誰でもどこでも一人で働ける時代に考えた、新しいオフィス「実験場」のコンセプトを公開します。
こんにちは、ajike PRの説田です。ajikeは、本社オフィスを2019年6月より渋谷区神泉から目黒区池尻大橋に移転しました。関係者の方みなさまにお礼を申し上げます。
今回は、デザイン会社らしくオフィスデザインもコンセプトからつくりました。この記事では、コンセプトやオフィスの内装をどのように決め、できあがったのか?その様子をお見せします!
オフィスデザインのコンセプトを決めるまで
まず、引越しが決まったタイミングで、移転に関わりたいメンバーを社内で募りました。部署や職種を超えて呼びかけた結果、6名からなる移転チームができました。チームができたところで、内装のコンセプト決めから始めました。
まずは、どんな場所にしたいのか?アイデアの良し悪しは問わず、各々の考えを出し合いました。その中で出てきたものが、こちら。
・集中と発散の場があるオフィス
・その時の気分によって好きな席を決められる
・コミュニケーションが活発になるオフィス
・ajikeだけの閉ざされた空間ではなく色んな人が混ざり色んなものが生まれる ...など
それらを集約したコンセプトが、「実験場」です。誰でもどこでも一人で働ける時代だからこそ、オフィスに必要な意味とは?そこを決めることが今回はとても大事だと思ったのです。人が集まり、日々の中で生まれる「こうしたらいいんじゃないか」を試す。失敗すること、間違えることが許容される空間の中で、具現化していく。そんな場所にしたいという想いを込めました。
想いを実現するパートナーを見つける
コンセプトが決まったところで、内装をお願いする建築家を探しました。いくつかお声がけした中で、一緒に進めていくことになったのがJAMZA(ジャムザ)さん。
JAMZAさんは同じ大学で建築を学んだ新進気鋭の3人からなる建築事務所です。代表の猪又直己さんは今年の春からJAMZAとして独立。メンバーの他お2人は、日中は別の場所で建築家として働きながらこのプロジェクトに関わってくださいました。JAMZAさんは、このオフィスのプロジェクトが始まったと同時に走り出した建築事務所さんです。
JAMZAさんは、今回の設計コンセプトを「ajike CROSS POINT」、つまりajikeの「交差点」と捉えました。
この考え方にとても共感でき、互いに議論しながら最適な場所を創っていけると感じたことが、JAMZAさんに決めた理由でした。
コンセプトを形にしていく
さてさて、パートナーが決まったところで、形にしていきます。今回は居抜きオフィスを借りたので、残っているデスクや什器をうまく活用しました。
写真のように、床は木の板張りになっていたり、デスクは職人さんの手作りであったり。丁寧に作り込まれたものを活かしつつ、コンセプトどおりの内装を目指しました。
また、JAMZAさんには設計コンセプト「ajike CROSS POINT」から5つのキーワードを抽出し、それらのキーワードと掛け合わせて、具体的なプランを考えていただきました。そのプランをもとに毎週のように議論を重ね、つくりあげていきました。
初期の模型。議論を重ね徐々に変わっていきました。
それでは、できあがったオフィスをお見せします!
気分に合わせて場所を選べるフリーアドレス環境
今回のオフィスから、初めてフリーアドレスを導入することになりました。目的や気分によって自由に場所を選べるよう、集中スペース、アイディアを発散するスペース、リラックスできるスペースを設けています。
リラックススペースにはソファーがあり、休んだり、話しができる場所です。ここは元々、倉庫が2部屋あり、それらを取り壊してリラックスできる場所へと変えました。
他には、写真右側のガラスの先にミーティングルームが2つあります。左側のカラフルな数字が書いてあるのは、個人のロッカーですね。フリーアドレスなので、各々の荷物はここにしまっています。
ミーティングルームの部屋と部屋を区切るパーテーションは、ホワイトボードになっています。これを外せば、2つの部屋を1つの広い空間に変えられるんです。大人数でミーティングやワークショップをするときに便利ですね。
社員のアイディアが集まる"ajike WALL”
続いてこの大きな大きな壁は、"ajike WALL”と呼んでいるホワイトボードのこと。メンバーのアイディアがこのボードに集まります。実際に、"ajike WALL”の前に人が集まり即時的に議論が始まっている、そんな風景を度々目にします。
空間をゆるやかに間仕切る"ajike BOARD”
執務スペースは壁や部屋のない、オープンな空間を作りつつもゆるやかに仕切り、様々なタイプの作業スペースを確保しています。そのために生まれたのが、"ajike BOARD”です。
基本形は、背面が先の"ajike WALL”と同じホワイトボードになり、反対側はクッションベンチや収納棚が付いています。
空間にゆらぎをもたらす窓一面のカーテン
執務スペースには、大きな大きな窓がビルの壁面に沿ってあります。元々ブラインドが備え付けてあったのですが、一度閉めてしまうと、閉めっぱなしになり室内が暗くなることを心配していました。
そこで取り付けたのが、テキスタイルデザイナーのONDER DE LINDE(オンデルデリンデ)さんに特別に作っていただいた巨大なカーテンです。
このカーテンを作るために、みんなで何枚もの生地の中からいくつかを選び...
実際に日光に照らしてみて光の入り加減を確認したり、どのような形のカーテンにするか現場で思案しできあがりました。
全ての光をさえぎるのではなく、日差しが強く入るところのみ布の丈を長くし、直射日光が入らないところは徐々に短くなっています。長さを変えることで、室内に波打つ光が入り、空間にゆらぎをもたらします。もちろん、カーテンの位置を動かすことができ、好きなように丈を変えられます。
デスクの上をスッキリさせながらモニターを好きな方向に変えられるソケット
長くなってしまいましたが、これで最後です。
移転してから、モニターをすべてサムスンの「Space Monitor」に新調しました。このモニターのすごいところは、デスクの端にクランプを固定することで、デスク上の余分なスペースを減らせる点。そしてもう1つ大きな特徴は、手前に好きな角度まで傾けられるところです。
ただ、引き継いだデスクではクランプを挟めませんでした。。そこでJAMZAさんが3Dプリンターで自作してくれたのが、ソケット!デスクに穴を開けソケットを取り付けることで、モニターを使えるようになりました。写真だとちょっとわかりにくいですが、モニターの付け根の下に丸いソケットがあります。元々はできなかった画面の左右回転もできるようにもなりました。
実際に3Dプリンターでソケットを作っている様子
ちなみにサムスンのこの「Space Monitor」は、今のところ日本で発売していません。アメリカのAmazonで購入しました。ソケットが欲しい方は、JAMZAさんにお願いすれば作ってもらえるかも..?
これで、オフィスのご紹介は終わりです。これらの内装の施工をお願いしたのが、STUDIO ANAGRAMさんです。STUDIO ANAGRAMさんは、家具などのプロダクトを創ることを得意とされています。内装すべての施工はもちろんのこと、"ajike WALL”や"ajike BOARD”などの家具も作っていただきました。1つ1つに温かみを感じられる唯一無二なものとなりました。
JAMZAさん、STUDIO ANAGRAMさん、ajikeの移転チーム一部のメンバー
おわりに
こうして振り返ってみると、建築家さん施工会社さんテキスタイルデザイナーさんといった多職種の方々とつくりあげていったことで、随所に工夫が凝らされているなと自社のオフィスながら思います。関わってくださったみなさまには、感謝の気持ちでいっぱいです。
引越ししてから数ヶ月が経ちますが、室内のあちこちで自然と会話が生まれ何かが始まっているような、そんな気持ちになっています。
「実験場」はそこにいる人たちによって形を変えていく、まるで生きているような場所だと思います。
そんな場所に、これから社外からもいろんな人が来て、混ざり、そしていろんなものが生まれる場所になることを願っています。
少人数希望でしたらイベント、ワークショップなどできますので、ぜひお声がくださいい〜!遊びに行きたいよーという声も歓迎します、よ。Twitter(@ajikeInc)などでご連絡ください。
■移転先情報
・住所:〒153-0042 東京都目黒区青葉台3-10-9 VORT青葉台 4階
・最寄り駅:東急田園都市線池尻大橋駅
・電話番号:03-6455-0025(以前の電話番号と変わりございません)
・業務開始日:2019年6月10日(月)
最後にオフィスのエントランスを。「ajike」のロゴの部分は木の板がくり抜かれ、背景の壁が緑と白になっているんです!そこに上からライトを照らしています。
Photo by 坂田貴広さん
こどものワークショップ開催費にします👦