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子どもがいま、一番必要な学び #追憶の先に

この間、自分の親も知らない、学校にも行けず育ってきた少女がたった一人で生活しているという話を知った。

小学校の頃は優秀な成績で頑張りたいと思っていた矢先、中学からいじめが始まり不登校の日々。幼い頃に親に除籍され、認知症の養母の世話をしなければいけないことから次第に学校へは行かなくなった。

親戚は助けるどころか、精神疾患を抱えていることから仕舞にはナイフを向けてくる人であったと話していた。大人を信用できず、自分の身の危険を感じ、一人で逃げ出しホームレス生活の日々。今は自分のアルバイトで得たお金で命をつないでいるという。

彼女の生い立ちが珍しいことから、自分の生い立ちやどのようにしてお金を集めていたのかや、除籍された親への思い、養護施設についての意見などを本人は積極的に発信している。

その子は小さいときから本が大好きで、時間を忘れて本を読み耽る人だった。動画で見る少女の話す素振りに知的さを感じるほどだった。

彼女の話している言葉の中で、私が一番心に残っていることがある。それは、「わたしが何よりも悔しいと感じるのは、学校で勉強ができなかったことだ」という言葉。

彼女は勉強が大好きだったのに、養母の世話をしなければならなかったり同級生からのいじめを受けたりで、学校で学ぶ機会を十分に得られなかった。

「人の一生は、働く時間のほうが圧倒的に長くて、勉強をしてればいいだけの学生の時期になんで私は勉強ができなかったんだろう、どんな手段を使っても勉強を優先させなければならかったはずなのに、私にはそれができなかった」と涙ながら訴えていた。

学校での教育以前に、家庭内での教育環境が子どもに与える影響は本当に大きい。その環境から子どもの性格が形成されたり、他人への接し方が決まるといっても過言ではないとおもう。

そして紛れもなく、子どもが一番に優先すべきことは学習をする時間だと痛感した。この少女は発信をしているからたまたま私の目にも留まりその子の存在を知ることができたわけで、同じような環境下で生きている子どもたちは陰で多くいるだろう。ましてや、日本だけでなく海外を見渡せば数多くその環境や家族との関係で悩んでいる人が多くいるのも事実だ。

ただ、じゃあそのような子たちが一生貧しい思いをして生活しなければならない運命なのかというとそうではないと思っていて、生きてゆく中で自分の事に手を差し伸べてくれる人が突然現れたり、思ってもないようなところで人間関係が築かれていったり。自分の倫理観に従い考えて行動できるのが人間で、考え方次第でいくらでも変化できる。

日本には、親が子どもに与える影響を考えずに育てている人が多いように感じる。赤ちゃんと外に破棄したり虐待したり育児放棄したり、ニュースでもよく見かけるし、一人も人間を育てることに対しての考え方が浅はかである気がしてならない。

もちろんそれに当てはまらない親も多いことを知っているが、若い世代を中心に一人の人間の机上以外の教育が真に求められていると思う。世の中にはそうした学習の機会に恵まれていない子どもたち含め、他人を理解する心が必要と思う。

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