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10年代マイベスト漫画【レビュー】【漫画】

先日まで、「#俺マン10s」という企画がツイッターで行われておりました。それに付随して、私も『10年代で心に刺さった漫画』をここにおいておこうと思います。

あ、そもそも「俺マン」とはですね……

「俺マン」とは「俺マンガ大賞」を略して生まれた名称で、選定基準も参加資格もない、自分の独断と偏見でこの1年読んだマンガから面白かった作品を選ぶ、超個人的年間ベスト企画です。
2011年末にスタートし、昨年2018年には総投票数8,187票、総タイトル数2,383作品が寄せられました。

参加は、Twitterでハッシュタグを付けてその年自分が面白いと思った作品を投稿するだけでオーケー。さまざまなユーザーの個人的ベストを共有すると同時に、通常の俺マンでは年明けにその集計結果を発表しています。

……というわけで、主にツイッターで集計されている、有志の漫画賞といったところでしょうか。

その中で行われた企画の一つが、「#俺マン10s」です。2010年1月1日から2019年12月31日までに単行本が刊行された作品を対象にして、10年代のベストを決めましょう。という試み。


……でこれが、私、最初は乗る気がなかったのですが、ここにきてぽっかり時間ができたために乗ってみようと思ったのが8月1日。集計対象は7月31日まで。すでに期間は過ぎてしまっているものの、せっかく私も昔のレビューなんかを見直して選んだので書いておこう、というわけです。

もちろんすべて私の主観であり、おおまかに10位までと、それ以下とは分けましたが、それぞれは順不同です。本家の方はぜひハッシュタグを参考にしてください。

では行きましょう。


■TOP10

『かげきしょうじょ!!』斉木久美子

宝塚歌劇団の下部組織、宝塚音楽学校で切磋琢磨する少女たちの物語。キャラよし、絵よし、話よしの三拍子そろった強強漫画。純粋にまっすぐ夢をみる子、様々な葛藤を抱える子。いろんな個性がそこに集まり、『宝塚』という夢を目指すスポ根群像漫画。思いの塊に震えます。
宝塚に興味がないとか、そんなことは全く関係なく万人が楽しめる漫画です。レビュー書きました。


『昭和元禄落語心中』雲田はるこ

落語が好きなら読むべきだし、落語が好きじゃないなら読むべきです。つまりあなたはこれを読むべきです。アニメにもドラマにもなった作品ですが、私的には漫画がやはり一番です。
10巻完結と、比較的手を出しやすいので、お盆休みのために全巻用意するのもオススメです。何せ、師匠のお得意の演目は「死神」。最初は笑わせておいて、背筋が凍る、そんな夏にぴったりの落語ですから。
音声のあるドラマや漫画の方が落語には有利であるはずが、漫画の持つ心理描写や自由な描き方などの醸し出すテンポが唯一無二の強さを生み出します。

繊細なタッチで描かれる落語家たちの人生を堪能あれ。


『子供はわかってあげない』田島列島

上下巻完結。青春の甘酸っぱさみずみずしさ。加えて伊藤理沙ばりの小ネタ祭り。よく言えば「味がある絵」でして、映画化も控えています(現在公開延期中)。
キャラクターに無理がない、というのは当たり前のようで当たり前じゃない。そんなことを思わせてくれる等身大を感じる漫画です。くだらないギャグにクスッと笑っているうちにキャラクターにとらわれて離れられなくなります。そのうちまんまとストーリにーにやられる。そんな漫画。
映画のサイトから原作1話無料で読めるところに飛べるので、ぜひどうぞ。

0年代は今日マチ子さんの『センネン画法』が最も好きな漫画でしたが、10年代ではこの作品『子供はわかってあげない』が最も好きな漫画でした。


『乱と灰色の世界』入江亜季

ビームらしい、古風な絵柄が逆にこの漫画のキラキラ感を引き立たせます。少女と魔女と恋愛のお話。レトロなのに、キラキラしている。このギャップがクセになります。今はどこでも最初の1話とかは読めるので一度見てみてください。
スニーカー、そして変身美人。それにこの雰囲気。ビームの漫画は比較的どれもこの雰囲気に近いんですけど、キラキラ度は唯一無二。このタッチで描こうという思いがあるからこその独自表現を追求したせいだと思います。

魔女も怪物もなんでもござれの世界観で、登場人物も多いのですが、それぞれのキャラが立っているので、ごちゃごちゃしません。現在連載中の『北北西に曇と往け』も絶好調です。


『金剛寺さんは面倒くさい』とよ田みのる

「だが本編とは大きく関りのない物語である!!」でおなじみ。学園青春バトルラブコメ。

絵にクセがあるけれど、はまるとドツボ。ごちゃごちゃしているのにわかりやすい。力強い。こうして並べてみると、ちょっとクセのある絵のものが好きなようですね私。いうなればそれは、スパイラルを描き周りのものをどんどん吸引しながら、どこまでもまっすぐに突き進んでいく弾丸のよう。あまりにも実直なそんな魅力にあふれています。

とよ田さんは昔からずーっと一貫して、この雰囲気を追求してきて、その一つの到達点がこの漫画なのではないかと、私は思っています。それくらい完成度が高い漫画です。


『よしふみとからあげ』関口かんこ

しゃべるウーパールーパーと同居する社畜の話。ヌメヌメしている。いわゆるカワイイ存在というよりも、「シーマン」に近いシュールな存在。おっさんに見せかけて確かメスなのではなかっただろうか。
マガジンのサイトってコミックDAYSか……で1話、読めますね。というか、今って大体公式でも読めるのか……。

漫画開始して2ページ目で、離婚届を出され、3ページ目で見ず知らずのウーパールーパーに話しかけられる、このスピード感。最高。私の好きなファブルとヤンマガ繋がりで、コラボしていたりして、どこまでも私得。大変面白いです。私的、最強キャラ。


『変ゼミ』TAGRO

下ネタいけない人は手を出さないように。あと特殊性癖に抵抗がある人もダメ。でもそうじゃない人ならオッケーだからみんな読もう。カワイイキャラクターに変なことをさせたら右に出る人はいない、そんな漫画。

変ゼミもコミックDAYSにあった。コミックDAYS、講談社系が好きで、何も考えずに漫画を沢山読みたいなら一番オススメできると思う。

何がここまで私の興味をそそるのかはよくわからないけれど、特殊性癖に対するあこがれなのかもしれない。といっても、かなり上級者向けのものも多いから、なかなか気軽には手をだせません。いや、もし私が仮に気軽に手を出しだしたら、危ないから止めてやってください。


『西原理恵子の人生画力対決』西原理恵子

リアルで行われた、漫画家同士のガチンコ画力対決を本に。そういうとものすごそうだけれど、実際にはホストは西原さんだし、相手はカイジの福本さんとか。競うのは頂きではなく谷底。珠玉。

対決する漫画家さんがとにかく立派です。西原さんにしか出せない、足の引きずりあいの応酬。リアルイベントを開催して、それを漫画にしているため、臨場感たっぷりです。またやってほしい。

小学館の試し読みは小学館コミックか。6巻でしたが。
6巻の相手は「江古田ちゃん」の瀧波さんや、押しも押されぬ「ハチクロ」の羽海野チカさんなど。気になるでしょう? 気になるでしょう?


『ごっこ』小路啓之

作者が亡くなったせいで、ひいきしている気は多少ありますが。なんにしてもさらった子供と不埒もののお話。疑似家族はどこまでいっても疑似家族なのか。親であり子であるとはどういうことなのか。

集英社はこの手の統括サイトはどこになるんだ……。わからん。とにかく試し読みはこちらからどうぞ。親も子も普通ではなくとも、考えることは同じです。3巻完結なので読みやすいです。


『青い花』志村貴子

私的百合漫画の頂点(今のところ)。お嬢様学校で行われるガールミーツガール。人物、背景、そして気持ち。そんなその場の空気を切り取ることができる人が私の好み。
志村さんは、微妙に揺れ動く気持ちをこれまでも描いてきましたが、そこに甘酸っぱさを一滴たらし、純粋さを足して、ガツンと見せる。繊細なようで、力強さもある。そんな漫画です。

太田出版から出てる「F」好きだったんですよね。山本直樹さんとかも書いてました。試し読みはこちら。



さて、以上TOP10でした。
ちなみに1巻の段階では10年代じゃないものもありますが、リンクは全部1巻です。

どうせ明日には入れ替わるような緩いものではありますが、どれも私基準では最高に面白い作品です。無条件で一作だけ選ぶなら「子供はわかってあげない」で、ギャグなら「よしふみとからあげ」です。

雑誌単位で言えば、なくなっちゃったけど『IKKI』、今のエンターブレインの「ハルタ」。講談社の「アフタヌーン」、祥伝社の「FEEL YOUNG」あたりが私の中では強いですね。スピリッツ・イブニングあたりも好き。

以下は選外ですがリンクだけ貼っていきます。
こいつらも選んでもまったくおかしくない良作ぞろいです。


■10位以下作品(でも大好き)


完結・打ち切り・続巻等々は何も気にしておりませんゆえ、用法容量は自己責任でお願いいたします。ちなみに、あまり関係はありませんが、トップ画は、「おもたせしました」のうめさんが上げている写真で、うめさんの漫画ばっかり。好きな漫画ばかりでテンションがあがります。

選外の作品もどこれもこれも捨てがたい……いい作品ばかりじゃないか。むしろ11位以下の方が熱くないか……。

漫画ってなんにしてもとっても楽しいものです。簡単に読めるし。
皆さんも10年代はコレ!というものがあったら教えてください!



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