最終候補発表

4月末に感想をアップした途端に最終候補が発表された。ギリギリで滑り込みだったようだ。危ない。
今期は6作品。

藤琉さん「聖武天皇素数秘史」
木江巽さん「真夜中あわてたレモネード」
大庭繭さん「うたたねのように光って思い出は指先だけが覚えてる熱」
中野伶理さん「那由多の面」
鹿苑牡丹さん「SOMEONE RUNS」
池田隆さん「アンドロイドの居る少年時代」

自分の予想したうち2作品入っている。
個人的にはトータルのバランスや選考委員などを鑑みると本命予想は中野さん、でも好きなのは鹿苑さんなので期待したい。

自分のは残念ながら残らず、まぁ、あれでダメならSFとは縁がなかったときっぱり諦めがつく。生成AIに関する知識がわりと付け焼刃だったので、何らかの気づいていない欠点というか致命的な瑕疵があるのか、そのあたりが気になるところ。
できれば残って、受賞ではなくても、編集者の票がどれくらい得られるかを知りたかったのだけれど。これまで編集者の評価を実作で得られている感覚があまりなくて、今期だと「モチ」で井手さんにそれなりに評価されたように思うけれど、結局、全体を通してはあまり編集者のウケがよくなかったという実感が強い。(逆に今期はけっこう作家ウケは悪くなかった気もする。)
第2期のときは、最初の開票時点ではたしか編集者の得点が最低で、選考委員の得点が最高というような評価だった記憶がある。
けっきょく最終的には出版の判断をするのは編集というか出版社なので、そういうところに評価されるようなものを書けるようになりたいと思うのだけれど、なかなか勘所をつかめない。

今後は何かしらの目標をもって書くことになるけれども、ジャンル小説はやはり不得手というか、あまり自分の作品に対する需要が見込めそうにもないので、ちゃんと考えないと。
長いこと、目指すべき指針みたいなものが定められず、何か漠然としたものを手探りするような感じで小説について考えたり、書いたりしている。新人賞の一覧みたいなものはときどき眺めるのだけれど、ピンと来なくて、ただ、うだうだ考えるよりもとりあえず書いて出せよ、というのも大きい。しかしカテゴリーエラーというものがあるとすると、わりと自分の(講座以外で書くもの)は、ちゃんと応募先を選ばないとエラーになりそうなものが多い気がしていて、どうにも動きが鈍くなってしまって。

ずっと以前は傾向と対策みたいなことを考えたり検討したりしてみたこともあったけれど、それではあまり書けないし書いていて面白くないし、やはり自分の理想とするものを書きながら、居場所を見つけなくてはいけないのだなぁと。ないならほんの少しずつでも耕して作っていかなくては。。。

講座としては、一年間、自分以外の作品もいちおう全部読み、初回以外は短いながらもすべてに感想を書いたので、それなりに得るものはあったというか、楽しむことができた。
いろいろな人の小説を、まだ粗削りな部分も含めて読むのは楽しいし刺激がある。重ねていくうちに、どういう作風の人なのかが見えてきたり、あきらかに実力が伸びているのがわかったり、変化球に驚かされたり。
自分としてもリハビリ的に少しずつまた文章が書けるようになってきて、ただ以前書いていた文章とはだいぶ雰囲気が変わっていて面白かったし、最後のほうでようやく展開による仕掛けみたいな手応えをほんのすこしだけつかむことができたような気がする。

この後は、誘われているアンソロジーに一つ書く以外はとくに予定はないので、またどんな新人賞があるのか調べるところから始めて、とりあえず一つくらい出してみたい。できればもう少し。
地方文芸賞は面白そうなのがけっこうあるのだけれど、著作権が自治体に帰属するとかいう無茶苦茶な条件が入っていたりするので、ほとんどのところに出せなくなってしまうので、困る。

それでは、最終は外野席からのんびり見学。
選ばれた皆さんは、最終講評までに自分の作品を何度も読み返して、ダメ出しして、質疑応答アピールを頑張って! GOOD LUCK。



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