという場合にも、梗概の段階ではあまり固執しすぎないくらいでちょうどいいかもしれないと

          最終課題梗概提出

          第八回講義のふりかえり

          今回のゲスト講師は斜線堂有紀さんと編集者の田中玲遠さん。 一限目の講義では、斜線堂さんの創作メソッドが惜しげもなく開示される。自分は創作法についての本などを読むのが趣味的にけっこう好きなので(早川の井手さんほどではないけれど)、楽しんで拝聴していたし、嬉々としていろいろとメモも取って充実していた。 斜線堂さん自身、「再現性のある実践的な方法」と仰っていて、どれも実践すれば力になるものばかり。ただ、自分としては再現性があるけれど再現性がない、という印象を持つ。たとえ技法的な部分

          第八回講義のふりかえり

          第七回実作提出作について

          高山羽根子さんからのお題「ワンシチュエーションで書け」に対する実作。自分の提出したものも含めて全体的にコンパクトなものが多かった印象。場面転換がないと間を持たせるのも難しいということもあるし、一つのやり取りで長く書くと冗長になってしまうこともあるので、分量を抑えめにするというのも一つ。逆に、アイデアさえあればいろいろな要素やエピソードを詰め込みやすいともいえるかな。 サイト掲載順に。 木江巽さん「形状記憶カフェ」 梗概の段階でシンプルだけどきれいにまとまりそうという印象をも

          第七回実作提出作について

          第八回梗概提出作について

          今回は斜線堂有紀さんからの「最初と最後でタイトルの意味が反転する物語を書け」という課題。難しい課題だという声をちらほらと聞いていたのだけれど、自分的には「難しさ」があまりピンと来ていなくて、しかし提出された作品を読んでみるとやはり難しかったのかと思う次第。全作を一読しての感想としては「はたして反転とは……?」という感じだった。提出は27作とこれまででは一番少なくて、実質的には梗概の最終提出と考えるとすこし寂しい感じかも。 以下、感想を書く前に今回の課題に対する自分なりの評価の

          第八回梗概提出作について

          第七回実作・第八回梗概提出

          実作は、高山羽根子さんのお題「ワンシチュエーションで書け」というもの。梗概を提出した時点で、一万字前後の比較的短いお話になるだろうなとは予測していたのだけれど、結果的には七千五百字ということで、思っていたよりもだいぶすっきりとまとまった。 短くまとめられたことはよかったのだけれど、予測からだいぶずれてしまったのはまだまだ読みが甘いという反省が。 書こうと思えばもういくつかエピソードを追加して引き伸ばすこともできそうだったけれど、この手の内容だとこれ以上書いても冗長になるだけだ

          第七回実作・第八回梗概提出

          第六回実作提出作について

          法月綸太郎さんからのお題「嘘つき、詐欺師、デマゴーグetc.が出てくる物語」を書くということで、どんな面白い嘘が登場するのか楽しみに。 雨露山鳥さん「騙り語り」 落語調の文体ということで、誰かの「語り」で進行していくのだけれど、最後に語り手が明かされてオチがつくということで、どうしてもスパッと終わってしまい余韻が弱く感じられてしまった。分量の問題もあり、入れられるエピソードに限りがあるため、騙りと科学のバトルを広く展開できなかった点も作品のポテンシャルというかスケール感とし

          第六回実作提出作について

          第七回講義のふりかえり

          いろいろと私事で忙しく間が空いてしまったけれど、メモ程度に。 今回の講師は高山羽根子さんと編集者の井上彼方さん。 講義パートは中国でのSFの大会の話からスライドして実践的な内容になっていたような記憶があるけれど、個人的にはそれほど印象に残っていないかも。後でもう一度動画で確認しておいた方がいいかな。 ■梗概(自作)について ある意味、意図していたとおりの評価だったけれど、どうとでも好きに料理できる内容、という指摘。読者対象の選択から雰囲気まで、かなり自由に書けるようなふん

          第七回講義のふりかえり