載せては消され、消されては載せ・・中国の人たちの新しい風刺動画とは?
「坚持就是胜利!(頑張り抜けば勝利!)」の大号令で進められてきた中国の「清零(ゼロコロナ)政策」が、辛抱限界という抗議の予想以上の盛り上がりを受け、急に緩和され始めた。
国のトップの「弱毒化」発言に続いて、専門家が異口同音に「弱毒化」でお墨付きを与える。大幅な緩和の“科学的根拠”は整ったようだが、結局“勝負”は勝てたのか?元々どうなれば“勝利”かもわからなかったが。
さて、先日は、毎日PCRを受けさされる人民による、「PCR漢詩」をご紹介した。真面目な顔して漢詩を朗読し、韻を踏みながら最後に「PCR!」とつける、というもの。
「老百姓(laobaixing=庶民)」のユーモアの効いた風刺だ。軒並み削除され、また次々と現れたという。
さて、今日ご紹介するのは、ここ数日中国のSNS上で出回っていたという動画。
それは、こんな感じ。
中年のおじさんが怒りながら、こちらに向かって来る。
おじさんは、何度もこう叫んで、怒っている。
「什么是真的?你说什么是真的?」
=何が本当なんだよ!何が本当だって言うんだよ!
そしておじさんは、こちらを睨みつけたまま、立ち去って行く。
それだけ!(笑)
しかし、この動画を教えてくれた中国の友人は、中国人ならこれを観て、誰でもこれがゼロコロナ政策、そして言ってきた事やってきた事が急変することへの不信感だと分かるという。そう、言わなくても分かる風刺だと。
実は、声は録音されているもので、テレビドラマか何かの有名なセリフらしい。それに自分の動画をつけているのだ。
私は、左下のハッシュタグにも注目した。
そう。あなたたち。
これは、「お上」の事を想起させる。
そしてこれは、何が真実なんだよ=嘘ばっかりじゃないかよ、何が本当なのかわからなくなるよ、というニュアンスを含んでいると、その友人は言う。
この「何が本当なんだよ」動画は、これも様々なバージョンになってネットに次々現れていると言う。皆、各々の動画をセリフに載せて。
以下の動画もハッシュタグに注目。
不信感が強調されている。
さらに他の動画では、英語の「f**k」のようなちょっと汚い(が、日常会話ではよく出る)言葉を使ったバージョンも出てきて、次々削除されているという。
また、見た人からどんどんメッセージが寄せられて画面上に流れてくるが、ここでは露骨にPCRが、とか、ワクチンが、とか書く人もいるそうだ。
載せては消され、消されては載せ・・・
次から次へと、ユーモアで、スレスレの意思表示をする人民の投稿に、これからも要注目だ!
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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
AJ 😀
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